BIコイン(basic income coin 基礎収入通貨)の毎月の配給回収の循環を想像してみたら、BIコインが一番集まるのはスーパーやホームセンターなどの生活必需品(衣食住)の店舗であり、それを製造する企業である。
そうした国民生活を支える企業の売上のほとんどがBI税として毎月没収されたら、企業や製造業は倒産してしまう。
やはり BIコインの新通貨は逆効果であり、BIコインを発行するより、金融取引税を徴収して、その分を国民全体で平等に分配した方が、確実に効果的であると想像できる。
貨幣は貸し借りすると利息が付いて増えるのが一般的であるが、地域通貨のように持っているだけで減価する貨幣もあるが、通用範囲が会員限定だけの範囲で広がることはない。
この減価する貨幣は自然貨幣また腐る貨幣とも呼ばれ、貨幣を一般商品として想定し、例えば お米を貨幣としたら、お米を食べたら価値はゼロになり、お米を貯蔵したとしても、月日がたてば減価していずれカビが生えて価値はゼロになるという発想から生まれたものである。
どんな貨幣でもそこに書いてある数字の金額は増えも減りもしないように、貨幣自体の価値は変わらず、商品サービスの価値を表す値札のような働きがあってこそ、貨幣であるといえる。
外国為替のように、貨幣の価値が増減するのはその数字金額の国際的信用度である。それは国内の信用度で債権や株券の価値の増減もまた同じである。
通貨で最も大事なのが、人間の血液が構成する各細胞一つ一つに栄養を与えるように、国民また世界人民すべてに、生きるのに必要な貨幣が行き渡ることである。もし、一部に多く貨幣が集まり、一部に貨幣が無くなったら、身体が異常な病気になるように、国民生活も病気したような状況になる。
この血液のような通貨を発行し流通できるのは日銀(中央銀行)だけである。日銀は市中銀行へ貸出し、回収して 循環させているが、それが正常に働かない場合や、コントロールもできないことも度々ある。
そもそも通貨はスポーツやゲームのように、誰でもが平等に参加できてこそ意義価値がある。もし、あなたが国民のために貨幣を発行したら、それを流通させるために、国民全員に貨幣を平等に分配することから始めるだろう。ほんの一部の金貸し業務をする市中銀行だけに低金利で貸出、市中銀行はそれよりも高金利で優良企業に貸し出すというのでは、まともな市場競争社会はできないだろう。
人間の血液のように、造られた血液は心臓から体全体にいきわたり、そして元の心臓に同じ分だけ戻ってきて、また体全体へ行きわたらせるようにしてこそ、日銀が最重要な職務である。つまり、BIコインを発行流通させるのが本来の仕事であるはずだ。
血液の動脈が日銀のBI配給であり、静脈が日賃のBI回収であり、その動脈と静脈を流れる量は増えも減りもしない同額であってこそ健常日銀である。
その循環を行う簡単な方法は発行され流通する円通貨に、どんな取引であっても、その通貨の流れに、一定のBI税(例えば送金したら0.1%の金融取引税がかかる)が日銀に戻される。政府の税徴収するのとは違うので、税金というよりBI金と言った方がいいだろう。
そうした日銀のBI金は特に為替や株式の売買取引から多く徴収できるようになるため、マネーゲームによる金融崩壊や物価混乱の防止にも効果的である。さらに、BIは国民全体に平等に分配され、それが国民の生きる権利として当然の通貨配給として意識され、また、通貨もより循環するので景気も圧倒的によくなってくるだろう。