日銀券の発行財源は国民の財産である

 今国債や年金や復興の財源を消費税増税で確保しようとしているが、ギリシャの消費税20%でも、国債の不履行が起きた。消費税ではとても国債償還も、年金も、復興費も、捻出できないのは明らかだ。それを不退転で頑張り続けても、焼け石に水だ。

 国債不履行の問題は世界中で起きる根本原因がある。それは各国の中央銀行で発行される貨幣(中銀券・・私の造語)が無から造られるからである。

 金本位制の時の中銀券は金の保有量が財源であったが、米大統領のニクソンが金の保有量なしに、ドル紙幣を無制限に発行したことから、世界中が中銀券を無制限に発行するようになった。そして、各国は金の取り合いから、中銀券を取り合う市場競争時代になった。

 政府紙幣から中銀券になったのは政府が無制限に政府紙幣を発行して、ハイパーインフレを起こしてしまった痛い経験からである。それを防止するため、中銀券をプラスの利息付きで貸し出し、返済させることで、貨幣の流通量を調整させた。中銀券の貸借から、信用創造で債券が無限に造られるが、債券は中銀券とは違って、その信用度によって、その金額がゼロから元金の数十倍もの金額に変動する。
 
 この債券は株などの金融商品と呼ばれ、その金額の変動の差額でボロ儲けする投資家が多くでている。しかし、それに対する規制がなく、そうした金融商品を安く大量に買い占めて値段をつり上げ、値段が高くなると売りに出すことで大儲けするので、世界の物価の変動が激しくなり、生活が困窮してしまう。世界各国の通貨(中銀券)はそうした金融商品となって、その為替レートが毎日毎時刻々と変動している。

  そして、今や、中銀紙幣制は崩壊寸前である。今世界で最も流通している貨幣は債券である。悪貨(債券)は良貨(中銀券)を駆逐したのである。

 そのため、今の債券の健全化が急務である。そのためには債券の特性を利用し、借り手と貸し手のバランスをとりながら、貨幣流通させることである。正常な会計をうまくする複式簿記のように貨幣を管理流通させる技術が求められる。

 無から有である中銀券を無制限に造ることは非科学的であり、妄信した宗教である。中銀券(各国通貨)は実際には債券となって、その金額が変動して流通している。そのことは、中銀券は債券である証拠であり、その事実を認めることである。

 中銀券でその国の商品のすべてを買える。そのことから、中銀券は国民の商品すべてを財源として、発行された債券であるといえる。

 また、商品の値段は供給と需要で決まるため、商品の購買度(需要度)が中銀券の発行金額に相当する。
 つまり、
国内の商品購買総額(国民の財産) = 中銀券の発行金額 
 である。そして、中銀券はプラスの利息で貸し出されるため、貸債券に当たる。債券は貸借の二者と利息から成っているので、貸債券に対して、必ず借債券が存在する。もし、中銀券1万円札を発行し、利息10%で貸し出した場合の、バランスシートは下記になる。

 

そして、この借中銀債券のことをe中銀券(電子マネーの中銀券)と呼び、日本ではe日銀券と呼ぶことにする。

 貨幣にマイナスの利息を付けて貸し出すことは、返済なしになり、それは贈与と同じになる。そして、マイナスの利息とは所有するe日銀券そのものにかかる税金で差し引かれる税金(貯蓄税)である。

 e日銀券と日銀券の違いを対比させると下記になる。

 

 日銀券とe日銀券はコインの裏表、振替票の貸方と借方、バランスからいくと、両者の発行金額は同額である。そのため、給与などの支払いも、半々にするのが適当であるが、基本的に受け取り手に選択の自由がある。

 それは、商品の売買において、売り手は買い手から払われる貨幣を「日銀券」か、「e日銀券」かを選択する自由があるが、貨幣の特徴からいくと、生活必需品はe日銀券が使われ、それ以外は日銀券が使われやすくなるだろうと思われる。

 日銀券とe日銀券の交換はコインの裏表・振替伝票の借方貸方を替えることはできない。もし、交換できたら、左右のバランスがくずれ、歩きにくくなるように、経済バランスは保てなくなる。

 国民の普通預金口座と中銀の普通預金口座は下記のようになる。


 国民の財産と中銀の財産は貸借・贈授の同額になりバランス財務が可能となる。

 

 

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