具体案1
 ありがとう通貨紙幣

1.ありがとう通貨 1時間紙幣 表

     発行人の名前(感謝人名)・住所・連絡先(電話やメール)
     発行年月日(ありがとう通貨を発行した年月日と発行数字)
  ありがとう通貨 1時間紙幣 裏

    使用した人のサイン(感謝人名)と仕事した年月日・場所

2..ありがとう通貨 1日(6時間)紙幣 表


ありがとう通貨 1日(6時間)紙幣 裏


3.ありがとう通貨 半日(3時間)紙幣 表


   ありがとう通貨 半日(3時間)紙幣 裏

 国連や国が発行するまで、それぞれ個人が発行する

 1:1:1の関係は自分と相手と国の関係です。

 国が発行されるまでは、自分で自分のありがとう通貨の発行に責任をもってスタートすることができます。

 そのありがとう通貨を相手が信用してくれるかは相手次第です。もし、自分が発行したありがとう通貨を相手に信用してもらえればそれが使えることになります。

 そして、その信用が徐々に増えていけば、感謝の輪がいつしか大きく拡がるかもしれません。


 ありがとう通貨は基本的に自分で発行する
 親子の間で発行されたありがとう通貨(姫ちゃんサンタ)
2005年12月29日 (水)  姫ちゃんサンタ

年末に姫ちゃんが寝込んでしまって、
迎春準備どころではなかった我が家でしたが
案外早く姫は元気になりました。よかったよかった・・

昨夜ベッドで横になろうとして枕元になにやら発見。。
「メリークリスマス ママへ しいちゃんサンタより」と書いてあるポチ袋・・でした。
どうもクリスマスの日からおいてあったのに
バタバタしてたから、、うっかり気づかなかったもよう・・(^^;)ゞ
手にとって開けてみると中には数枚の手作りチケット。
「肩たたき券  3分間」「肩たたき券  5分間」
「洗濯干し券(ただし5時半まで)」「洗濯物取り込み券(ただし5時半まで)」(←姫ちゃんは怖がりだから日が暮れたら一人で2階に上がれない  笑)「洗濯ものたたみ券 1週間分」
「掃除機・雑巾がけ券 2日分」「皿洗い券 3日分」「風呂そうじ券 5日分」
そして、、「何でも券」が10枚ほど。。
そしてそして、、ひときわ大きなカードに、、
「いつもありがとう券 一生分」

うるうる・・・(T0T)
うれしかったよ〜〜。。
コ゛メンね、、今日まで気がつかなくって・・。
ママは・・・姫ちゃんのママで、、ほんとうにしあわせです♪

この姫ちゃんサンタに、ありがとう通貨の発行と使用する目的のすべてがあります


1.「いつもありがとう券 一生分」

 これは、ありがとう通貨の発行総額(発行時間)を表します。命の交換がありがとう通貨の目的ですから、自分の命の総時間がありがとう通貨の発行時間になります。

 ただ、それは「1:1」つまり、ママと姫ちゃんの間での命の交換です。姫ちゃんだけの時間ではなく、二人が共有する時間のことです。そのため、ありがとう通貨の発行時間は姫ちゃんがママのお手伝いをする時間総数ということになります。

2.ありがとう券の内容
    
「肩たたき券  3分間」
「肩たたき券  5分間」
「洗濯干し券(ただし5時半まで)」
「洗濯物取り込み券(ただし5時半まで)」
  (←姫ちゃんは怖がりだから日が暮れたら一人で2階に上がれない  笑)
「洗濯ものたたみ券 1週間分」
「掃除機・雑巾がけ券 2日分」
「皿洗い券 3日分」
「風呂そうじ券 5日分」
そして、、
「何でも券」が10枚

 このありがとう券は「自分が相手にできるお手伝いは何でも」という内容です。
 そのため、「ママに対して、・・・・自分のできること」を相手に提示することでもあります。
 そして、ママは、「姫ちゃんに対して・・・・してほしいこと」をその中から選ぶことができます。


3.ありがとう券が拡がる

 このありがとう券をもらったママは「姫ちゃん」に、他の人に譲っていいかと聞きます。
 すると、姫ちゃんはきっとこう言うでしょう。

「ママの好きな人だったらいいよ。でも、嫌いな人にはけしてあげないで」

 ママはそのありがとう券を姫ちゃんが好きなパパにあげます。さらに、姫ちゃんが嫌いなお兄ちゃんにあげます。

 そして、パパはいつも風呂掃除しているので、その分姫ちゃんにお願いしようとありがとう券を使うことにしました。

 姫ちゃんはきっとママにあげたありがとう券が好きなパパにわたり、それが自分に返ってきて、うれしくなり、よろこんで風呂掃除をします。

 でも、ママからお兄ちゃんに渡った「何でも券」で、お兄ちゃんは姫ちゃんに買い物を頼んだとします。

 姫ちゃんは嫌いなお兄ちゃんの買い物だけはしたくはありません。そこで、ママに文句を言います。

「どうしてママにあげたありがとう券をお兄ちゃんにあげるのよ。私お兄ちゃんが嫌いなことを知っているでしょう」
 そして、ママが返事しました。
「だって、姫ちゃんがママが好きな人だったらあげていいって言ったじゃあないの」
「ママが好きでも私は嫌いなの」
 ときっと泣いてしまうでしょう。


4.ありがとう券を使う使わないは自由

 このありがとう券の拡がりをみていくと、

 @ありがとう券を渡す相手を限定する(相手を選ぶことができる)
 Aありがとう券で仕事をするしないは自由である


5.ありがとう券を発行する意味

 この姫ちゃんサンタが発行したありがとう券は常に姫ちゃんがお手伝いという仕事をすることを保証する券であって、姫ちゃん以外の人がお手伝いする仕事ではありません。そのため、ありがとう券を発行するという意味は

「私が発行したこのありがとう券を渡してくれれば、私は喜んで、あなたのためにお手伝いをします」という保証の意味です。

 つまり、自分で発行したありがとう券は自分で仕事をするためのもの、自分でしか使用できないものだということになります。

 自分の言行一致(言ったことを行う)をするための方法がありがとう通貨であるとも言えます。


6.ありがとう通貨にサインする意味

 ありがとう通貨は、姫ちゃんが発行したありがとう券を他の人も使えるように、するために、サインすることで、「自分もまたありがとう通貨を発行する」という意味です。また、「姫ちゃんのありがとう券の発行の意思に賛意を示す意味もあります。

 そこで、姫ちゃんが発行したありがとう券をママやパパやお兄ちゃんが使うとします。その場合、姫ちゃんの発行したありがとう券の裏に、自分のサインをすることで、そのありがとう券はその本人が発行したありがとう券と同じ意味になります。

 この方式で、家族のありがとう通貨の流れをシュミュレーションしてみます。
@ 姫ちゃんとママとの間のありがとう券に使い方
姫ちゃんが発行した「皿洗い券3日分」 ママが受け取った「皿洗い券3日分」
姫ちゃんは「皿洗い」を3日する。(ママがサインしたありがとう券を受け取る ママは姫ちゃんが発行した「皿洗い券」にサイン

Aママとパパとの間
姫ちゃんからもらった「風呂掃除券」にママはサインする パパは風呂掃除をして、ママから「風呂掃除券を受け取る。
Bパパと姫ちゃんとの間
姫ちゃんはパパがサインしてありがとう券を受け取る 姫ちゃんはパパから風呂掃除を頼まれる

C姫ちゃんとお兄ちゃんの間
お兄ちゃんはママから買い物を頼まれ、手伝う お兄ちゃんはママがサインしたありがとう券を受け取る
姫ちゃんは買い物を頼まれたけれど お兄ちゃんは姫ちゃんに買い物を頼む
・・・・・・・・・・・・・・・・・拒否する
パパは買い物をしてお兄ちゃんのサインしたありがとう券を受け取る お兄ちゃんは買い物をパパに頼む


7.ありがとう通貨が流通する意味


 このシミュレーションからいえることは、ありがとう通貨というのは、「人から受けたありがたい行為をそのまま他人に対して行う」というシステムです。
 そして、その行為は、与える方も、受ける方も自由に選択できるというものです。
 また、ありがとう通貨が使える相手は特定でなく誰に対しても使えることで、流通ができるシステムです。

 そして、このありがとう通貨システムがあることで、「自分が受けたありがたい行為をその相手に、相手でなくても、他人に与えたくなる環境ができるということです。

8.貨幣の発行金額
 もし、私たちが山奥や人がいないような地域に行った場合、お金など必要ありません。お金を使うところがないからです。お金よりもっと必要なものは、食べ物・水・雨宿りする場、寒さをしのげる服などです。
 お金を持っていても、それらを手にすることはできません。

 もし、私たちが都会に行ったら、お金がどうしても必要になります。食べ物、水、家、服はみなお金と交換できるからです。もし、目の前にある食べ物があったとして、それを食べたら盗人となって、牢屋に入れられ、自由を奪われます。


 では、都会で生きていくためにはどれだけのお金が必要になるでしょうか?

 水、食べ物、家、服などを最低生きていくために必要な金額は日本の東京ではおよそいくらになるでしょうか? これは旅行するときに一日いくら必要かということになります。三食付き宿泊費として、7000円〜10000円は最低必要でしょう。余裕として、それを1万円とします。

 日本人の人口が1億人として計算すると、一日に1兆円のお金が最低必要になるということになります。

 お金は働かないと得られませんから、働くまでの準備期間を3ヶ月としますと、一人当たり、90万円 、国民全体で、90兆円のお金が必要になります。

 この90兆円が日本銀行が発行する必要金額になると思われます。


2006年9月の日本銀行発行金額は74兆1388億円で、流通額は78兆6041億円になっています。

 参考資料:日本銀行貨幣流通額

 もし日本国民全員がお金持ちになったとしたら

 日本人がたくさん働いて、ほとんどの日本人が裕福になり、一人平均1000万円の貯蓄ができたとします。すると、国民全体で一日1000兆円、必要貨幣発行額は9京(ケイ)になるでしょう。

 もし、日本国民が自給自足のようなお金を必要ない生活をしたら、日本銀行の役目はいらなくなります。発行額はゼロになります。


 もし、日本の借金を日本銀行が立て替えたら

 日本の借金は2006年末で542兆円の見込みです。そこで、この借金全部、日本銀行が立替して支払うとすると、542兆円分の貨幣を追加発行すればいいことになります。すると、利息は低下して、ゼロになり、流通金額は542兆円分増大し、投資は大きくなり、景気は上がることになります。

 でも、金額が大きすぎるために、極端なインフレを引き起こし、他国とのバランスは崩れ、日本経済は破綻してしまうことでしょう。

 また、このまま国債が増え続けると、景気は低迷し、失業率が上がり、やはり経済は破綻してしまうと予測されます。


 このように想像すると、貨幣の発行額と貨幣の利息で、経済を調整しているといえるでしょう。また、貨幣の流通額は人間社会における活動の量を示しているでしょう。その活動というのは人間の物的欲求の大きさに関係してきます。

 ただ、この経済学の法則ですが、いつでも、それがそのまま適応できるかというと疑問が残ります。

 日本銀行がたくさん貨幣を発行して、お金が日本中にたくさんあふれたとしても、それをほとんど貯蓄にまわして、今までとおりの、必要なものだけを売り買いするような気持ちになったら、ほとんど変わりません。その貯蓄の金利がゼロであっても、使う必要がないとしたら、やはり貯蓄するでしょう。

 それは人々のお金に対する意識によっても、経済は大きく変わることになります。また、国債にしても、それが国の借金というよりも、銀行の預金というような捉え方をすれば、国民の貯蓄というとられかたもできます。国債の利息がゼロであっても、元金が保証されており、いつでもその金額を使うことができれば、経済が破綻するということはないと思えます。

 そこで、貨幣経済が人間の意識に大きく影響させるのは、

@ お金の量(貯蓄額)
A お金の利息
B 欲望を駆り立てる商品

 この三つが要因していると思われます。

 貨幣経済が山奥では成り立たないように、もし、人の意識が単に必要な衣食住だけを求めるとするならば、貨幣経済原理は成り立たないといえます。

 そして、現貨幣は人の欲望を元にしたシステムのため、現貨幣の金額の大きさは、欲望の大きさといってもいいと思われます。

 例えば、アフリカの少数民族が欲する欲望が単に衣食住にちょっとした都会の製品だけであれば、お金の量は少しになります。

 でも、アメリカのように、世界全体の民主主義のリーダーとなるというような使命感があると、その欲望は大きくなってきます。そのため、大きな金額が必要になってきます。

 
9.ありがとう通貨の発行金額

 現貨幣が人間の欲求を元にしたものに対して、ありがとう通貨は人間の命の時間を元にしたものです。そのため、人間の欲求は限りがなく増えますが、人間の命の時間には限りがあります。

 それに基づいて、ありがとう通貨の発行金額は決めることができます。

 人が正味働ける時間を平均一日6時間として、その寿命を80年とします。

 一日6時間×365日×80年=175200時間(約18万時間) 
 日本人が1億人いるとして、
  18万時間×1億=18兆時間
 世界人口が64億人いるとして、
 18兆×64=1152兆時間

 世界全体で、1152兆時間のありがとう通貨を発行すれば足りることになります。その発行額は世界人口で計算し、決められます。

 その国のありがとう通貨は、その国の人口で発行額が決められます。

現通貨のように、
 欲望の量によって、経済活動のよって、その発行額がきめられることはありません。そのため、ありがとう通貨を貯蓄するとか、その利息とか、欲望を引き起こす商品によって、ありがとう通貨の時間は変化することはありません。

10.発行した貨幣をどこに委託・配分されるか

 日本銀行が発行した貨幣はそれを流通させるために、各銀行に委託します。銀行は基本的にお金を貸して、その利息で存続できています。お金に利息がつかないと、銀行は成り立つことができません。

 銀行は民衆に金を貸します。民衆はその金を借りて、働き、収入を得、返金していきます。そのため、民衆は銀行の利息以上儲けられるような投資をして、働き、生活し、利潤を上げなければ生活ができません。

 また、民衆はお金に換えることができる資産を生まれながらして、家の遺産としてもっています。その差は大きく、みな違っています。そうした資産をお金に換金しながら、さらに、それを投資して、お金を増やしていきます。また、減る場合もあります。

 この資産を経済活動をして換金します。それを銀行に預金、貯金するのも、銀行の仕事になります。

 そうして、お金は国民に配分されていきます。すべての資産には需要供給の原理によって、金額が査定されていきます。

 そのため、人は産まれながらにして、お金を持っている額の差が大きく出てきます。けして、人は産まれながらにして、平等にお金を持つことはありません。

 人はまたそのお金を投資する能力によって、大きくお金を得る差が出てきます。もし、人は五体満足でなく、かつ脳の障害をもって生まれてきたりしたら、投資する能力は小さいでしょう。人の投資能力はけして平等ではありません。

 そのため、日本銀行から発行された貨幣は

@ 資産別に配分される
A 投資能力が高いものに配分される


 世界がもし100人の村だったら、どうなるかは、こうした貨幣配分と委託の姿からも投影されてくると思われます。


11.ありがとう通貨の委託・配分先

 今の北朝鮮の市場の模様がテレビで放映されていました。

 市場では豊富な食料を売っています。その市場では食べられなくて今にも死にそうな人が道に横たわっています。子供たちが誰がが捨てたパンくずを争って、とりあっています。

 目の前に豊富な食料も服もあるというのに、金のない人はその前で飢餓で死んだり、争っており、けして、目の前の食料を得ることも、服を着ることもできません。

 もし、そこに貨幣システムがなかったら、飢餓で死んだりする人はいなくなるでしょう。分け合うのが普通になります。

 こうした光景は貧しきアフリカの国の市場でもみられます。 

 もし、一銭もお金がなかったら、この地球で生きていくことができないのでしょうか? それができる地域はほとんどありません。貨幣経済が地球の隅々まで浸透しているからです。

 でも、こうした現貨幣が一銭もなくても、生きていくだけのシステムがあれば、もっと世界は豊かな生活ができると思われます。

 

 もし、知識もなく、日本で、突然お金が一銭もなくなったら、どうして生きぬいていくでしょうか?

 昔からある無銭飲食という方法がたまにとられます。それは一種の泥棒です。市場に食料を盗むこともあるでしょう。盗むと警察に捕まりますが、牢屋では食物を出してくれるので、何とか生活できることになります。

 牢屋に入りたくなければ、二つの方法があります。

@ 食べ物を盗んで食べてしまうけれど、逃げないで、その店主に「働いて返します」として、その店の手伝いをさせてもらい方法。

A 食べ物を盗まないで、前もって、「なんでもお手伝いしますから、その食料をくれませんか」と交渉する方法。


 働くという条件で、食料を得る方法が生き延びる手段になってきます。


 この働くという条件が、ありがとう通貨発行になってくるのです。

 このありがとう通貨の発行人は命ある個人です。先の北朝鮮において、生き延びるとしたら、どんなシステムがあったら可能でしょうか?

 「なんでもお手伝い1時間します」というありがとう通貨1時間を飢餓に瀕する本人が発行して、市場で売られているリンゴ1個を食べられることができるシステムがあればそれは可能です。

 すなわち、ありがとう通貨は「命の時間を元にしているから可能」なのです。

 飢餓に瀕する人はありがとう通貨を店主にわたし、店主はそのありがとう通貨で、飢餓に瀕するその人を1時間雇うことができるようになります。

 そのありがとう通貨はいわば働くという約束書であり、働くと、その約束書を返してもらいます。

 これを現通貨システムでいうなら、りんご一個分のお金100円を、労賃1時間100円という条件で借りて、実際に1時間相手のために働いて返却するということになります。いわば、利息がつかない借用書みたいなものです。

 
 もし、働く力がなかったら、その人はどのように生きぬいていくことができるでしょうか?

 病人となって、一銭もお金がなかったら、どうして生きていけばいいでしょうか?

 病人ですから、病院に入院しなくては生きていけないとします。

@ 病気が治ったら、働いてその入院費は支払うという約束をする

 この場合も、ありがとう通貨を特別一日24時間分支払えばいいというシステムがあれば可能です。

 その病気が不治の病であったり、将来働くことが不可能であると判断された場合はどうでしょうか?

A 生きている間の入院費を他の人(ボランティア・国・親戚・友人など)に援助してもらう。
 
 この場合、自分が生きている時間分のありがとう通貨を発行し、その時間を他の人に助けてもらうことになります。そこで、不治の病の本人が働くという約束は他の人が行ってもかまわないというシステムであれば可能になります。

 それが、ありがとう通貨の流通の基本になります。この不治の病の人が1ヶ月で亡くなったとします。そのありがとう通貨発行額は24時間×30日=720時間分、ありがとう通貨は流通することになります。

 現通貨でいえば、毎日一人がボテンテイアで看病し、のべ30人がその人の命を支えたということになります。

 現在の日本では国による生活保護政策で、そうした人を支えているが、他国の貧民国ではそうではない国もたくさんあります。

 生活保護 100万世帯に 資料

生活保護100万世帯に、勤労世代も増加

 2005年度に全国で生活保護を受けている世帯数が、月平均で初めて100万世帯の大台に乗る見通しであることが26日、明らかになった。
 厚生労働省は「高齢化が進み、無年金や年金が少ない高齢者世帯が増えてきたことが主な増加要因」と分析している。一方、働くことができる世代がいる世帯の増加率も高くなってきており、「格差社会」の広がりを指摘する声もある。

10年前の1.6倍

 生活保護世帯数は、厚生労働省が月ごとに集計して発表。4月から翌年3月までの年度平均は、毎年6月ごろ公表している。05年度の生活保護世帯は、景気回復基調が続いているにもかかわらず、4月以降も増え続け、毎月100万世帯を上回っている。最新データは11月分の104万8661世帯(約148万人)。12月分以降は伸びが鈍化すると予想されているものの、過去最高だった04年度の平均99万8887世帯を上回り、「05年度の100万世帯突破は確実」(厚労省幹部)だという。1995年度の生活保護世帯数は平均60万1925世帯だったことから、10年で約1・6倍に増える見通しだ。

景気回復でも増加

 従来、生活保護世帯数は景気がいい時期は減少する傾向が強かった。しかし、04年度以降は景気回復の兆しが見え始めているにもかかわらず、増加傾向に歯止めがかかっていない。厚労省は「急速な高齢化社会の進展で、景気回復が生活保護減少につながっていない」と見る。04年度の生活保護世帯の内訳では、「高齢者世帯」が46万5680世帯で約半分を占める。「傷病障害世帯」(35%)、「その他世帯」(9%)、「母子世帯」(同)と続いている。生活保護を受ける高齢者世帯が多い背景には、年金保険料未納など、年金制度の空洞化問題がある。一方、小泉内閣が発足した01年度以降を見ると、最も増加率が高いのは、独り暮らしの勤労年齢層が多いとされる「その他世帯」だ。04年度は9万4148世帯で、01年度の約1・5倍に増えた。厚労省は「仕事をせず、職業訓練も受けない層が増えている」として、勤労世代の格差拡大を懸念している。

(2006年2月27日  読売新聞)

参考資料:厚生労働省 生活保護


 ありがとう通貨の委託・配分先

 現通貨の委託配分先が、銀行を通して、資産ある者・投資能力のある者になってくるが、それとはまったく逆の資産なき者、投資能力がなき者にありがとう通貨を配分・委託することで、現通貨の格差を是正することができてくると思われる。

 つまり、この世でもっとも小さき者に、ありがとう通貨を配分・委託することで、その流通を促進できるようになる。

 先の例では、病人で、五体満足でないもの、一銭もお金もないものといった人達にありがとう通貨を発行・配分・委託することがもっとも有効になってくる。

 それは日本に限らず、海外の貧民国における飢餓に近い人達にありがとう通貨を発行・委託・配分していけば、もっと有効になってくるといえるだろう。

 さらに、心が飢えた人達にはこのありがとう通貨はもっと有効な手段になってくる。日本における生活保護者は肉体は働けるけれども、心が働けない人も増えている。生活を保障するお金だけでは人は幸せにはなれない、満足できないことも、現生活保護制度の実態からもうかがえるからである。


12.この世で最も小さき者のために


マタイによる福音書 25章14〜28節

1.タラント(貨幣)の精算

「天の国はまた次のようにたとえられる。ある人が旅行に出かけるとき、僕たちを呼んで、自分の財産を預けた。 それぞれの力に応じて、一人には五タラント、一人には二タラント、もう一人には一タラントを預けて旅に出かけた。

 早速、五タラント預かった者は出て行き、それで商売をして、ほかに五タラントをもうけた。

 同じように、二タラント預かった者も、ほかに二タラントンをもうけた。

 しかし、一タラント預かった者は、出て行って穴を掘り、主人の金を隠しておいた。

 さて、かなり日がたってから、僕たちの主人が帰って来て、彼らと清算を始めた。

 まず、五タラント預かった者が進み出て、ほかの五タラントを差し出して言った。

 『御主人様、五タラントお預けになりましたが、御覧ください。ほかに五タラントもうけました。』

 主人は言った。『忠実な良い僕だ。よくやった。お前は少しのものに忠実であったから、多くのものを管理させよう。主人と一緒に喜んでくれ。』

 次に、二タラント預かった者も進み出て言った。

 『御主人様、二タラントお預けになりましたが、御覧ください。ほかに二タラントもうけました。』

 主人は言った。『忠実な良い僕だ。よくやった。お前は少しのものに忠実であったから、多くのものを管理させよう。主人と一緒に喜んでくれ。』

 ところで、一タラント預かった者も進み出て言った。

 『御主人様、あなたは蒔かない所から刈り取り、散らさない所からかき集められる厳しい方だと知っていましたので、恐ろしくなり、出かけて行って、あなたのタラントを地の中に隠しておきました。御覧ください。これがあなたのお金です。』

 主人は答えた。

 『怠け者の悪い僕だ。わたしが蒔かない所から刈り取り、散らさない所からかき集めることを知っていたのか。それなら、わたしの金を銀行に入れておくべきであった。そうしておけば、帰って来たとき、利息付きで返してもらえたのに。

 さあ、そのタラントンをこの男から取り上げて、十タラント持っている者に与えよ。

 だれでも持っている人は更に与えられて豊かになるが、持っていない人は持っているものまでも取り上げられる。 この役に立たない僕を外の暗闇に追い出せ。そこで泣きわめいて歯ぎしりするだろう。』」


2.天の裁き


 「人の子は、栄光に輝いて天使たちを皆従えて来るとき、その栄光の座に着く。 そして、すべての国の民がその前に集められると、羊飼いが羊と山羊を分けるように、彼らをより分け、羊を右に、山羊を左に置く。

 そこで、王は右側にいる人たちに言う。

 『さあ、わたしの父に祝福された人たち、天地創造の時からお前たちのために用意されている国を受け継ぎなさい。お前たちは、わたしが飢えていたときに食べさせ、のどが渇いていたときに飲ませ、旅をしていたときに宿を貸し、 裸のときに着せ、病気のときに見舞い、牢にいたときに訪ねてくれたからだ。』

 すると、正しい人たちが王に答える。

 『主よ、いつわたしたちは、飢えておられるのを見て食べ物を差し上げ、のどが渇いておられるのを見て飲み物を差し上げたでしょうか。 いつ、旅をしておられるのを見てお宿を貸し、裸でおられるのを見てお着せしたでしょうか。 いつ、病気をなさったり、牢におられたりするのを見て、お訪ねしたでしょうか。』

 そこで、王は答える。

 『はっきり言っておく。わたしの兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、わたしにしてくれたことなのである。』

 それから、王は左側にいる人たちにも言う。

 『呪われた者ども、わたしから離れ去り、悪魔とその手下のために用意してある永遠の火に入れ。 お前たちは、わたしが飢えていたときに食べさせず、のどが渇いたときに飲ませず、旅をしていたときに宿を貸さず、裸のときに着せず、病気のとき、牢にいたときに、訪ねてくれなかったからだ。』

 すると、彼らも答える。

 『主よ、いつわたしたちは、あなたが飢えたり、渇いたり、旅をしたり、裸であったり、病気であったり、牢におられたりするのを見て、お世話をしなかったでしょうか。』

 そこで、王は答える。

 『はっきり言っておく。この最も小さい者の一人にしなかったのは、わたしにしてくれなかったことなのである。』

 こうして、この者どもは永遠の罰を受け、正しい人たちは永遠の命にあずかるのである。」


解説:1タラントは6000デナリになり、1デナリは、当時の一日の労賃に値するもの。1日1万円の賃金だとすると、5タラントの人は、3億円の財産を預けられ、2タラントの人は1億2千万円、1タラントの人は6千万円預けられたことになります。
参考解説資料:ロゴスミニストーリー
 マザーテレサの祈り


苦しんでおられるイエズスよ、今日も、またこれからも毎日、病人たちの中にあなたを見ることができますように。

 また、病人たちを世話することがあなたの役に立つことになりますように。

 病人たちの怒りや悪い行ない、屁理屈などにかくされたあなたを私が見分けることが出来、「苦しんでおられるイエズスよ、あなたの役に立つことは何て快いことでしょう」と言えますように。


 

 聖書のマタイによる福音書の25章と、マザーテレサの祈りには、現貨幣の原理と、ありがとう通貨の方向性がよく表されています。

 @のタラントの清算は、現貨幣における、投資をすることによって、利潤を大きくすることが豊かさになるという意味であり、もし、投資も、預ける(銀行預金)こともしないで、そのままにして、隠しておくと、意味がないばかりか、貧しくなるということを示しています。

 それが、しいては、「金を生かす者には、さらに金が集まり、金を生かさない者は持っている金さえも、金を生かす者にもっていかれて、それを失うといっています。そうして、世界が100人の村だったらのようんな、格差が激しい世界が生まれてくるという意味でしょう。

 そうなった場合、
Aの天の裁きが待っていることになります。その格差を助長するような行為をすると、天国ではなく、地獄が待っているということも示しています。

 そこで、もし、格差をなくすような行為をすると天国がまっているということにもなります。

 これをまとめてみれば、

 金を生かすことは大事だけれど、それにこだわって、人の命を生かすことを忘れてしまうと、人類は破滅してしまうという意味だともとれます。


 そこで、ありがとう通貨は、人の命をどう生かしていくかの方向を模索しています。先のありがとう通貨を発行流通させるためには、「この世の最も小さき者」に委託・配分する必要が出てきます。

 でも、ありがとう通貨は基本的に、自分で自分のありがとう通貨を発行するものです。それは、生きている間、他の人に向かって、「私はあなたたちのために働きます」と約束するようなものだからです。自分が働くという約束手形を世界に流通させて、世界の格差をなくしていこうという狙いがそこにあります。

 もし、世界中の人間がお金を自分で発行できたら、お金は流通するでしょうか? それは意味ないことになります。 ありがとう通貨もまた世界中の人がいつでも自由に発行できたら、名刺交換または、仲間同士の交換というだけになってしまうでしょう。

「私はあなたのために働きます。よろしく」
「はい、私もあなたのために働きますので、よろしく」

 という名刺交換になります。そして、特別な関係の間だけで、成り立つ共同社会になってきます。それが、現在の地域通貨の世界ではないでしょうか。または、家族だけに一時でも流通するありがとう券になってしまいます。

 現貨幣が世界に自由に流通するためには、「お金が欲しい」という気持ちが増える必要があります。LOVE OF MONEY (貨幣愛)が、投資する力や働く力を引き出すからです。

 私たちが最も強い力というのは、人が生きようとする欲求ではないでしょうか。生きるために、衣食住を、さらに、よりよく生きようとするために、心を充実させようとします。

 そのように、生きようとする欲求がありがとう通貨にもないと、それは流通しないでしょう。この生きようとする欲求の頂点にたつのが、宗教おける神のような存在です。キリスト教ではイエスという人物を神の象徴にさせています。

 さらに、最も生きようとする欲求の強いものは誰かというと、「この世でもっとも小さき者」だと思えるのです。マザーテレサが表現したように、見捨てられた者、病に苦しむ者、死に行く者の心の内に共通して宿る強く生きる欲求です。
 
 そして、マザーテレサの創立した「神の愛の宣教者会」のように、格差社会が拡がった世界では、「この世で最も小さき者」のために奉仕することが、この世で天国に一番近い仕事になってきます。

 ただ、この小さき団体だけではとても大きな力にはなりえません。このようなことを各国が精一杯努力しようとしています。また国連でもそうです。それでも、とても格差社会是正されるには、まだまだ時間がかかってきています。

 そうした力をさらに大きくしていく方法を世界は模索しています。そうしないと、天の裁きのように、調和がとてた人間社会ではなく、格差が広がって、アンバラスな社会における自爆、崩壊という地獄がまっているからです。

 そこで、一つの案が生まれます。

 国連や国が、この世の最も小さき者たちの命を保証する「ありがとう通貨」を彼らにまず発行することです。そして、この世の最も大きな者たちであり、現通貨をたくさんもっている金持ちには発行しないことです。

 そのことによって、ありがとう通貨が使えるのは、国や国連が発行し、保証したものだけに限定されます。そうした限定をすることで、「ありがとう通貨愛」が生まれるでしょう。そして、その愛は、マザーテレサが「この世で最も小さき者」の内に生きている「イエス(神)」に奉仕することをなによりも幸福と感じた愛が生まれることになります。

 そのため、ありがとう通貨は「この世で最も小さき者の命を守るために発行された通貨」だということにもなりえるのです。


 これは、先に、姫ちゃんサンタが、家族の中で一番小さき者である姫ちゃんがありがとう券を発行したから、大きな意味があり、それが世界の貴重な財産になってくることを示しています。

 もし、ありがとう券をお母さんが発行したら、姫ちゃんは何もしてもお母さんにそのありがとう券を出すようにしなくてはなりません。それだと、お母さんも姫ちゃんも、そのありがとう券を使うことが嫌になってしまうでしょう。


13.ありがとう通貨は弱者にあり


「記憶は弱者にあり」

 この記憶は残虐な記憶のようなマイナスのイメージが浮かびます。中国や韓国が過去日本から受けた心の痛みを、二代三代にわたってもけして忘れないという意味で使われます。
 日本の広島の原爆もまた「NO MORE HIROSIMA」として、その悲惨な記憶をけして忘れないように、教育でもって、何代にも引き継がせることもしています。

 こうした悲惨な記憶だけでなく、一生忘れたくない感謝の心もあります。

 もし、自分が苦境の際、ちょっとしたやさしい言葉や、親切にされて、命を救われた経験があったならば、その人の恩を一生忘れないでしょうし、忘れたくもないでしょう。その感謝の記憶もまた、親子何代にもわたって、引き継がれます。

 ありがとう通貨は、このけして忘れたくない命を助けられた恩のような記憶をそのまま表すものだともいえます。

 例えば、何かの事情があって、一銭もなくなり、路上に放り出され、飢えていたとき、誰かが、ふと差し出された「おにぎり」をもらったら、「ありがとう」の言葉さえも出ないほどうれしいかもしれません。そして、その人の顔をけして忘れないようにするでしょう。

 そして、何とか食べられるようになってきても、その人に何か恩返したくなり、その人を捜したくなります。また、もしその命の恩人が困っていたら、率先して助けたくなるでしょう。

 この命の恩人に助けられたときに、返せる言葉「ありがとう」が、そのまま「ありがとう通貨」になることができます。そして、その「ありがとう」の言葉を発したときが、「ありがとう通貨の発行」のときなのです。

 そのため、「ありがとう通貨の発行人」はこの世の弱者であることが、一番重要であり、それを後押しするのが、国連や国家でしょう。

 命を救う力があるのは、飢えた場合は食料です。また、心が渇いた場合の救いはやさしい言葉です。そのように、ありがとう通貨は「何かのモノ」に対してだけでなく、「何かの言葉」に対しても総合的言行に対して使われるものにした方がいいと思われます。

 命を救った「おにぎり」は何も「高価なビフテキ」でなくてもいいからです。命を救った言葉が、「どうしたの、大丈夫」という言葉でもいいのです。「南無阿弥陀仏」でなくてもいいのです。

 そこで、ありがとう通貨は「命の恩人」に発行するありがとうの言葉のように、何もないような弱者が最後に発する命の言葉、命の通貨であることが必要だと思われます。

 この世でもっとも小さきもの、この世の弱者が自ら、手書きでもいいのです。「ありがとう おにぎり 自分の名」、「ありがとう やさしい言葉 自分の名」という手書きのありがとうを書きためた紙を手渡すことから、始めたらどうかと思うのです。

 その弱者の手書きのありがとう通貨が、世界に流通されたら、どれほど、感謝の心が広がるか想像さえもできません。

 国や国連の保証はあとでいいでしょう。法とか制度とかいうのは、後から作られるものでしょう。実際にそれが稼働するかどうか方が優先されることでしょう。


「弱者の記憶」・「弱者の感謝」」「弱者のありがとう通貨」をまず自分から発行していきたいものです。


 記憶は弱者にあり

 感謝は弱者にあり

 ありがとう通貨は弱者にあり



14.実際的ありがとう通貨の発行

 この世でもっとも小さき者の中には、字が書けない人もいるだろうし、また、手もない人もいるでしょう。ありがとう通貨紙幣を発行する紙一枚もない人もいます。 その人自身に発行してほしいと願っても不可能の場合があります。
 また、自分から、そんなありがとう通貨を発行するにも、気兼ねしてしまう人もあるでしょう。

 そこで、そういうこの世でもっとも小さき者に対して、ボランティアした人・・・例えば、マザーテレサのような愛の宣教師会の人たちが、人を助けた場合、その助けた人から、ありがとう通貨にサインをもらえるようにして、そのサインされたありがとう通貨を世界に流通させるようにしたらどうかと思うのです。

 このありがとう通貨は一種の小切手帳のような感じで、そこに金額と、発行者のサインがあれば、流通できるようにすればなおされ、使いやすいものになります。

 その小さき者にサインされたありがとう通貨は、「この世でもっとも小さき者たちを支えるために使われる命の時間」として、流通できることになります。

 このありがとう通貨で、小切手帳を発行する銀行の役目をするのがボランティア団体やボランティアをする個人で、実際に発行する人はその人にボランティアされた人になります。

 また小切手帳は銀行から発行してもらって、サインして元発行する人が、どんなボランティアの人に対しても発行できるようにしても、流通しやすくなります。

 この方式が流通できれば、将来、小切手帳を発行する機関は人権宣言をした国連や人権を保障した国が制作発行すればいいでしょう。


 

ありがとう日通貨

ありがとう時通貨

ありがとう分通貨

 姫ちゃんサンタは自分で製作発行しましたが、なかなか、そういう人はいません。親が子の将来と自立を願って、親がこのようなありがとう通貨を小切手を製作し、その発行を姫ちゃんにサインしてもらえばいいでしょう。

 お母さんが、姫ちゃんの世話をしたときに、世話した時間分のありがとう通貨の発行を促すのです。姫ちゃんにサインしてもらったありがとう通貨を、お母さんは、姫ちゃんに手伝ってほしいときに、「姫ちゃんがサインし、発行したありがとう通貨」を使って、姫ちゃんに手伝ってもらうようにしたらどうでしょうか?

 そうすることで、おかあさんと姫ちゃんの間で、ありがとう通貨が相互に流通するようになります。それによって、姫ちゃんはお母さんの手伝いをさらにすることになって自立する力をもつことができるでしょう。

 社会で生き抜くために一番必要な力は自立心ではないでしょうか。この自立心を育てるために、このありがとう通貨はとても有効な手段だと思えるのです。

 また、社会や強い者の役目は、弱い者たちを守り、支えることが、一番重要な役目だと思えるのです。とくに、この世でもっとも小さき者一人を弱き一人の個人が支えることはとても困難です。そのため、社会がそうした弱きものたちを守っていこうとする意識を育てる意味でも、このありがとう通貨はとても役立つように思えます。

15.モノの価値と値段

 親子の間では、そこで一緒に暮らしているという意識があったら、親のものも、子のものも、同じという意識が働きます。
 これは私のものとかという意識が発達するのは、子が大きくなってきてからです。

 このありがとう通貨が使用される場合は、単に、サービス、労力だけということはほとんどありません。もし、その場が飢餓状態の場合は、サービスよりも、食べ物の方が大事になります。

 でも、その場がモノが裕福の場合は、食べ物よりも、そのサービスの方が大事になります。

 また、モノの価値は、流通する場合もそうですが、需要と供給の割合で、決まります。その需要と供給をもたらすものは、人の欲求なのです。そのため、モノの価値は人の欲求によって、決まってくるため、モノの値段は、人の欲求によって、決められることになります。

 高価なダイヤモンドも、飢餓状態に人にとっては、食べ物の方が価値があります。だから、その場であったら、食べ物の方が値段が高くなります。でも、実際には、そうなりません。それは、ダイヤモンドをたくさんの食べ物に交換できるからです。これが、現貨幣による値段の不思議でしょう。

 でも、飢餓状態の人にとっては、どんなにダイヤモンドが食べ物と交換できるからといって、そのときの命を維持するためには、やはり、食べ物の方が価値があり、その値段は関係ありません。

 こうしたモノの価値と値段は、ありがとう通貨を使う場合には、命の交換という意味があるためには、その場、その人の需要によって、モノの価値は変わってきます。そのため、値段を一定的に決めることは難しくなります。

 例えば、姫ちゃんが風呂掃除をするときに使用しようとするお風呂の洗剤というモノに値段をつけるでしょうか? 姫ちゃんが親の肩たたきする際、肩たたきが終わって、お茶を親に入れてあげたら、そのお茶に値段をつけるでしょうか?

 その場合、必要なモノがそこにあれば、無料であるし、なければ、買いにいくので、有料になります。

 ありがとう通貨を使う場合は、こうした関係が生じるために、モノの価値や値段は一定なものではなくなります。それは、ありがとう通貨が現通貨とはまったく無関係に働くためでもあります。

 そのため、ありがとう通貨は現通貨に交換できないだけでなく、交換しても意味がありません。もし、一定的価値で交換したら、そのときから、ありがとう通貨の流通も意味も失ってしまいます。ありがとう通貨が使われる場合、現通貨の意味をまったくなくしてしまうからです。

 もし、ありがとう通貨が金持ちの家と人で、掃除というサービスに使われた場合、そのサービスをする場合に必要な洗剤の値段がどんなに高価であっても、無料になります。

 もし、貧乏の家で、掃除というサービスをするなら、洗剤がなくてもそれができるし、洗剤があっても、無料になるでしょう。

 それは、洗剤という価値と値段ががありがとう通貨を使用される場合は、現通貨の価値と値段が消え去ることを意味しています。

 もし、裕福な家でもありがとう通貨を使用して、掃除という仕事が終わったら、仕事をした人は現通貨をたくさんもらっても、もらわなくても、相手がそれでよろこんでくれればそれでいいだけです。

 それは貧乏な家庭でも同じになります。そのため、現通貨を得る得ない、現通貨の値段がいくらであるという問題は消えてしまうのです。

 ありがとう通貨が心の交流を促進するということは、心に値段は付けられないという意味にもなります。その心が現通貨の価値も値段もいくらでも、その人のよって、違ってくるからです。


 よって、ありがとう通貨が使用される場合、現通貨の価値と値段は関係なくなるという意識が芽生えてくるでしょう。

 そのため、そのときに必要な現通貨を誰がだそうが、いくらかかろうが、どうでもいい問題になってしまうのです。

 それはまた、こう言えるでしょう。

 「ありがとう通貨を使用する場合は、それに必要なモノは共有しているという意識が働く」




16.実際的ありがとう通貨の流通と自助力


 発行者がこの世でもっとも小さき者であり、その原紙の発行者がボランティアの者であるというところまで、きましたが、その先は、発行されたありがとう通貨が実際に流通させることができるかという問題が起こります。


 今、世界でもっとも小さき者たちはどこにたくさんいるでしょうか? また、日本人に一番近く、なんとか、接することができる者はどこにいるでしょうか?

 そこで、最近のニュースに目を向けてみました。世界中で・国連で、もっとも注目されているのは、北朝鮮の核問題です。その底にあるのは、人の命と人権の問題です。特に、北朝鮮の国民が飢えているという状態であり、食べていけないから、脱北する民衆たちです。

 この飢えの問題は自然の災害ではなく、人間の災害です。しかも、悪政のよる被害です。アフリカにおける飢えも、やはり、自然災害ではなく、政治的な被害による飢えです。

 日本人の人権を無視した北朝鮮の拉致もまた悪政からきます。今、日本人の拉致被害者も、北朝鮮の国民とともに、悲惨な状態に追いやられています。

 彼らこそ、今の世界で、もっとも虐げられた小さき者たちだと思われます。

 さらに、彼らは病気で働けない状態ではありません。まだまだ働ける状態ですが、働く場が与えられないでいます。

「民団の脱北者支援センター」「ニュースレター7」によると、日本における、脱北者の9割は働けるけれど、就業が困難という数字がでています。また、韓国のおいては、たとえ就職できたとしても、その64%が仕事が1年続かないという数字がでています。

 まとめてみると、脱北者は北朝鮮国内では肉体的飢えがあり、国外では精神的飢えがあるともいえます。

 ありがとう通貨は「私は働きますという約束手形」みたいなものですから、障害や病気で働けない人(未来に働ける人)よりも、働きにくい人の方が即効果的に流通しやすいように思えるのです。

 日本では脱北者の数が少ないので、生活保護が受けられ、43%の人がそれで生活ができていますが、もし、たくさんの脱北者を日本は受けきれないでしょう。また、それは、日本人の生活保護者にもいえることですが、ただお金をもらって生活できるだけでは人は満足できません。それは若者のニート数の増加でもいえることです。

 心の支えが生きる上でとても重要な生きる力になるということです。

 政府が援助する場合は、大抵現通貨におけるお金です。お金さえあげれば、生活できるので、あとは自分でなんとかしろというようなものです。そこで、韓国のように、「脱北者が自立できるよう政府が支援すべき」というような運動が出てきます。

 日本でも、フリータやニート、さらに、自殺者の増加のため、「自立促進センター」のような機関が必要になってきています。人はパンのみでは生きられない、人は金のみでは生きられない・・・という意味でもあるのです。

 こうした状況を解決に導くのは現通貨の金ではない、ありがとう通貨ではないかと思うのです。

つまり、政府は支援する場合、金を与えないで、ありがとう通貨をあげたらどうかと思うのです。金を与えれば、働かなくても生きていけます。ありがとう通貨は「働かなくては生きていけません」働くというのは、自分を命の時間を相手に与えるということだからです。

 これは、「人のために働くことによって、自分は自立して生きられる」という力を得ることができるからです。

 ありがとう通貨をサインし、発行することは、働く約束手形であり、「私はあなたのために働きます」という保証だからです。

 例えば、脱北者全員に、国連がありがとう通貨原紙(小切手帳・約束手形帳)を配ったとします。そして、脱北者を支援してくれた人たちに、そのありがとう通貨をサインし、発行することで、その支援をいくらでも受けられるようにします。

 すると、脱北者たちは、そこでなんとか生活できるようになりますが、今度は、たくさんのありがとう通貨をもらった支援者たちは、そのありがとう通貨で、脱北者全員に、いろいろな仕事をしてもらえることになります。それを無視することはできません。自分で発行した通貨であり、働くという約束手形ですから。

 その時点で、脱北者は「仕事を得ること」ができます。こうした支援者と脱北者の協力は、ありがとう通貨の流通がされることによって、日本におけるニートや生活保護者の間でも盛んに使われることにつながると思えるのです。

 ありがとう通貨は「私はあなたのために働きます」という意志を強める働きがあるからです。それが、自分だけ生きられればいいというのではなく、人のために生きることで私は生きられるという意識が大きくなります。



 ●現通貨シシテム

   人はパンで生きます・・・人は金なくして生きられません

 ●ありがとう通貨システム

   人はパンのみでは生きられません・・・人は心で支えられ生きています


 脱北者支援の団体や人はその活動資金としてたくさんのお金が必要なので、募金を行っています。その資金はとても足りないのが現状でしょう。でも、ありがとう通貨の小切手帳や約束手形帳だったら、そんなに資金はいりません。政府だって、莫大な資金はいりません。広報パンフレットの代金だけで、彼らを助けることができます。しかも、一時の援助ではなく、長い人生全体の援助であり、また、他の多くの自立が必要な人たちも助ける力をもたらせることができます。


 今まで、世界の歴史はお金がもっとも大きな力をもっていました。でも、そのお金ではどうしようもない時代がきているのです。愛はお金ではどうしても買えません。買えるとしても、莫大な金額です。大金持ちしか自由がきかない時代になってしまっています。

 でも、このありがとう通貨システムが流通すれば、お金ではできないこともたくさんできるようになれると思えるのです。特に、愛を支える通貨として。