基軸通貨発行の条件

 私たちの考え方や行動はその元があり、その元がどんなモノであるかで、すべてが決まってしまう。
もし、私たちの生活が中世であったなら、キリスト教のけして死なない神の観念を土台にした考え方や社会が築かれてしまいます。
 経済がもし不滅のお金を土台にしたならば、その不滅のお金をもっとも多く持った者の権力社会が生まれます。それが資本主義です。
 しかし、人の命を土台とした経済社会ならば、お金は不滅ではなく、限りある命と同じく期限通貨になります。

 今、基軸通貨であるドル崩壊の動きから、世界はユーロのように、地域連合経済圏の通貨が生まれようとしています。そして、基軸通貨をどのように発行するかも国連を中心に模索されています。

1,基軸通貨とは何か?

 

 オリンピックのマークのように、世界が5カ国で平等の立場で、内需と外需を半々として、貨幣による商品交換を考えてみました。

 一国の生産される商品を100とすると、その交換に必要な貨幣も100になり、他国と交換できる貿易商品をその半分の50にします。

 各国は独自の貨幣を発行しますので、みな価値観が違います。そのため、各国の商品を交換するためには、どうしても基準となる価値が必要なので、基軸通貨が必要になります。

 この基軸通貨は各国の通貨を交換するために必要な通貨なので、その発行額は50×5カ国=250になります。

この場合、基軸通貨は各国の通貨以外のものでなくては不平等になり、正当な交換はできません。しかし、今の世界はアメリカのドルが基軸通貨になってしまい、一国のアメリカ経済が沈むと、世界の経済全体も沈んでしまいます。

2,アメリカドルが基軸通貨の場合

 これは、例えば、世界中の必需品である石油の売買はドルで行うことになり、その結果、アメリカは世界の石油のすべてを生産したこととなり、その売買に必要なドルを発行してもいいことになります。

 そのため、アメリカは世界の商品のすべてをドルを印刷するだけで買えることになります。

 しかし、世界は中央銀行システムなので、借金をしないとお金は信用創造できません。そのため、アメリカは赤字国で、最大の借金国になって、世界の商品を浪費することになります。

 しかし、借金は利息付で返済しなくてはなりません。これを可能にするのが、マネーゲームです。お金でお金を増やす方法です。アメリカは自国の通貨が基軸通貨であることで、簡単に赤字を減らすことができます。

 例えば、1ドル=360円 という固定相場で、赤字が360兆円あったとします。それを1ドル=100円にしますと一方的に通告できるため、赤字は260兆円減って、100兆円になるのです。

 こうした貨幣の価値の相場をギャンブルすることで、実際に商品を生産したり、働くことなく、横取りできるのです。

 そのため、世界経済はアメリカ経済とギャンブル経済で、世界のほとんどのお金は一部のアメリカ人のものになり、そのものに支配される資本主義経済になっています。

 これを根本的に改めるには、基軸通貨をどの国の通貨でもなく、また、人の命を元にした期限通貨にし、地球上の一人の命を全世界の人々が支える通貨システムであるベーシック・インカムにする必要があります。

3,基軸通貨発行の条件

 基軸通貨の減価率を月1%(年12%)で、250の12%で30になり、新規の基軸通貨は毎年世界で必要な商品とその貿易額の分だけ発行され、その通用期間は1年間にします。そして、前年発行された基軸通貨との交換率は、新基軸通貨 1 に対して、前基軸通貨 0,88 になり、交換可能期間は新基軸通貨発行日から3ヶ月以内にします。そうすることで、毎年発行される新基軸通貨だけ流通し、旧基軸通貨は流通せず、新旧ダブることもなくなります。

 その減価交換率によって、各国に6のベーシック・インカムで命の保証を毎月直接各個人に基軸通貨世界銀行から送金できます。

 ベーシック・インカムの財源としての税金も寄付金も必要ありません。これは不滅のお金の貸借から生じる利息の逆で、減価するお金の減価から配当される世界人のための毎月の命の保証金になります。

 各国で発行される通貨はそれぞれの事情があり、今までどおりのお金のシステムを変更させることは難しいのですが、新しく基軸通貨を発行し、それを世界中の人に流通循環させるには、不滅のお金では税金や寄付金が必要になり、えらい経費と政治力が必要になりますが、期限通貨だと、お金自体が人の血液のように自然に循環、流通し、ある一部の金持ちだけに貯まることはなくなります。

 各国の世界経済担当者は単に基軸通貨の発行総額と減価率と新旧交換期間と配給先をネット会議でもして、毎月調整すればいいだけです。

カテゴリー: お金って何だ パーマリンク