昨年の秋に、福岡著「わら一本の革命」の本の通りに、米麦クローバーによる自然農法を試したが、奇跡的確率で稲が育つということ、つまり99.9%稲は育たないという結果をみた。
そうした失敗から、一つの自然農法とは何か?というような事実をつかんだ。
自然農法というと、不耕紀、無肥料、無農薬で栽培するというものだが、実際にそれを実践するのは難しい。最初に土地を耕さないと、野菜も穀物も育ちにくいし、福岡式でも鶏糞という肥料を使わないと米麦は大きく生長しない。なんとか、自分で食べる分だと無農薬でもできるか、それが野菜を売って生計を立てる場合は無農薬は難しい。
そんな感想を持ちながら、穀物を育てていた。麦刈り後の稲の栽培に失敗したため、急遽、納豆小粒という大豆を稲の代わりに植えた。そこで大きな問題になるのが、ハトである。ハトはまいた大豆をすぐに食べ尽くしてしまう。せっかく芽が出ても、その芽はもやしみたくおいしいので、食べられてしまう。
今年の夏は猛暑で、土がすぐに乾燥、そして熱くなるので、常に水をあげていないと大豆は生長しない。その水やりが、かなり広いため、けっこう大変で、水道代もかさむ。
ハトと猛暑の被害を防ぐため、不織布で覆うことで、ハトの被害もなく、またまったく水をあげなくても大豆を育てることができた。
畑のまわり・・つまり耕していない場所では雑草が大きく生長し、畑の中の穀物も飲み込む勢いであった。
自然の草花を観察していると、四季で雑草は交代している。冬は枯れ、春の雑草がはえ、夏に枯れ、夏草が生えるという交代をする。
この草花の交代を人的にするのが農法なのだが、雑草の交代は人が何もしないでも毎年勝手に行っている。人は耕し、肥料を与え、殺菌殺虫をして穀物を育てる。その手間もお金も大変なものである。
農業というのは、基本的に「食べられない雑草を食べられる雑草に交代させる」ことだという感覚を自然観察からもった。
そのため、雑草交代のように、雑草を大豆に交代させることを思いついた。
手順はこうだ。
1,雑草を刈る前に大豆の種をばらまく
2,雑草を根っ子ごとひっこぬく(堅い場合は、一度草を刈って、根っ子を残して上を削る)
3.刈り取った雑草をもとの場所にもどす
これだけで、大豆がはえてくる。つまり、種まき=雑草刈り=耕紀=肥料を与える=水をあげる=ハトの害を防ぐ などを同時に行うことになる。
実際やってみた結果はこうだ。
まいてから10日くらいでこうなった。かなりいいかげんに雑草を刈ったので、場所によって、かなりのばらつきができたが、きちんと雑草を刈り、大豆の温度殺菌をしたら、不織布農法に負けない自然農法になることができると思える。
刈り取られた雑草は肥料にも、不織布にも、また根っ子を抜いたり、枯らしたりすると、耕紀にもなるので、一石三鳥にもなるのが自然農法だと思えるのである。
もし、大豆→麦→稲の三毛作をするとしたら、同じ方法で、可能になるように思えるのである。ただ、麦から稲の場合、麦の刈り取りと稲種蒔きの時期がかなり違ってくるので、麦穂がまだ青い時期に刈り取り、稲種を蒔くと可能になるように思えるのだが、来年試してみたいと思う。
野菜の方はまだ研究不足だが、やはり、雑草交代という自然農法を基本にしたもので挑戦したいものである。