サイババ死去
サイババの訃報はテレビニュースで知った。気になっていたのはその予言である。彼は通常サイババの誕生日は1926年11月23日とされてるが、サイババが1941年ブッカパトナムの小学校に在籍しているときの学籍簿が発見されている。それによるとサイババの誕生日は1929年10月4日で、サイババは言われている年齢より3歳若いことになる。これは、おそらくシュリ・オーロビンドが1926年11月24日に「クリシュナ意識が降臨した」と宣言したので、それに変えたと思われる。
サイティア・サイババは3代で、生まれ変わると宣言している。前世はシルディ・サイババで、生まれた年は解らないが、死去した日は1918年10月15日である。写真からみると、80歳くらいに見えるので、1838年ごろ生まれたのではないだろうか?
シルディ・サイババが1918年死去してから、11年後の1929年にサティア・サイババが生まれた。そして、サティア・サイババが自分の死の予言を96歳(2022年)で死に、その8年後の2030年にプレマサイババとして生まれ変わるとしている。しかし、彼の死の予言は見事にはずれて、2011年4月24日の満84歳(実際は満81歳)で亡くなっている。
しかし、この予言がはずれたとすると、サイババ教団は彼が神の化身でないことになってしまうので、それでつじつまを合わせなくてはならなかった。そのため、西暦ではなく、インドの伝統的な太陰暦をもってきた。
そして、96歳は太陰暦は、西洋の86年に当たるとしている。そして、さっそくウイキペヂアでは編集更新されて、太陽暦2012年(太陰暦2022年)で、その8年後太陽暦2020年(2030年)にプレマサイババに生まれ変わるとしている。1年の誤差があるが、ほぼ予言が当たっているというわけである。
しかし、インドの太陰暦を調べてみると、西暦2011年4月24日はインドの太陰暦では1933年1月7日に相当する。78年の差があるので、信者向けに予言成就洗脳論法がされたとみていい。
こうした教団維持のための洗脳は、プレマサイババが2020年に生まれ、死ぬのが96年後の2016年で、最後の化身が終了し、黄金時代が到来するとしている。
サイババの生年月日も、予言も、そのつじつま合わせも、みなサイババ教団の信仰を強化するために行われている。
彼の講演では、自分は病気になることも、死ぬこともない神の化身であると公言している。
しかし、彼は心臓・呼吸器不全の病気になって3月下旬から入院していた。また、記事によると、彼の資産は8000億円にもなるというが、彼が公言してはばからなかったのは、「私にはお金は必要がない、愛だけが必要です」というもので、寄付を否定したが、莫大な寄付を受け入れ、自分の資産にしたとは驚きであった。
もっとも、インドの思想には仏陀ののシャカの時代から、「嘘も方便」という考え方があり、人々を導くために、嘘やトリックは必要だとしているので、嘘の甘い言葉を好んで信じるところがあるのだ。それが矛盾だとしても、いっこうにかまわないのだ。
どんな予言も当たることはまずない、それは占いと同じで当たるも八卦当たらぬも八卦である。人間は神ではないので、その未来を確実に当てることはできない。特に死の予想は誰もできないことだろう。
サイババの死をもって、その狂信者がどれだけ解放されるかを期待したいと思う。嘘や欲望で築き上げられた宗教や教えは洗脳して、人々を奴隷化するが、真に自由と幸福を得られるものではない。事実と真実で築き上げられたものだけが、人々を真に幸福にすることができるのである。
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2011年4月25日
大庭 呵八朗 |
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