先日のニュー・ベーシックインカムでは、基礎経済とギャンブル経済を分けて、今までの国公債をゼロにする発想だった。次は国公債がゼロになったら、ベーシックインカム通貨を、税制と合わせて人間の血液のように循環させるかである。
昔、福祉税という発想があった。それは廃案になったのだが、それはいわば消費税増税のための言い訳にすぎなかった。今回の参議院選挙で、消費税増税してそれを社会事業費に回そうとしたが、「それをする前にやることがあるだろう!」ということでやはり廃案になった。
これは、税金の使い道に無駄があって、消費税がそのまま社会事業費に回るとは誰も考えられないからだ。
また、子供手当の現金13000円で、給食費未払いの分に回してもらおうと役所員が必死でお願いする姿が放映されたが、実にあわれであった。子供手当が本当に子供のための教育などに使われるかは実に難しく、それは将来の生活の安定のためにほとんど貯金に回ってしまうように思われる。
現金とはなんにでも交換できるのが特徴で、それを何に使うかは自由なのがこの原則になっている。
我々が、お金を教育のために使えるようにする方法でよく使う手は図書券を現金のかわりにあげることである。何かプレゼントする上で現金をあげるのは失礼に価するが、図書券ならばそこにやさしい心を感じることができる。
つまり、現金を特定の商品券にすればその使い道を制限できることになる。このニュー・ベーシックインカム通貨の提案はいわば、投資などのギャンブルができない、基本の生活必需品だけに通用する商品券に相当する。
では、税金を確実に福祉に使えるようにするにはどうしたらいいだろうか?
税金の使い道は政府が決めるのではなく、国民が議員を選ぶように、1人1人決めることができるようにすればいいのである。
そのためには、友人に現金ではなく図書券をプレゼントするように、税金を現金で払うのではなく、特定の商品券で払えばいいのである。
ここで、ベーシックインカム通貨=生活必需商品券 が必要になる。
例えば、政府が消費税を福祉にしか使えなくする方法は、ベーシックインカム通貨としての福祉券を財務省が発行するのである。
あなたが風邪をひき、風邪薬が必要になった。その場合、現金で風邪薬を買わないで福祉券を役所から買ってから、薬屋さんでその福祉券で買うのである。
1,1000円の福祉券を役所で買う。
2.1000円の福祉券で風邪薬を買う。
3,薬屋さんは1000円の福祉券を役所で1000円の現金に交換してもらう。
1の福祉券を困窮者に政府が与えればそのまま社会事業に使われる。
次は税金の使い道を国民が選ぶ場合である。
1,1000円の福祉券を1200円の現金で国民が買う。
・・・200円分の消費税が政府に入る。
2,1000円の福祉券で1000円の風邪薬を買う。
・・・現金は確実に福祉に使われる
3.薬屋さんは売り上げの1000円の福祉券を800円の現金と交換してもらう。
・・・200円の所得税が政府に入る。
200円の消費税+200円の所得税=400円の税収である。これで政府の経費と事業費が出てくることになる。
この福祉券による税金には自己申告や面倒な計算も必要しない。単に福祉券の売買で税金が払えることになる。
ニュー・ベーシックインカム通貨は、この福祉券のような新しい税制との両立で、それを循環することができるのである。