貨幣の所有権の循環

 命の研究を進めるにあたって、昨年からダイエットに挑戦していた。それを継続発展させると、命の研究につながる。すると、ダイエット経済がまさにe中銀券の発行にあたることを発見した。

 中銀券はお腹一杯、またそれ以上に食べるようなもの。一方e中銀券は腹八分で押さえるようなもので、それは一日の基礎代謝に必要なカロリーと栄養素だけ摂取することだ。

 それは、中銀券とe中銀券の経済を図にするとよくわかる。どんな貨幣も、その所有権では、公私の二者間でやりとりされる構造である。
 
 
 
 中銀券は発行が国ではなく私的中央銀行になった時に、貨幣の所有権は公から私に逆転した。そして、その中銀券がプラスの利息付きの貸借権になった時点から、それは債券として貨幣ではなく100%金融商品になった。その金融商品の売買により、その価格と発行総額は信用創造で増大していった。しかし、実体経済の成長よりも、金融経済の成長の方がはるかに大きくなり、実体経済の成長に限界がきて、金融経済のバブルが弾けた。
 そして、実体経済も金融経済も収縮していき、デフレ不況が起きている現状である。

 e中銀券は「社会保障と税」の一体改革しようとする時勢から生まれたアイデア貨幣である。東北震災と原発事故によって、その復興の財源、年金や国債償還の財源をすべて「消費税」でまかなおうとする無理な政策に待ったをかけようとしたものだ。

 e中銀券は国が発行し、中銀が貯蓄税の徴収代行する貨幣システムである。中銀券が市中銀行に、そして企業に利息付きで貸出、流通、返済させるシステムであるが、e中銀券は社会保障と公共事業に貯蓄税付き資金を贈与する貨幣システムである。

 中銀券は所得税や法人税や消費税の徴集によって、社会保障や公共事業をするが、e中銀券はそれらは必要ではなく、貯蓄税だけで、それらが可能になる。

 中銀券がプラスの利息付きの債券で信用膨張収縮する貨幣経済に対して、e中銀券はいわば逆のマイナス利息が貯蓄税となって、贈与授受され、公私確実に循環して、分かち合う経済になる。

 そのため、e中銀券は国民の必要な貨幣を発行し贈与することから始まり、その貨幣を貯蓄税で100%自動回収し、また国民生活の必要なところに回すことができる、電子マネーである。

 政府紙幣では脱税の温床になり、貯蓄税を課せることが難しい。過去において、政府紙幣を無制限に発行、回収不能に陥ったときに、ハイパーインフレになった。それは原発の放射性廃棄物のように、回収不能になって、その国の土地に住めなくなることと同じあやまちである。

 地の水と天の水蒸気が循環して水が保てるように、貨幣も天なる公と地なる私が100%循環することで、安定した経済環境生活ができるからである。

 

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