ドル紙幣の逆デノミと、債券のデノミが必要

2008年のリーマン破綻から、世界の金融恐慌が始まった。そこで、一番の問題は基軸通貨のアメリカのドルだった。そして、アメリカは大量のドルを増刷して、ドルが暴落し、各国通貨は基軸通貨の不安定さに混乱している。

 通常、大量の国内通貨を大量に発行すると、ハイパワーインフレが起こる。そして、それを正常にするため、デノミをする。例えば、1000万円以上貯蓄税を90%かけ、1000万円以下は非課税にする。そして、現金が使用できる期間は1ヶ月に限定する。例えば、1億円の預金は9000万円の税金でとられ、1000万円になる。5000万円だったら、1000万円は保証されるので、4500万円の税金は4000万円の税金がとられたことになる。10億円持っていたら、9億円税金でとらえ、1億円の新円なる。

 ハイパワーインフレができないように、借金システムの中央銀行システムができたが、現金を元にしれ、信用創造された大量の債券が発行されて、そのバーチャル・ハイパワーインフレが起きてしまった。しかし、それが現金化されると、実際に起きてしまう。とくに、増刷の多いアメリカドルが暴落したのはそのためだ。

 もし、アメリカドルが国内通貨ならば、確実にハイパワーインフレになるが、それが基軸通貨としての国際通貨であるため、ドルの保有の90%はアメリカ以外の国が持っている。そのため、他国も自国の通貨を発行して、それでドルを買い支えすることで、暴落をさげることになる。しかし、アメリカがドル印刷をやめない限り、いたちごっこである。

 そこで、各国は基軸通貨のドル離れをして、新しい基軸通貨を探る。それが決定する前に、とにかく国際通貨ドルの破綻を防がなくてはならない。

 そこで、金融恐慌が起きた2008年までのドル紙幣を国際通貨とし、2009年以降に発行されたドル紙幣をアメリカドルと分ける逆デノミをする必要が出てくる。

 そして、国際通貨ドルとアメリカドルの変動為替相場にし、各国の為替相場は国際通貨ドルのレートを基準にした変動相場にして、一時しのぎをするしかないだろう。

 そうしないと、ドルを大量に持っている国や投資家が、それを金銀鉱物や石油、穀物などに換えようとして、物価はどんどん高騰して、実質経済まで破壊されてしまう。

 そして、世界中の出回っている債券を元にした金融商品のみの、デノミを実行することで、借金で苦しむアメリカや海外諸国は救われることになる。

 各国が持っている国債もまた金融商品だからだ。貧しい国民と金持ち国民の痛みは違うのだ。消費税や関税自由化は貧しき国民の痛みだが、債券のデノミは金持ちの痛みである。

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