今に生きる

 なにかと問題があったときに、3つの解決法がある。

1,明日に生きるか

2.過去に生きるか

3.今に生きるか

 この3つであるが、解決する確率100%なのは「今に生きること」である。

 「明日に生きること」はいわば占いをあてにするような生き方で、それは当たるも八卦当たらぬも八卦であって、解決策は50%である。

 「過去に生きること」は経験をあてにするような生き方で、突然やってくる出来事には対応できないため、やはり未来の出来事があるかないかの二者択一があるので、その解決策は50%である。

 「今に生きること」が100%の解決策というのは、過去にとらわれず、未来もあてにしないため、また、問題の始まりと終わりは同時にあるため、問題が生じたとき、即、それは解決されるからである。

 宗教と科学の違いは宗教は「信じること」から始まり「信じること」で終わることに対して、科学は「事実」で始まり「事実」で終わることである。

 それゆえ、宗教は過去に生き、未来を生きることであり、科学は今を生きる事につながってくる。そのため、科学の方がより解決する確率が高くなる。

 というのは、人も自然も、時間とともに生きているため、完全に今に生きることは時間を止めるしかないので、それは不可能である。そのため、今に生きることが過去や未来の50%の解決策に対して、より100%の確率に近くなるだけにすぎない。科学が万能でないのはそのためである。

 今のお金の90%は貸し借りによって成り立っているため、未来の出来事をあてにした占いと同じ金の宗教だといえる。 「借りた金は利子を付けて返してくれる」と信じる経済宗教から成り立っている。日本の借金は1000兆円 アメリカの借金は14兆ドル より増えるを未来の子供達が税金で返済してくれると信じている国民はどれだけいるだろうか?

 信じる信じないよりも、国民が借金で生計をたてているさえも理解されていないだろう。むしろ、ガソリンが高くなること、食料品が値上げされること、消費税が上がるかもしれないことを感じるだけである。それが日本やアメリカの借金と関係あるかどうかなんかはけして考えないだろう。

 ほとんどの国民は明日の借金のことなどどうでもいいことであり、今生きていけるかどうかが大切である。借金はいわば幻である。もし、お金を複利で借りて、ずっと返さなかったら、あっという間に無限倍の金額になる。それを返せとか、返せるとか言える問題ではないのだ。それは数年後には世界は破滅するかもしれないということを話すことと同じだからだ。

 今に生きることをお金にたとえるならば、「売り掛けなしのニコニコ現金払い」の商売に切り替えることである。借金はチャラや、債券はすべて捨ててしまえ。現金だけで生活しようではないか。

 未来の借金で生きずに、今の現金で生きると、ほとんど解決する。但し、借金を日銀やFRBが現金化したら、幻の借金を本当の現金にすることと同じであるから、それは現実にハイパワーインフレが起きる。物価は借金のように跳ね上がることになる。

 今、FRBがアメリカ国債を現金化しているからだ。現金を大量に手にした世界の投資家は値下がりする株や債券や不動産に手を出さないで、現実に値上がりするだろう、幻の金でなく、本物の生活必需品を買い占め、値をつり上げる。値が高くなったら、さらに売って儲ける。需要が満たされると物価下が下がると、また、それを買い占める。これが繰り返しされることで、投資家はどんどん儲かることになる。

 そうなると、ドルの現金そのものが債券と同じ紙くずのような幻になってしまう。そうなるとドルのデノミして、新ドルを造る道しかなくなる。新ドルが今生きる現金に代わることになるからだ。

 物価が上がることは消費税が増大するようなもので、税金が多くなることと同じである。TPPで関税撤廃するというが、それだと、国内の物価安定がうまくできないだろう。

 海外の輸入品に関税をかけて、国内物価を安定させることができる。小麦は200%の関税をかけて、その収入は国に入るが、小麦が値上がったら、その関税を安くして、その値上がり率を調整できる。 逆に、石油は関税がないため、その値上がり率を調整できない。しかし、値上がる石油に逆関税をかけて、儲かった関税や為替や外貨準備金で、値上がり分を充当してあげることができる。

 食料品やエネルギーの個別物価は需要と供給によって変化するのは「今に生きる」ことであるが、金を儲けたり、借金を返すためによって、物価が変動するのは、「明日や過去という幻に生きること」である。これらは、幻は幻で消し去ることが解決策であろう。

 借金や金儲けはチャラにすることが、今に生きるもっともうまい解決策なのである。

 

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