お金って何だ?!を考え始めてから、かれこれ2年くらいになるだろうか?
当初の理解とは今はかなり違ったものになっている。そして、どうしてお金の流れがこうなるのか?ということがだんだん解りかけてきた。
例えば、世界はデフレ不況で困り、金融緩和政策をしているが、中国だけはまったく逆のインフレ好景気で、金融引き締めをしている。
この理由は為替の自由相場制を世界の多くはとっているが、中国は管理相場制で、自国で勝手に為替相場を決めているからだ。
各国は輸出によって、景気をよくしようと、自国通貨の相場を安くすることで、他国の商品との競争に低価格で勝とうとしている。とくに、為替自由相場の元になる基軸通貨のドルを安くしようと、その金利を安くしたり、膨大なドル紙幣を印刷している。基軸通貨が下がれば、他国の通貨は逆に上がることになる。そうなると、輸出する産業は競争に勝てなくなり、倒産し、一気に不景気になってくる。
そのため、基軸通貨の安さに合わせようと、各国は金融緩和政策をとらざるをえなくなる。ゼロ金利政策では追いつかなくなり、中央銀行が不良債権を買い取ることで、大量の通貨を発行する。これは不景気の連鎖である。この原因は基軸通貨がドルであり、しかも、自由相場であるためだ。
しかし、中国は自国で勝手にその相場を決めているので、自国の輸出競争力はトップになる。そして、外貨がたくさん中国に流れ込んでくると、当然、インフレになる。景気が過熱するので、金利を大きくして引き締めにかかる。
また、ギリシャの危機があったが、もし、ギリシャがユーロに加盟してなく、自国通貨だったら、その危機はその国だけで被害はおさまっただろうが、ユーロ圏に拡大したのは、共通通貨にしたためである。
世界恐慌はアメリカの投資会社一社の倒産だけで起きた。それはいかに世界が基軸通貨であるドルを大きく左右する投資会社と為替相場に支配されているということである。各国は経済的に自由ではなく、アメリカの投資会社に支配されているという証拠でもある。
自由な国とは他国から一切支配されないということである。その自由を守るために欠かせないのは自国の衣食住の基本産業の自給率が高いことである。自給率は人でいえば、自立した経済力生活力であり、それが自由に生きるための最低必要条件である。
その基本衣食住の産業と流通と消費を安定化させるのが自国通貨である。それは他国の通貨との為替によって左右されることのない通貨でなくてはならない。それが自由生活を保障する経済システムになる。しかも、自国通貨は自国の産業に合わせた独自の貨幣システムが有効である。
さらに、それを地方自治を推進するならば、地方独自通貨も必要になってくるだろう。但し、独自通貨の流通は基本的衣食住産業だけに絞ることが必要であり、それ以外は他の地域や他国との文化交流のために、より開かれた産業が必要であり、それに合わせた通貨が発行されることが必要である。
今の通貨は残念ながら、どの国の通貨もアメリカの投資会社の支配通貨である。それをいち早く脱して、三種の通貨を発行し、流通させることが大事であるように思える、
1,地方自治通貨・・・その住民の基本的な衣食住産業+地方独自産業
2.国の通貨・・・・・・他国の通貨に左右されない基本衣食住の産業通貨+独自産業
3,国際通貨・・・・・・他国との文化教育経済協力通貨(基礎産業以外)
お金が混乱するのは、そのお金がなんでもかんでも交換流通するためで、それは自由放任する戦国時代の鉄砲や刀に相当する。お金はそもそも物々交換から発展してきたものであるが、今では単に所有権のとりあいのようになっている。お金は人の命と交換できないのに、それがあたかもできるような錯覚をする時代である。
何が交換でき、何が交換できないか、はっきりとした目的と精神で、新たな自由貨幣制度が築かれていくことが必要であろう。