自然療法

自然療法   東城百合子 P111
砂療法(砂浴)

砂療法の絶大な効果

砂の中に首だけ出して、ただ入っているだけで、猛烈な毒素が出てすばらしい効果をもたらすのが砂療法です。夏になったら是非なさることをおすすめします。
公害の毒下しには玄米食と共にこの砂浴をする事が何よりの方法で自然の力を体が教えてくれます。砂の中に二時間位入っているとものすごくくさいガスを発散します。これは少人数の場合わかりませんが五〇~六〇人もの大勢の人だと、砂をかけて手伝っている人はこのガスを吸って頭が痛くなってきます。しかし頭痛は砂の中に入ると治ります。それだけ毒素がガス体となって出ます。
入る時間は長い程よく、朝八時頃から夕方四時頃まで八時間位入ると、相当の効果があります。
ビーチパラソルやテントのような日よけをしますと楽に入れます。暑いと砂が焼けてくるし、よほど日やけをしっかりしないと、顔も日にやけて日ぶくれなど出したり日射病になったりします。
入り方は自分の体の厚みより少し少し深く掘って頭の方を高くして、お尻のあたるところを少し深く掘って足をまげて開き、手は脇にまげてゆったりとおいて砂をかけますと楽です。長く入っていますから窮屈だとあとで手足が疲れたり、しびれたりしますから、はじめの姿勢が大事です。
入る時は女性ならなるべく肌を砂に直接つけられるようにビキニスタイルの木綿の水着がよく、男性は褌一本でします。一番よいのは素裸で入るのが効果もそれだけ大きいのです。誰か世話係がいてくれれば裸で入った方がよいのです。
初めての方は、入っているうちにそちこちかゆくなってきて苦しくなります。これは、砂が毒素を吸い出そうとして新陳代謝は猛然とよくなりますが、皮膚の排気口は態勢が出来ていないので毒素を出しきれません。
内部からは出そうとして働きかけるので苦しくなってゴソゴソ動きはじめますから、だんだん砂から浮き上がってしまい手足が飛び出してきます。誰かいれば砂をかけてもらえますが、一人の場合は自分でします。病気をもっている人など一日中つらいようです。健康な人はスムーズに毒素が出てくれるので気持ちよく眠ります。砂の中は真夏の気温が三〇度位の時でも春の如く丁度よい温度で気持よい。

日よけをよく考慮して

暑さよけの日よけをしないと顔が焼けたり日射病になりますから、ビーチパラソルを日よけにして、太陽の周るのと共に日陰を多くつくるためにかさも時々動かします。ビーチパラソルの代わりにできるだけ大きい洋傘に一メートル位の棒をたして砂にさし、日よけにしてもよい。日陰の多い方が入っていてらくです。
暑い時は水分が不足したりして気分悪くなりますから水分はつとめて補給を忘れずします。又暑い盛りは砂を少し多いめにかけてもよい。日よけを十分考えてつばの広い帽子を顔にかぶってタオルをかけて日おおいとした方が安全です。
砂からあがるとスポーツのあとのような爽快感がありますが、毒素は上がってからもどんどん出ています。またひどく眠くなってよく眠ります。

胃腸が弱い人や便秘がちの人などは頭が痛くなったり吐き気がしたりという人もあります。病気をもっている方はいろいろの好転症状が一時出ますが、又砂にもぐっているととれます。どんな病気でもよくないというものはなく非常に安全な療法です。健康な人でも一年に一回毒出しをしておくと、すばらしい健康法になります。公害・薬害も出してくれます。
病人はなるべく回数を多くする程その効果は大きい。時間を長く入る方がよい。ただし重病人は疲れるので無理せず、体調に合わせます。結核やガンなど治りにくいものでも大変効果があります。(病人は夏でも寒い時は冷えるので注意)
病人は毒素が細胞に充満して出られないために苦しいのですが、これを出すためには砂が一番です。断食療法など失敗もありますが、これは安全でどんな人でもよいのですばらしい療法だと思います。肌もツルツルしてきます。
注意する事は一度入った砂は毒素でよごれていますから、次に入る時は二メートル以上離れた場所に入ること。なるべく汚されていない砂がよく、海開きの前など一番好条件です。
水分はチョビチョビ飲んで補給する事。朝食はとらないでお腹を軽くして入る方が効果は大きい。気温は二十七度以上がよく、初秋でも天気のよい日なら入れます。
砂がよいならトラック一台分位庭に入れてしたらどうかという方もいます。しかし一度入ると砂は汚れますので、もし入るなら、雨にあてたり、日にあてて毒素やガスをぬいて入ったらいいでしょう。病気の人の後にわざわざ入ってみて実験したら毒素をうけて気持ち悪くなった人もいます。身体からでるガスのため、また砂療法した場所の植木が枯れたりしますので、やはり無尽蔵にある海や川での大自然に直結した砂の方がすばらしいと思います。
砂に抱かれて、ザッ、ザッ・・・という波の音をきき、果てし無い遠い海原をながめ、天を見上げながら体は小宇宙。いのちはつながっている。この天と・・・とつなげてみる。都会の騒音も都会の砂漠も生活のほこりもごみも、心配や悩みも、この大自然の中に抱かれ、一切を忘れて大地に直結して宇宙とつながるいのちを思う。
これは現代文明の中でふり回され、疲れ果てている者にとってすばらしい憩いの場、最高の休息の場なのです。自然は毒素や公害物質をせっせと出し、大掃除するために大活躍してくれています。人は唯ゆったりと休んでいればいい。何とすばらしい事でしょうと私は自然の暖かいふところに感動するのです。
砂療法1 この砂療法をはじめてなさってその効果を世に紹介して下さったのは、
宿便排泄研究家の尾藤章先生ですが
先生の体験からのおすすめをご紹介しましょう。

土に寝て蚊がくわない

昭和二十四年頃でしたか、裏の畑の土の中に、首だけだして寝ました。この畑は蚊がひどいところでした。朝八時から午後四時まで八時間寝ているのに一匹も蚊がきませんでした。
又もう1つ不思議なのは、暑い太陽の直射をさけるためにポポーという木の下に寝たのですが、二~三日するとこのポポーの実が落ちはじめ、四~五日のうちに何百という果実が一つ残らず落ちてしまいました。
そこでいつか西式健康法の西勝造先生から、人体から発散するガス体は十三種類もあると伺った事を思い出しました。そこでこれは相当強いガスが、土の中に寝ると出るのではないかと思いました。だからやぶ蚊でも近づけないし、そのためにポポーの実もおちたのではないかと・・・・・唯土の中に寝るだけで、毒素が出たらこれはすばらしい療法だと考えました。

子宮癌・子宮筋腫には偉効

それから二~三年たって、医者も薬も嫌いという婦人で、喀血して頭も上がらないという病人を、何とかしてくれと頼まれて、どうしようもなく、とにかく土療法をしてみようと考えました。そして海岸の砂原につれてゆき、朝八時から午後四時まで砂の中に寝かせておきました。
数名の者が海水浴をしながら病人の様子をみて、水分を与えるなどしてお世話しました。

夕方家に帰ってその晩団子大のものが数個湯のみ茶碗に一杯位局部から出たという。「おそらく子宮癌でしょうね」といいましたが、効果はあるだろうとは想像していましたが、その偉効に驚きました。その後、一夏に海岸で三回、家庭で二回。五回砂に寝たのですが、身体はメキメキよくなり秋頃には仕事をするようになりました。
結核も一酸化炭素などのガス体の被害が多いと思いますので、この療法は大変よいと思います。呼吸器疾患は土よりも砂のほうが良いと思います。私がサナトリウムの院長であったら、海岸に建てて天気の良い日は砂の上に寝かせます。
この療法は、あらゆる病気によいと思いますし、公害時代の健康法にもよいと思います。特に子宮癌・子宮筋腫には際立った効果があるようです。
その一例として愛知県犬山市から田中周子さんと六人のおつれの方が、海岸で一緒におやりになりました。その後その六人の中のお一人が夜寝ようとすると梅干大の固いものが鼻の奥から出たそうで、それは古い血のかたまりだったらしく、永い間の頭痛が一度に治ったそうです。
それで一緒に来られた六人の方達で、近所の人達と木曽川の砂原でなさったそうです。そうしたら三十一才の御婦人がその晩風呂の中で八センチもある丸いもの二個が局部から出たそうです。そして十数年間続いた頭痛と腰痛はすっかり遠くへ去って良い気分だということです。
関東でも利根川や渡良瀬川の砂原で数回、多くの人達がおやりになりました。お世話下さった群馬県板倉町の池田重信氏のお話では「一人の御夫人は一回半(二日目の昼頃)で腰痛を覚え間もなく、局部から相当大きいものが出た」と申しますが、子宮癌か筋腫かはわかりません。

その他の効果

神経痛、リウマチ、腰、肩の痛みや特に皮膚病にはてきめんです。不眠症がぐっすり眠れた等。
面白かったのは一人の五十五才の男性が「もう我慢できない」といって六時間寝て起きだしてしまいました。見ると睾丸と肛門の中間の会陰部が紫色にふくれ上がっています。「君はどんな腫物でも一日砂に寝れば治ると言った。ところが私の尻は何もなかったのにこんなに痛いものが出来た。どうしてくれる」とおこり出しました。私は「それは御赤飯を炊いてお祝いしなさい」と言いました。この人は前立腺炎でしたから、朝からの六時間でそれが解消されて汚い血や膿が外に排出するため紫色にふくれ上がったのです。家に帰って間もなく血膿がたくさん出てOKでした。

砂療法の仕方

寝る姿勢はフトンに寝たような工合が一番楽です。膝を少し立て、肘も少し曲げます。呼吸器の毒素は肘から、腎臓方面の毒素は膝から発散するために膝と肘は痛みます。それで肘と膝が痛む時少しのばしたり曲げたりしますと大変楽になります。痛む時や、暑さで砂がやける時は、じょうろで水をかけて砂をぬらしますと楽になります。
上にかける土や砂の厚みは胸部、腹部で七-十糎(センチ)くらいがよいようです。頭部は直接砂にふれるのが一番よいが、大体木綿の手ぬぐいを用います。のどがかわけば側に水をおいて少しずつ飲みます。実施中排尿はそのまましますができなければ出て用便して又入ります。
健康体で新陳代謝の盛んな人は砂に入ると間もなく毒素の発散がはじまりますので、実に気持よく眠ります。一日砂に寝たあと一日二日すると肩や腕や背中に赤いポツポツが出来てかゆくなる人がよくいます。これは皮膚から毒素を流しだしていたのに中断したため、残った毒素がふき出ているためですからありがたいことです。薬をぬってもあまり効果はありません。できればもう一度砂に入るとよい。

宿便排出に偉効

私が一日砂に寝てその翌朝起きようとしましたら、腰が痛くて起きられませんでした。

これはおかしいと思いましたがどうにも動きがとれず、漸く這うようにして、用便だけはすませましたが三日三晩、腰腹痛で転々としました。そして次の朝、便通を催しましたが、実に驚く程の多量の宿便を排出しました。腰腹痛は宿便の離れる痛みでした。(注:宿便とは普通の便とは違い、長い間細胞組織にへばりついている便で、黒くコールタールのような感じの便です。これは普通ではなかなか出ないといわれていますが、これが出ると病も好転します。)
私は年に数回八日間の断食を実行し、その後、一週間の断食療法を数回行いましたので「もう私の身体には宿便はないのだろう」と思っておりましたから、多量の宿便排出で我ながら全く驚きました。そして生まれ変わったようによい気持になりました。砂療法は断食以上の力だと思いました。
よく健康法云々と熱心にして、二十年も三十年も食養をしている人で旧態依然としてまずい顔をしておられる方にあいます。私は精進もしない恥ずかしい日常生活です。しかし病気らしいものもなく、毎日働いております。人間の縄張りではとてもできない砂や土の力を、この療法で知ることができます。

土・砂療法の危険性は

私は十数年前より毎年のように八月になると自らも砂に入り、また多くの人が砂に入るのをお世話しましたが、今までのところ全く危険性は認めません。私の知る限りでは砂や土に入ったために悪かったという例はありません。この点これからおやりになろうという方達は安心して実行なさってよいと思います。ただ四~五人の方が気持ち悪くなった例はあります。これは砂療法が悪いのではなく暑気をうけたのです。八月の晴れた日にはずいぶん暑く、砂がやけてはだしでは砂の上を歩けなくなります。その熱い砂の中にじっとねているのですから大変です。暑気をうけた人は大抵便秘症の人達です。万一容体が悪く困ったなあと思うような事がありましたら、風呂をわかして入りますとケロリとなおります。日射病は風呂に入るといいのです。
普通暑い時は涼しい木陰を選んでするとよい。
やはり熱い位の砂の中にねていますと体液はアルカリ過剰になります。ところがこれが過ぎますと逆転して酸過剰になります。ですからお湯に入れて身体を温めますとすぐなおります。
もう一つ注意しなければいけないことは、砂療法をする人達を六十人、七十人と大勢の方をお世話していますと、その人達から出るガスでやられます。相当に外にも出てくるものです。それを嗅ぐとその毒気を受けて世話する人が気持ち悪くなります。少人数の場合はあまりそんな事はありません。そんな場合は自分も砂や土にねますとなおります。こうした経験からしても、土や砂は相当の毒を出すものだと痛感しています。

砂療法の効能

砂療法の効能については医学博士の樫尾太郎先生もおすすめしておられます。
原則としては朝八時から夕方四時頃まで入る。途中苦しくなれば出てもよいが、普通の人は八時間は耐えられる。腎臓の悪い人は尿が近くなることがあるが、これは腎臓が働き出すからである。砂に入って一~二時間すると体内の毒素が出始めるのか、苦しくなる人がある。神経痛の人はそこが引っ張られるような感じがする。
八時間たって砂から出ると、皮膚が収縮して砂が喰い込んでいるのか、水で洗ってもなかなか落ちない。これは皮膚の浮腫がとれるからであろう。それは全身の静脈の収縮を促し、帰路循環を促進することが当然考えられ、痔や婦人病やぜんそく等にも有効なことが推測される。皮膚のしみやにきびがとれ、きめが細かになり、冬でもかぜをひかなくなるようである。
ところが砂の付着しない人もある。胃の悪い人は胃の後、腎臓の悪い人は腎臓の後といった箇所が砂がつかずに赤く残るので、それで故障箇所を判断することができる。悪い所から汗が出て毒素を排出する為であろう。
土あるいは砂は、悪いガスを吸着する作用がある。一酸化炭素、硫化水素、アンモニア、亜硫酸ガス、インドール、スカトール等のガスが微量ながら毛孔から出るであろうし、汗腺からは尿素、尿酸、乳酸等やその他病的な物質が砂浴中に皮膚から排泄される事が考えられる。その他土壌中には浄化作用をもつ細菌も多数存在しているので、その影響も無視できない。
ある六十幾つの肥った婦人がひどい便秘症でしたが、時々下痢もおこし、直腸ガンの疑いをもたれていた。一時間もすると苦しくなって出てしまったが、出た跡に真っ黒にハエがたかっていた。多分ガス体と一緒に糖尿病体質で皮膚から糖分が流れ出したためであろう。
砂から出た時の感じはスポーツをした後のように幾分疲労感はあるが、極めて爽快で、あく抜けしたような気持がする。翌朝軽い下痢をして黒褐色をおびた便が出るので宿便が出たことが感じさせる。その日一日断食すれば一層有効であろう。何日も連続してやる時は、夕食の一日一食ということになる。八時間の砂浴で数日間の断食に匹敵する効果があるように思うと語っておられます。
土療法をする場合は植物に関係のない場所でします。畑などですと一年位は種をまいても枯れて育たなく、また木の下でしますと木の実や果物など、実をつけるものは全く実りをみせなくなってしまいます。人体から出る毒素がそれ等の生物にも大きな影響を与える程で、それ程すごい毒素が出ますから大変な療法だと思います。くわしくは砂療法テキストがありますので参照して下さい。

家庭でできる砂浴

 

10分体験できる温泉とともに砂浴

 

実施例2

実施例3(砂浴90歳

実施例4(自治体と協力イベント)

 

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