財源問題

 問題解決学の手法の一つで、「それは何のために?」と何度も問い続けていくと、最終的に解決してしまうものがある。

 例えば、「増税する」ことが問題だとする。そこからスタートして、「何のために増税するの?」と問い、その答えが「社会福祉費を増やすため」だったら、「何のために社会福祉費を増やすの?」と問い、その答えが「社会福祉を充実させるため」だったら、「予算を増やせば社会福祉が充実するってこと?」とその答えを確認したら、「もちろん、予算だけ増やせば社会福祉ができるとは限らないけれど」という答えが出てくる。

 ここで、問題は半分解決できている。「社会福祉するには増税以外の道もある」ことが解決策である。

増税する目的の答えが、「国の借金を返済するため」だったら、どうだろうか?

「何のために借金を返すの?」「お金を借りたら返さなくてはならないから」「借金を誰に返すの?」「国債を買った人」「国債を買った人はどんな人」「銀行」「返してもらったお金を銀行は誰に返すの?」「日銀」「日銀は誰にお金を返すの?」「日銀はお金を発行するからどこにも返すことがない」「では、何のために日銀はお金を造っては貸すの?」「国民の生活を守るため」

 ここで、問題はやはり解決する。国の借金を返す方法は増税以外に、日銀がすべて負担する道もある。その場合、日銀が銀行に貸し出した金額と銀行が国に貸し出した国債とを相殺すれば、実際に日銀券を印刷して、マネーサプライが膨れあがり、インフレになることはない。

 そもそも、国も国民も金のことばかり考えている。これは金のシステムそのものに問題があるからだ。人が生きていくのに必要なものには空気があるが、それがいつも空気があるかないかで騒ぎ出すことがあるだろうか? それは転覆した船内に残された空気をとりあい、その残量を計算してパニックになった状態と同じである。

 我々が生かされているのは人工的なお金ではない、自然の産物である。「財源問題とは何?」「お金の問題?」「お金って何?」「何のためにお金があるの?」

 その答えに、「お金の問題が解決する道がある」

そして、「お金はどこから生まれてくるの?」と問われ、「国民が今持っているモノ」と答えられたら、きっとそこから、正常なお金のシステムに切り替えることができるだろう。

  

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