自然循環とお金の仕組み

 今のお金は製造されっぱなしで、どんどん増え、金持ちのところに流入し続けている。

 自然はとくに生命の流れは循環しており、生産されたものは必ず消費され、そして、再び生産されるという循環をしており、生産されっぱなしにはならない。主食である米や麦も、それは生育し、動物に食べられても、それが肥料となって再び米と麦になっていく。水の流れも、雨が山も降り、それが川となって海に流れ、再び水蒸気になって空にもどり、冷やされ、再び雨となって、水は循環する。

 我々人類もまた個々の命をバトンを繰り返し、人類種を絶やさないで永続させている。

 ところが、今のお金の仕組みは、製造されっぱなしで、増え続ける。それが消滅するときは、借金の返済ができなかったときだけである。銀行は無制限に債権を製造し、預金高を増やすが、優良企業が利息付きで返済されたら、その債権は消えるが、その債権から作られた1000倍もの預金は消えない。

 唯一、製造されたお金が自然消滅するときは、不良債権であるが、その不良債権でさえ、中央銀行が買い取ってしまうので、お金はどんどん製造されていく。

 これは環境問題と同じ現象で、いくらでも、莫大なエンルギーに変換できる石油とウランを使って、無制限に商品を生産しつづけるが、そのできた商品は大量のゴミと排気ガスと汚染水は地球に堆積続けるのである。

 大量生産大量消費大量ゴミのように、大量の紙幣・債権・金融商品がマネーゲームによって製造され、その金のゴミは金持ちのところに集められるが、それが自然消滅することはない。

 人類は債権のゴミの山で暮らす少年少女のようである。

 自然循環とは生産と消費が繰り返されることが必要である。それがされないと、その種の生命は死滅する。

石油もウランもそうである。それは米や麦と同じように、生産消費されたら、もとの米や麦にならなくてはならない。

石油やウランは自然生成消滅する期間は数万年数億年の歳月が必要である。林業のサイクルにしても、三代にわたって続けられ、数十年数百年の歳月で自然循環させている。

 今のお金が自然消滅も自然循環もできないため、人類は地球の環境を末代にわたって苦しめ全滅させてしまうことになる。

 生産流通消費そして生産を永続し、命のバトンを永続させるんは、今のお金の仕組みを減価する貨幣・期限通貨にしなければならない。

 地球と人間の姿はそのままお金のシステムの鏡になって現れている。

 今の人類は自分で自分の首をしめている。古代のハ虫類が巨大化して、いっせいに死滅し、それが石油となったように、人類は、その死骸で生成された石油で繁栄するが、人類もまた古代の生物と同じ過ちをくりかえし、人類自身が石油になろうとしている。

 それに拍車にかけているのが、自然消滅しない今のお金・債権である。唯一の希望は人は失敗を反省し、それを成功にもっていく知恵をもっている。金の強欲から金の知恵にもっていけば、人類は地球に永存できるはずだ。

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