渋谷区笹塚の町

玉川上水から笹塚駅を眺める


渋谷



 渋谷って・・・

 渋谷区役所のホームページには、渋谷の由来についてこんなふうに書かれています。
  • 昔、この付近は入江であり、「塩谷の里」と呼ばれていました。その「塩谷(しおや)」が「渋谷(しぶや)」に変わったとする説。
  • 平安時代の終わりごろ、このあたりの領主は河崎重家でした。 河崎重家は京都の御所に侵入した賊を捕えました。この賊の名を渋谷権介盛国といいました。そこで、堀川の院は、河崎重家に「渋谷」の姓を与えました。このことから、重家の領地であった谷盛庄が「渋谷」に変わったとする説。
  • この地を流れる川の水が、鉄分を多く含み、赤さび色の「シブ色」だったため「シブヤ川」と呼ばれていたとする説。
  • 渋谷川の流域の低地が、しぼんだ谷あいだったからとする説。

 渋谷城があった・・・

 私は、2番目の説、渋谷氏に注目しました。そこで、帝国博物学協会の渋谷城というのがあったのです。
 そこに、こう書かれていました。

渋谷城 砦の石
 所在地 東京都渋谷区渋谷2〜3丁目
 交通機関 JR渋谷駅下車 徒歩10分 他
 別  名 -
 略  歴 平安時代末期、秩父平氏の流れを汲む渋谷氏がこの地を領し、築城したと言われる。
渋谷氏はその後代々この城に居城したが、大永4(1524)年、武蔵に進出した小田原の北条氏綱によって攻撃を受け落城した。
 現  況 城址は金王八幡宮周辺と言われているが、遺構は特に残されていない。
唯一の城址遺構と言われているのが、神社内に残されている砦の石のみである。

 渋谷川もあった・・・

 渋谷区に昔は小川があったのです。そして、音楽の教科書に載っている「春の小川はさらさらいくよ〜」という歌は、渋谷川のことだったのです。

春の小川記念碑

春の小川記念碑(表面の碑詩は故博士の息女弘子書)・・代々木5丁目65番地・

春の小川は     さらさら流る 
 岸乃すみれや     れんげの花よ 
 にほひめでたく     色うつくしく 
 咲けよ咲けよと     ささやく如く

高野辰之作詞 岡野貞一作曲

 東京のような都会には必ずうるおいのあるきれいな小川が必要だとして、昔った渋谷川の復活を呼びかけている団体もあります。

渋谷川ルネッサンス2012年構想 


 この昔った渋谷川については、東京の水2005rivisited や、道しるべ というwebでは、実際に現地を歩きながら、それがどう流れていたのかを報告しています。


 渋谷はビットバレーだ・・・

 アメリカの半導体・ハイテク企業が密集するシリコンバレーは有名ですね。それにちなんで、渋谷をIT産業が密集しているというので、「渋谷」を1文字ずつ英語に訳した"bitter valley"と情報量の単位の「ビット」から「ビットバレー」と呼ばれています。




笹塚

 京王線笹塚駅・・・

 笹塚は明治生まれの私の祖父から、三代にわたって、住んでいる町です。江戸っ子といえばそうなのですが、かなりイメージが違って、位置的には山の手のようですが、人情的には浅草の下町の風情を残しています。
 
 

笹塚MAP


 笹塚の中心はなんといっても、京王線笹塚駅でしょう。都営地下鉄新宿線の始発駅になってからは東京のどこにいくにも便利な町になりました。

 京王線ができた当時、笹塚駅はやはり始発駅だったのです。その当時のことを京王電鉄のホームページの京王開業90周年特集各駅停車笹塚駅に掲載されています。

調布駅
大正2年、京王線開通当時の調布駅

戦前笹塚にあった京王線車庫

 今では、高架線になって、笹塚の改札口はアーケード街のようになっています。

笹塚駅改札口

甲州街道から笹塚10号通り
 京王線と平行に走っているのが甲州街道20号線です。道路の上は首都高速が走っています。笹塚の西側は環状7号線が走り、それが交わるのが大原交差点です。
 東側には中野通りが走り、数年前に井の頭通りと結ばれて、渋谷へ車で行くのが10分くらいでいけます。

  笹塚は鉄道と道路の要所のため、どこへいくにも便利な立地だといえます。

 笹塚の名の由来・・・
 渋谷区のホームページにはその由来が掲載されています。
  • 江戸五街道のうち、唯一区内を通っていたのが甲州街道です。その両側に塚(盛土)があり、その上に笹が生い茂っていたことから「笹塚」と呼ばれるようになったといいます。

    この塚は、慶長9(1604)年に大久保長安により設けられたといいます。また、天保14(1843)年の村差出明細帳には、「一里塚、村内字笹塚と申所往来左右に御座候」とあります。

    大正5(1916)年刊行の『豊多摩郡誌』には、甲州街道の両側に塚があったが、すでに見られないと記してあります。


 笹塚には便利な立地のため、多くの人が住むようになりました。そのため住む環境にも目を向けることが重要になります。
 環境には、自然と文化が欠かせません。笹塚には町内会という地元組織があって、いくつかの地区割して、それぞれが独自に祭りや催し物をしています。

 自然については、小さな児童公園が点在し、そこに、子供や老人や主婦がのんびりと楽しむ風景もみられます。

 笹塚に玉川上水が流れている・・・

 笹塚の南に、今もきれいな玉川上水が流れ、そこに白サギもいつくようになってきています。都会の生活をいやす上では小川は欠かせません。渋谷川は消えてしまいましたが、笹塚にはまだ玉川上水が今も残っています。

 その川の水は、山梨の塩山・丹波山村にある多摩川の源流の水干(みずひ)からやってくるのです。
 水干から流れる雫は丹波川となり、そして多摩川になります。江戸時代、玉川兄弟によって、多摩川の水を羽村で分岐させ、東京の水道水として、玉川上水が掘られました。

 承応2(1653)年、羽村取水口から四谷大木戸(四谷4丁目交差点)までを白堀でわずか8か月で完成させたのです。

 でも、昭和30年代になってから、都民の急速の需要に合わせ、利根川と荒川からほとんど取水されるようになっています。

 
図:利根川と多摩川との連絡施設
東京都の水源は、ほとんどが河川水で、地下水の比率は0.2%となっています。
河川水は、78%が利根川・荒川水系、19%が多摩川水系です

 でも、東京都は玉川上水の環境整備を進めており、平成 11 年3月 19 日に歴史環境保全地域に指定しました。平成 15 年、文化財保護法に基づく国の史跡にも指定されました。

 笹塚の玉川上水は、東京の中心に流れる開渠としては最終地にあり、その歴史的価値と自然環境には特に重要になっています。

 玉川上水散策マップ

 
玉川上水概況図

 水道道路はなんと川だった・・・

玉川上水については、 玉川上水ネット ・ 都水道局の玉川上水 世田谷の川探検隊 に詳しく写真とともに報告されています。

 特に、世田谷の川探検隊 には、下記のように、新玉川上水の歴史とその写真まで詳細に掲載されており、笹塚の歴史を知る上で貴重な情報になっています。

水路沿岸の道路は水路の保守用のもので、一般人は通行禁止

大正12年に発生した関東大震災で被害を受けた水路

 この写真は世田谷の川探検隊のホームページに掲載されている新玉川上水路であり、今の水道道路になったところです。杉並の和泉の浄水場から、新宿の淀橋浄水場(現在の新宿中央公園)までの間にできました。

 私の母は震災後、食べ物がなくて、この土手にいもを植えて育てましたが、すぐに誰かに引き抜かれてしまったそうです。

 この笹塚の一帯は畑でした。そして、この新玉川上水ができてから、新宿から和泉まで、橋が架けられたのです。その橋の名を新宿を1号橋として、順々に6号橋(幡ヶ谷6号通り、10号橋(笹塚10号通り)が架けられました。そして、甲州街道に出る通路として、人が往来し、そこに商店街ができたのです。

 戦後、昭和30年代にこの水路は埋められ、そこは道路になりました。



笹塚の町の発展の3キーワード

1.玉川上水・・・自然と歴史と文化遺産

2.京王線・都営新宿線・・・東京の交通の便のよさ

3.インターネット・・・笹塚にはかってあのウインドーズのソフトを作ったマイクロソフト社もあったりして、新しく挑戦するIT企業が集まってきています。

 笹塚の町の歴史と現状をみると、この三つのキーワードが出てきます。そして、その三つが共通するのは、流動する道です。そして、人と人を結ぶ連絡の要所です。
 
 そして、心の通いあえる町なみづくりが求められているように思えます。


 

笹塚10号通り フリマ笹塚以前の  昭和の時代

私の父母です。昔はなんでもやさんと言われていました
 この笹塚10号通り商店街はほっとする通りです。個人商店が多く二代三代と替わっても店が続いています。
 

昔のなごりを今も伝えている


フリマ笹塚の店の前で撮影した日本興亜火災の広告
朝日新聞の一面広告で掲載されました

 この広告の撮影のさい、フリマ笹塚は撮影所になって、そこで撮影スタッフの打ち合わせ場所になりました。

 「どうしてこの笹塚10号通りの商店街を選んだのですか?」
 と聞いたら、カメラマンがこう答えました。

「まずタイル舗装で、車が通らない、そして、この通りの広さが丁度よく、なんとなくホッとする空間だから」

 この笹塚10号通りに帰ってきますと、故郷という想いが強くなります。そこで商売する人々がみんな二代目の人が多く、なつかしい顔がいつもそこにあるからかもしれません。

笹塚を芸能文化を育くむ街また育まれる街へ


世界の子供

ゴリラのラリゴ