出生率、東京は全国初1・0割る


 厚生労働省は10日、2003年の人口動態統計(概数)を正式に発表した。1人の女性が生涯に産む子供の数(合計特殊出生率)は、前年の1・32を大きく下回り、過去最低の1・29となった。全国で最も合計特殊出生率が低い東京都では0・9987となり、全国で初めて1・0を割り込んだ。

 我が国の総人口は、2000年(平成12年)時点で、およそ1億2693万人です。その後、2006年の1億2774万人をピークとして減少に転じると予測されており、2050年にはおよそ1億人、2100年にはおよそ6400万人にまで減少すると見込まれています。

  1997年(平成9年)の労働力人口は6,384万人で、年齢構成の内訳は、「15 歳〜29歳」が23.1%、「30歳〜59歳」が65.4%、「60歳以上」が11.4%です。
  推計によれば、労働力人口は2005年の6,870万人をピークに減少を示し、2025年には6,260万人になると予測されています。また、年齢構成の内訳も、「15 歳〜29歳」が17.3%、「30歳〜59歳」が61.5%、「60歳以上」が21.2%と、 若年層の労働力が減少し60歳以上の労働力が増加していくことが示されてい ます。


 参考URL:少子化情報HP


  山間の村

 ある山村の小学校のPTAの席に、村役場の人が来ていた。

「今年の村民体育祭のけんじゃけど、係の多くが高年齢化しておって、今年の実行をやめたいと言っているんじゃ。そこで、相談なんじゃけど、小学校の運動会を村民体育祭としてやっていただけないだろうか」

 小学校の全校生徒は34名である。でも、その内容は三分の一が村外から募った山村留学生であった。でも、その山村留学生もここ数年いなくなってしまった。そして、あと三年もすると、全校生徒は半数近くになるだろうことが予想できた。

 山村を歩いていても、見かけるのは老人ばかりであり、子供を見かけることはほとんどない。

 ある保護者が言葉強く言い放った。

「小学校の運動会は別じゃけん、それは子供たちの成長を促すためにやるんじゃ。子供たちで作る運動会に意義があるんじゃけん、村民の健康増進や祭りとは意味が違うんじゃ、絶対反対や」

「でもな、村民体育祭をやる人がおらんさかい、困ってんのや」

「それなら、そんな村民体育祭をやめればいいだあ」

「でもな、それでは、村の火が消えてしもう感じでな」

「今の小学校の運動会を見ればいいだろう。それを見にくるのは保護者しかおらんだろう。子供がもたない村民が運動会にこんちゃろうが」

「だからな、村民体育祭としてやれば、村民も参加すると思うがや」

「いいや、それは違う、ただ村民体育祭をやめる口実にすぎないちゃあ」

「・・・・・・」

 私はその場にいて、これが山村の過疎化の問題だけでなく、日本の将来を反映した問題のように思えた。
 

 子供を産まない若い人が増えてきた。結婚しない男女も増えてきた。若い人達はどんどん海外へと住みだした。日本はこのままいくと、老人がそこの取り残され、老人が」働いて、なんとか、日本の社会を維持していくような姿をそこに見た。

 子供は神様の贈り物、子供は天使、子供は未来、子供は生きる夢・・・


 こんな山村の山間に、赤ちゃんの泣き声を耳にしたら、そこに明かりがさし、笑い声が帰ってくるように思えた。





   2004.6.14  

 
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