自然出産から見えてくるのは・・

友人の徳島の知足庵で出会った

11歳くらいの男の子を連れて世界中旅している父子の姿は強烈に印象に残っている

学校に行かせず、しかも勉強も教えず、全部自分で学びたいようにしている。

その子は英語も解り、頭がかなりよかった。そして、彼は自然出産で産まれたことも知った。

親は「病院も学校も金銭も必要ない」

それを世間の常識とは天と地くらい離れて、親子3人で実践していた。

仕事は雑誌の執筆でかなりの収入があり、その10%くらいで現在は賄っているという。

知足庵から山梨の家に車の旅をしながら帰っていく途中

自然出産した家族の人を続けざまに3人出会い、その話はまことに痛快だった。

Mさんは古い木造の風呂の中で女の子を夫婦で産んだ。

湯の中から簡単に産まれ、亜kん坊につながっていたへその緒と胎盤も一緒に流れでた。

へその緒はへそから10センチと20センチにタコ糸で2本しばり、

その中間を古代人の儀式みたいに、黒曜石で切った。

胎盤は化粧品や薬に使われるほど栄養素が高く、水で洗うと子供より少し少ないくらいの量になる。

Mさん夫婦は胎盤を刺身にして、わさび醤油で頂いたという。

約10年前は医者や産婆なしに自分で産むというのは珍しく、出産証明は医師の証明が必要であり、それがないと出産届を役所では受け付けていなかった。

出産費用は保険が適応しなく、その代わり、補助金が30数万円もらえるので、

それをもらうにはどうしても出産証明が必要だったので、保健所の人に来てもらい、確かに自宅で産んだことを証明してもらったようだ。

 

Tさんは3人の子をほぼ自然出産に近く産んだ。

第一子はインドだった。

出産が近づいたので、小奇麗なホテルにうつり、部屋で産気づき、近くの産婆を呼んだが、

子供の頭が出かかったときに、産婆が到着した。だが、その目先は近くにあったガスのランタンを向いていて、何もしようとはしなかった。

慌てる夫はそれに気付き、「それあげるから 早く子供を取り出してくれ」といって、始めて動き出した。

へその緒が首にからんでいたが、それをうまくほどいて難なく取り出した。

第二子は日本の実家で自然出産を試みた。

それが五右衛門風呂であり、蒔をくべながらの作業であったため、その温度調節が難しく

結局、風呂の中ではなく、その外で、立って産み落とした感じで産まれた。

出産証明は前もって母子手帳をもらい、そこに日誌と、写真を載せておき、保健所で証明してもらい、やはり補助金をもらい、それで海外旅行を楽しんだという。

第三子は「大変なので今度は病院で産もう」ということになった。

産気づき、車で病院に向かった時、破水し、早くの頭が出てきた時、

「お母ちゃん! 大きなうんちが出てきたよ!」と子供が叫び、病院に到着した

その時は、身体は外に出ていたが、へその緒と胎盤はまだ体内に残っていて、医師はそれを取り出しただけであった。

その出産費用だが、胎盤を取り出すまでが、その費用で、車の中で身体だけ生まれても、半額にはならなかった。

出産補助金30数万円は病院費用になってしまい、旅費にはならなかったという。

 

Aさんは、Mさんの自然出産の話を聞いて、自分でもそうして産みたくなり、第三子を自宅の風呂場で自然出産しようとした。

産まれるのに、時間がかかり、湯にのぼせてしまい、洗い場で 立ったまま産み落とした。

自然出産する時の湯はぬるま湯で長く浸かい、運動しても大丈夫な体温くらいの35度くらいが丁度いいかもしれない。

へその緒を血が出ないように、糸で縛って、ハサミで切るというのは何か自然ではないようにみえる。

Aさんは、赤ん坊とへその緒がついた胎盤をタオルで巻いて、しばらくそのまま放置して、様子をみたようだ。

すると、へその緒を縮まってきて、どうやら自然に切れていくように感じたそうである。

私が飼っていた犬は自分でへその緒を噛み切って離していたのも記憶している。人間も切るものがなかったら、放置して自然に切れるか、また噛み切るかするだろうと思える。

 

胎盤は洗って、3分の1は刺身にして、わさび醤油で、3分の1は焼いて塩コショウで、残り3分の1は今も冷凍保存している。

一番美味しかったのは わさび醤油だったそうである。

それが3年前で、徳島県では自然出産が増えてきていて、役所でも、出産メモや写真があれば、出産証明を出してくれ、その補助金ももらえたという。

 

ほとんどの動物は他の手助けも受けずに自分で子供を産んでいる。

人間だけが医師や産婆がどうしても必要というにはおかしい。

ところが、今では病院で産むのが常識になっている。

アフリカでも今カメルーンのバカ族では、そこに病院も、産婆も、学校も、金銭もなく、

狩猟をし、木の実を食べて暮らし、生き延びている。そして、子は村で共同保育され、毎年のように出産し、10人くらいは子育てしている。経済上の問題で出産を控えたり、核家族になった母親が子育てに、一人孤独と不安に苛むこともない。

ひょっとしたら、近代人は

必要のないものを うばいあったり、いがみあったりしているのかもしれない。

もし、病院も、学校も、金銭も、人間には必要ないものだったら、世界を悩ますほとんどの問題が消えさることになる。

 

お風呂で自然出産する動画を見つけた。

子供が泳ぐようにして産まれ、オギャアとなき、きれいな顔で、うっとりさせてくれる

 

 

 

カテゴリー: お金って何だ, 徒然草, 社会問題, 自然に生きる パーマリンク