欲望の最後は自滅

 毎日のようにハトが脱穀した麦つぶをねらって、網で覆ったビニールハウスに入ってきてにげられなくなっている。

 ハトは蒔いた大豆の種をすぐ食べ尽くすし、また大豆が生育した2枚葉は好物ですぐに食べられてしまう。大豆栽培にとって、ハトはもっとも困った害鳥である。

 麦のこぼれ種をねらって、たくさんのスズメやハトがやってくるが、それが脱穀した麦種を食べるとなると、殺して食べたくなる。アグネスチャンが日本にきて、驚いたのは、ハトを食べないで餌をあげる日本人だった。中国ではハトは食べられている。

 日本はほとんど鶏を飼育して食べているが、畑を荒らすハトを食べれば、飼育しなくても、自然にとり肉がたべれるではないかと思うのだが。

 ハトはどうして命の危険を冒してまでも、何度も何度も私の脱穀場にやってくるのだろうか?

 ハトは人間と同じで、自分の欲望を抑えることが難しいと思われる。人間の欲望も平和の象徴であるハトのように、核の平和利用の原発も、あくなき電気生産で、自滅する危険を犯している。

 地球のどこにも原発の放射能廃棄物を捨てる場所がないのに、それを作り続ける。その結果、人類全滅になるのは自明の理であるが、人類はけしてそれをすぐにやめようとはしない。事故が起きて放射能で住む土地を追われても、けしてすぐにやめようとはしない。

 原発がなければまるで生きていけないようなあわてぶりである。

娘の大学のオープンキャンパスに行ったとき、学生のゲームで、現在の世界人口は65億人か? 69億人か? という問題で、私は数年前に64億人だったことを記憶していたので、即65億人だと答えてしまったが、実際は69億人だったので、人口爆発は事実であることを思い知った。

 ハトを食べるのはカラスだが、どんな生物でも天敵がいて、一つの種が爆発的に増えることをおさえて、生物の調和が保たれている。

 人類だって、生物の一種だから、人口爆発をすると、天敵のような病気が細菌や精神で、自然は地球人口を減らそうとする。

 原発事故も、原発をやめようとしないのも、いわば終わりのない欲望という急行列車に乗ってしまったからだろう。欲望のブレーキがもうきかなくなってしまい、ひたすら人類全滅への道を走らざるをえないのは、絶滅した大型ハ虫類のようなものだ。

 人が長生きするためには、清貧に暮らすことがいいというのは本当だろう。欲望はアクセル、知性はブレーキだ。ブレーキとアクセルを間違えると、自爆テロのような事故や病気が日常茶飯に起きることになるのではなかろうか?

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