いかに巨大な壁を破壊したか

 厚さ30センチのコンクリートの壁をハンマーとバールの手作業で破壊できたコツがあった。

表向き分厚いコンクリートだが、その裏を見ると、大石が並んでおり、それをコンクリートでつなげてあっただけである。

そこで、裏の大石とコンクリートの接着面を剥がすことで、大石を先にとりのぞく。その方法は、ハンマーで大石をたたき、その振動で一番崩れやすい大石からとりのぞく。そして、その石を支えていた土や小石をバールで掘り出して、コンクリート壁を支える土を取り除くと、倒れやすくなる。

でも、5mもの長さで、コンクリートがくっついているので、そのくっついているもっともうすいところをねらってハンマーで壊す。そうして、コンクリートのつなぎを分散させる。ヒビは入ったところに、バールでさらにそのヒビをこじあければ、意外と簡単にコンクリは割れてしまう。

そして、思ったもんだ!

「絶対の強者だったアキレスはいかに崩れ去ったか?」

「たった一つの小さな彼の弱点であるアキレス腱に矢で分断するだけだった!」

2008年9月15日、巨大な投資銀行であったリーマンブラザーズ証券の倒産したときの負債総額は6,130億ドル(60兆円)だったが、それが崩れ去った原因は信用度の低い借り手向け住宅ローンであるサブプライムローンを信用度の高い金融商品に組み込んだための一つの小さなミスからである。

大企業だけでなく、どんな有名人でも、小さなスキャンダルで、その名も消えてしまう。

だから、

どんなに巨大な国家であろうと、巨大なお金のシステムであろうと、そこには必ず弱点がある。その弱点を集中してたたけば、それはあっさりと崩壊してしまう。

巨悪なものを破壊するには全面戦争ほど馬鹿げた策はない。また、すぐれた良いものを持続させるには、小さなミスをおろそかにしないことが大事になる。

柔道で「柔よく剛を制す」というが、その原理はテコと同じで、

 小弱よく巨悪を制す

といえるだろう。

 

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いかに巨大な壁を破壊したか への2件のフィードバック

  1. miyuki のコメント:

    なんだか、読んでいてワクワクしました^^

    諦めてはダメですね!

  2. ゴン のコメント:

    miyukiさん、コメントありがとう。
    始めの一歩があるなら、その目的の終わりも千歩先には必ずある。
    もしあきらめたら、その時点で始まりは空しく幻になってしまう。
    ドリームカムツルーですね。のろい亀さんのように万年でも歩きましょう。

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