もし生活通貨が世界に流通したら

 貸し借りができる中央銀行券のクレジットカードと、貸し借りができない生活券の寄付保証カードの2枚をほとんどの人が持っている。
 中央銀行カードは世界のどこでも使えるが、生活カードはその国でしか使えない。

Aさんは、生活カードでスーパーストアで買い物をした。レジで

店員:「残金が足りません。クレジットカードでお支払いしてください」

A:「もう、残金がなくなりましたか、明日の月初めには送金されるのにな」

 他の買い物をしたくなったAさんは銀行のATMに行った。

ATM:「日銀円を生活円にいくら両替しますか? また、生活円は日銀円には両替できませんのでご注意ください。日銀カードと生活カードの両方を入れていれてください」

A:「10万円を両替するか」
ATM:「寄付は何%いたしますか?」
A:「10%の10000円」
ATM:「日銀円の10万円を生活円の9万円と1万円の寄付に両替しました。ありがとうございました」

A:「これで買い物が安くできるな」

Aさんはアフリカのルアンダに行った。
VISAのクレジットカードは使えたが、ルアンダの生活カードは使えない。
商品には二重の料金が書かれている。

A:「この高い方の値段は外国人用の値段で、安い方はルアンダ人用の値段ですか?」

店員:「いいえ、高い方が銀行券で、安い方が生活券です」

A:「それにしても、3倍の差があるのはどうしてですか?」

店員:「外国資本がたくさん入って、銀行券が高騰したんです。生活券は身内料金みたいなものですから、ほとんど変化がありません」

A:「毎月、ルアンダではどのくらいの生活券がもらえますか?」

店員:「先月銀行券が高騰したので、生活券への両替と寄付が増えたので、1.5倍の7500Bになりました」

Aさんは友人が日本企業の社長に会った。

社長:「先月から銀行券が高騰したので、法人生活カードの寄付を倍の80%にしたよ」

A:「その法人カードはルアンダ以外の国でも使えるのですか?」

社長:「いやいや、これはルアンダ内だけだ。それは日本でも同じでしょう」

A:「ええ、その法人生活カードとクレジットカードとの使用金額の差はどのくらいありますか」

社長:「そりやあ、日本企業だから、クレジットカードの方が多く10倍の差があるな」

A「ここの生活カードが欲しいのですが、なんとかなりませんか?」

社長「私個人でも持てないから無理だよ。もし現地の人の生活カードを借りたりしたら、犯罪になるのですぐに捕まってしまうよ」

A:「どうしてそれが犯罪なんですか?」

社長:「そりゃあ、生活カードは国民の寄付で成り立っており、その寄付が平等に分配されて、毎月支給されるからだ。もし、他人のカードを使ったら、その人の生存権を奪うようなものだからさ」

中央券と生活券の違い・・・

銀行券は貸借、生活券は分配

世界がアダムとイブの二人きりだったら、どう共存していくかの違いである。

アダムはリンゴを栽培し、イブはレモンを栽培している。
お互いに同じように実が実れば交換できるが、アダムのリンゴができなくて、イブのレモンができた場合の二人の約束の内容によって、銀行券と生活券の違いができる。

 
       
  銀行券制度   生活券制度
       
  銀行券の約束   生活券の約束
   「アダムはイブにレモンを半分くれれば、来年リンゴが収穫できたら、半分以上あげる」という約束をする」   「アダムとイブは今年からリンゴとレモンを共有し、果樹ができてもできなくても、収穫を半分ずつにすると約束する
       
  未来のリンゴの返済は不確定である。もし、返済ができない場合は、さらに借りるか、相手に従属しなければならなくなる。   未来の収穫がどんなでも、二人の収穫は確実に半分ずつにできる
       
  約束の実現性が低い   約束の実現性が高い
       
  税金による政治
  寄付による政治
  返済を強制するような
税制
  未来を共有するような
任意の寄付制
       
  銀行券の使用範囲   生活券の使用範囲
       
  どんなもの、どんなサービスでも、
世界中で、
いつでも、どこでも使える
  生活必需品とサービスのみで、
国内だけに使用でき、
それは使用限定期間もありえる
  銀行券の発行   生活券の発行
  国や企業や国民が返済可能の金額だけ発行する   国民や企業が自主的に寄付した金額だけ発行する
  銀行券の分配   生活券の分配
  強制的な税収と資本家からの借金の合計額を社会事業と国家事業にする。   任意的な寄付を国民と企業から集めたその合計額を国民すべてに等しく分配する、ベーシックインカム制である
       
  銀行券の特性   生活券の特性
  不確実な未来を想像するので、未来へのギャンブル性が高い。   寄付とその分配券の特性で、貸し借りはできないため、未来を共有する意識が強い
  主に、株や為替や債券に依存した社会になる   主に、生活必需品とサービスしか交換できないため、基礎生活の衣食住中心経済の充実じた社会になる
  銀行券は生活券に両替できる。
不確定なものを確実にはできるが・・
  生活券は銀行券に両替できない・
確定的なものを不確定にはできない
     
   理論的詳細については下記で  
   http://sekaibank.net/keizai/seikatu01.htm  
   
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