ダンゴ虫は弁証法で困難を脱出する

次の6月に徳島大の大橋教授の学びやに呼ばれている。

何を話していいのか? どんな人が集まるのか? 全く解らないのでネットで調べてみた。

どうやら「学びや」はソクラテスの問答法(元祖弁証法)から生まれた産婆術のようだ。

「教師が生徒に対して詰め込み教育的に教えるのではなく、 教師の手伝いにより生徒が自分で「発見」することを目的とする」

これは医師が手術や薬ではなく、患者自身で病気を治そうとする自己治癒を助けることでもある。

つまり、私はそこに集まった学生の知恵を引き出す産爺(さんじい)として呼ばれたようだ。

ダンゴ虫は弁証法で困難を脱出する

ダンゴムシは、前に障害物があると、右、左、右、左・・・と交互に曲がる習性があり、敵から早く逃げるためらしい。

この「右、左、右、左・・・と交互に曲がる習性」は「正、反、(合)、正、反、(合)、・・・」とヘーゲルが歴史は正反合という弁証法で展開しているという姿と似ている。

現代の裁判が、検事と弁護人による正反を意見を戦わせ、そこで裁判官が両者の合として判決する手法でもある。

矛盾の由来も、「この矛はどんなかたい盾をも突き通すことができると豪語する強者と、この盾はどんな矛でも突き通すことができないとやはり豪語する強者がいた」そこに通りがかった賢者が「その矛で、その盾を突けば、どちらが正しいかハッキリするじゃろう」と、その矛盾解消法が正反合の弁証法でもある。

こうした正反合による弁証法は目の前にある大きな問題に直面した際に、使われる手法であるが、それはダンゴ虫が迷路に入り込んで目の前の障害物にどう立ち向かい、そこから脱出して生き抜く習性ともリンクする

ダンゴムシの習性で遊んでみた

10匹全員のダンゴ虫が弁証法(右左右左・・正反正反・・)で、無事迷路を脱出した。

中には、途中何度も諦めて、動かなくなったダンゴ虫もいたが、また動き出し、ゆっくりと時間をかけて、全員生き延びたのは、人間そのもののような姿をしている。

例えば、

癌になり、医者からあと一か月の命と宣告されたとしよう。

医者の言う通りにすれば死ぬならば、その反対のことをすれば生きられるという選択をする。

反対のことをしてもちっともよく治らなかったら、その反対のことをする。その反対のことをしてもダメだったら、その反対のことをする。

すると、生き残った元癌患者も世界中でたくさん出ている

柔道もまた、

「押してダメなら引いてみな、引いてダメなら押してみな」

「押しても、引いてもダメなら、回してみな」

これが三船十段が編み出した空気投げという弁証法である。

こうしたダンゴ虫の弁証法習性は、人類にも無意識にその遺伝子情報に組み込まれており、その時の常識でダメだったら、その反対を言い、行ったことで、真実がみえ、世界が大きく変遷してきたことはいろいろな史実からも知ることができる。

 

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