「嘘も方便」という諺はたぶんシャカの「三車火宅の譬え」からきたものだろう。大邸宅が火事になっても、子供たちが遊びに夢中になり、火事に気づかないため、親が子供達が欲しがっていたおもちゃが外にあるぞと叫んで、無事、子供達を救ったという話である。
この話の大邸宅は国や世界である。それが火災にあっているのは金融恐慌であり、子供達は国民、親は政府である。
金融恐慌の原因はお金の発行流通システム自体にある。中央銀行から貸し出されたけして腐らないお金が流通しているからである。しかも、貸し出す利息を付けるために、市場競争が激しくなり、勝ち組の金持ちと負け組の貧乏人の差が天と地の差になっているためである。
子供達に真実火事だと言っても、遊びに夢中になっていれば、その声だって届かない。火事など今まであった経験がないからだ。
原発の危険性はずっと指摘されていたが、大事故が起きない限り、その危険性の話も聞く耳をもたなかったと同じである。
人は真実を知るのを嫌がり、夢みたり、嘘を楽しむ性質がある。今の経済生活の中味は実体経済1に対して資産経済9である。資産経済とは資産の移動自体がもたらす利益の総体、金融経済のことであり、金で金を生み出すことである。いわばマネーゲームにあたる。
1粒の種籾から米粒をたくさん作る実体経済であるが、100円の投資金宝くじから、1億円の収入当選金を生み出すのが資産経済・ギャンブル経済である。100円という金自体は常に100円であって、けして腐ることも増えることもないものであり、それが真実である。しかし、投資することで、100円があたかも1億円になるように見え、当選すれば実際に1億円集まるので、そう思いこむのである。それは真実ではなく、夢幻であり、それが本当だといえば嘘である。
株や為替の売買はスポーツの勝敗と同じで、誰かが儲かり勝てば、必ず誰かが損をし負けるのである。これが市場競争である。それは宝くじでも同じだ。お金自体は食べることはできないように、お米を食べて生きる実体経済とはまったく関係がなく、単なる人間の遊びである。
今、世界ではこの資産経済という遊びに夢中になっている子供達が地球という大邸宅に住んでいる。
そして金融恐慌という大火事が起き、国が破綻炎上する危険に気が付かない。そこで、金融恐慌の真実の原因をどんなに叫んでも誰も耳をかさない。そこで、「もっと楽しく儲かるものがあるぞ!」と政府は叫ぶことで、今の窮状を救うことができる。
こう叫べばいい。
「医療教育費すべて無料、毎月1人誰でも20万円の生活保護費をあげます。
所得税も法人税も消費税も一切増税しません」
「財源はどうするんだ?」
という声があがれば、
「社会保障宝くじ発行します !」
「それはなんだ?」
「すでに社会保障宝くじは発行済みです。それはすべての投資金のことです。株や為替や商品取引、不動産取引がそうです。投資する場合その10%を市場競争の場代を税金として治めてくれればOKです!」
「金のない人はどうするんだ?」
「金のない人はもちろん投資できませんから、無税です。金持ちがマネーゲームを楽しみながら、社会貢献できるシステムです」