地産地消というのは、地域生産地域消費の略語で、地域で生産された様々な生産物や資源(主に農産物や水産物)をその地域で消費することである。
この考え方は自給自足に近いものがある。災害にあった場合にはこうならざるをえなくなるので、都会における防災の食料の備蓄倉庫みたいに思える。また、世界の食糧難があったときに、国内の食料自給率があることが生存率を高めることができる。
今回の震災や原発事故の悲惨さは「想定外」から起きる。世界の人口爆発の現状からすれば世界的食糧難は想定できる。
また、世界的金融危機の状況は想定外だったため、先進国諸国は今右往左往している。こうした想定外の事故や災害を教訓にして、日頃から、食料や貨幣を地産地象(自給自足)できるようにしておくことが、自由と独立を守ることには欠かせないことだ。
スローフードにおける「地産地消」は、「質の高い農産物に対する追求」であり、海外の伝統的な農産物を輸入することも入っている。
この伝統的農産物というのは、その種が在来種や固定種で自家採種が可能な農産物のことであろう。今の農産物はF1種といって、自家採種ができないものがほとんどで、種の多くは海外で作られている。自給自足は種が自家採種であることも大事である。また、畜産業においても、餌を海外の飼料に頼らないことも欠かせない。
人類のみならず生物が、この地球上に生き残るためには、画一的ではなく、多様性が必要である。それは「壊すのはたやすく、作り出すのは至難であり、多様な状態を生むのには非常に長い時間が必要となるからだ。
それは貨幣にもいえて、ユーロのような画一的な貨幣を造ると、1カ国のギリシャ国債が不履行で、ユーロ圏全体が似たような状況になってしまっているのはそのためだ。貨幣もまた、地産地消であることが大事であり、各国通貨を各国が発行できることは最低限必要である。
しかし、今の貨幣は世界中が中銀券という画一的貨幣であるから、基軸通貨であるドルが暴落すると、各国通貨も混乱してしまっている。貨幣の画一化をさけ、各国通貨の独自性が必要である。また、国内通貨にしても、やはり画一的な貨幣のために、政府が失敗すると、地方もそのあおりをうけてしまう。
そのため、地方自治も自治通貨を持って、生物の多様性、農産物の多様性、貨幣の多様性が必要である。
一方、世界は地球で一つにつながっている。スローフードの精神のように、自給自足できる地域同士がつながることも必要である。いろいろな自治体の姉妹都市や大学の姉妹校のように、日頃から、同じ自給自足できる地域が結ぶ合うことが、世界のどこで災害をうけても、すぐに助け合えることができる。
これは自治通貨にもいえて、世界の自治通貨同士がつながることが、今の画一的な貨幣と、画一化するグローバリゼーションの危機からの防衛策になることが大事である。
そこで、復興カード・償還カード・みすずカードをさらにすすめて、世界の食糧難や通貨混乱に備えて、自治通貨を発行するのである。もちろん、それは地域通貨のように財源はいらない。そして、その回収はもちろん電子マネーによる貯蓄税である。しかも、日銀券も両方使えるクレジットカードである。
復興税や償還税とかいうのはいわば目的税である。自治通貨の場合もまたそれが住民に受け入れやすくするためには、目的税であることが必要である。その目的とはその農産物の生産流通消費に絞ることである。そして、各自治体で発行される農産物の自治通貨また海外で発行される農産物の自治通貨は、購買力平価による為替レートで両替できるようにする。
想定外にされた世界の食糧難に備えるための、食料(農林・水産・畜産物)自治カードの発行が必要であろう。
配り先はもちろん、ベーシックインカム!
その自治の住民すべてだ。このベーシックインカムは食料品に絞っているので、月10万円もいらないな。その半分の一人月5万円にしたらどうだ。
その回収率は食料の備蓄率が1年と合わせて、その貯蓄税を日歩1/365で、0,27 だから、もし、食料自治通貨1万円を使わないで、1日貯蓄すると、27円の貯蓄税かかる。それはもちろん、毎月発行された自治通貨は発行元の自治体に1年後には100%回収償還されるので、12年後には全回収されて、また発行されるのでいわば、干支と同じサイクルで食料自治通貨は廻転することになる。
食料は貯めておけば腐るのだ。それを流通される通貨も同じようなサイクルになるのもごく自然なものだろう。