金融又貸しトリック

 前回のオバマトリックのたとえから、もう一つのトリックがある。なぜ闇金がなくならないか?

 私はお店を借りて営業しているが、そこで、お店の又貸しは法的に禁止されている。

 例えば、私がお店を月10万円で借りて、Aさんにその店を倍の20万円で又貸しすれば、何もしなくても月10万円のお金が入ってくることになる。AさんがまたBさんにお店月30万円で貸せば、Bさんは黙っても10万円入ってくることになる。

 困るのは本当にお店を営業したい人であり、通常なら、お店10万円で借りられるのに、投資家がみな不動産を買い占めてしまい、どうしても月30万円でしか、借りられなく、それで営業するしかない。

 今世界で起きているエネルギー、食料が高騰するのも、投資家が買い占めて、安く買って高く売るのも同じ原理である。

 この又貸しはお金そのものにもいえるのである。お金とはいわば商品の自己所有権のことであるから、不動産のような土地の領有権と同じことである。

 お金の発行者件所有者は、商業銀行に、年0,1%で貸し付ける。商業銀行は借りた金を年5%で企業に貸し付ける。企業は個人の闇金事業者に年10%で貸付、闇金は年20%で貸し付ける。

 これが金の又貸しで、不動産のような法的な又貸し禁止は一切されていないためにおこる経済恐慌である。

 前回のオバマトリックの貸し借りは、ホテル→肉や→精肉会社→ホテルになっているが、これに利息がつくと、この流れはけしてできない。ホテルが肉やに利息1%で貸し、肉やは精肉会社に2%で貸し、精肉会社は3%でホテルに貸すことはできなくなり、お金はけして返済されないことになる。

 つまり、中央銀行から貸し出されたお金を貸した場合、又貸しを禁止しなくてはならない。そのため、利息をとってはならないばかりか、国民1人1人に直接中央銀行から貸し出さなくてはならない。

 そうしないと、ほんの一部の投資家がすべての国民も国も支配することになり、けして民主国家にはならないからである。

 オバマトリックの場合、中国人はホテルに預けた100ドルは不正に肉やも、精肉会社にも、広告会社にもまわす必要がない。正しく、ホテルは中国人に100ドル返すことができる。

 もしも、中央銀行がどんなに金を印刷しても、それをすぐに回収すれば、けしてインフレにもデフレにもならない。その回収作業を金の又借り業者にまかせただけで、自分は貸しっぱなしにしているだけだから、投資家に世界は支配されてしまう。

 

カテゴリー: お金って何だ パーマリンク