畑作の稲の雑草を何度もとっていると、水稲は雑草に負け、陸稲は雑草に勝つ。当初は根ごととっていたが追いつかず、上の草だけもぎ取ると、陸稲の稲はスクスク育ち、その雑草は黒斑点病にかかってしまった。
まず、水稲を畑作できるかどうかの実験であるが、芽が出て1ヶ月くらいで10センチくらいになるが、それ以上のびることがなく、後から出てきた雑草に追い越され、なんども雑草をとるが、追いつかず、水稲は雑草に下に消えてしまう。
それでやもをえず耕耘しなおして大豆の種を蒔いた。でも、また生きながらえている水稲がどこまで頑張れるかを試すため、水稲よりも高くのびた雑草の葉の部分だけ、刈り取ってみた。雑草の根は水稲の根にからみついていて、雑草を根ごととると、少ない稲も根ごととって死滅してしまうからである。
▼雑草だけが病気に
次に陸稲であるが、水稲は雑草よりも10分の1くらいに少ないが、陸稲は雑草よりも多く育てることができた。しかも、水稲が雑草に 負けたとは反対に、陸稲は雑草に勝ち、しかも、残った雑草が黒斑点病にほとんどかかり枯れ始めたのである。
稲は病気に弱くても、雑草は病気には強いと思っていたが、それが逆の現象にびっくりした。その原因は想像するにストレスではないだろうか。陸稲の数に圧倒され、人間になんども引き抜かれたためのストレスのように思える。
▼雑草はみな緑肥になる
稲の雑草をいろいろな方法で採っていて気が付いたことがある。
当初、雑草を根ごと採っていたが、採っても採っても後から新しい芽を出してくる。また、稲の根にからみつく雑草の大きい根をもぎとる ことは稲も殺すことになる。
というのは、一緒に抜いた根を分別して、稲だけを再び植えると育たないのである。陸稲も水稲も、畑の苗植えはうまくいかず、成長せずに、根本からだんだん枯れてしまうからだ。
そこで、雑草を根ごと採るのではなく、その茎と葉をもぎとる方法に切り替えた。そのもぎ取った茎と葉はその場に捨てると、枯れて緑肥になり、稲の肥料になることを発見した。つまり、稲の雑草は根を残して刈って、その場で枯らすとみな肥料になるので、あえて肥料を与える必要がないということだ。
▼雑草は病気も引き受けるのか?
陸稲の雑草をもぎとった残りの雑草のほとんどが病気にかかり、枯れ始めた姿にはびっくり仰天している。
雑草は人によってすべて摘み取られて作物の肥料になるだけでなく、自ら病気になって枯れ、作物を病気から守るような姿にさえみえる。
それが本当とはとても思えないが、もし本当だとしたら、雑草が作物と人間に対する無償の愛のような姿を感じる。
とはいえ、水稲と雑草の関係でいえば、その逆であるから、雑草も人と同じく無償の愛を与える相手を選ぶのかもしれない。