お金を貯めずに回せ

 4月に就職した娘は給料のほとんどを貯蓄しようとしているのに驚いた。その理由が将来の結婚費用だというのだ。確かに結婚式には数百万のお金が必要になるが、そのお金は祝い金をうまく集めれば回収できるものだ。

 私自身、結婚費用は会費制にして、キャンプ場を借り切って行った。その収支はいくらか赤字になったくらいだ。

 娘にお金を貯めるよりも、いい仕事をすることを勧めたら、「お金は貯めて悪いことはないでしょう」と言った。この意識は今世界の中心になっており、そこから、経済生活問題が噴出していくのである。

 「お金を稼ぐ」ということは「お金を貯める」「金持ちになる」という意味でもある。それがけして悪いことではなく、善いことだとされている。金持ちが成功者扱いにされるのもそのためである。

 お金を研究してみると、それは水のようなもので、水を溜めすぎれば洪水になる。水の流れをせき止めてしまうと、その水は細菌が繁殖して、汚れてしまい、飲み水には適さない。常に山から海に流れ、そして、蒸発して天に昇り、雨水となって山に降り注ぐという循環が生きとし生けるものにとって、快適で善いことなのである。

 お金は最初は無からいくらでも印刷発行され、貸し出される。貸し出された金であらゆるものが生産・流通・消費に使われ、そして、貸し出されたところに返済される。しかし、全額貸し出されたところに返済されないで、金持ちのところに貯蓄されると、お金が世間に不足して、不況になり、会社は倒産し、失業者やホームレスはは増えてしまう。

 金持ちはさらにお金を儲けようとして市場に投資する。石油などの商品を買い占め、基本産業の会社を買収する。すると、石油の値段は高騰し、基本産業会社を独占し、その物価をあげる。これが洪水のように、低所得者生活の危機をもたらすのである。

 つまり、お金を自然の水のように社会全体に常に回すことが善いことであり、長く貯めすぎることは悪いことである。

 水は低きところに自然に流れ、水平を保つように、お金も高額所得者から定額所得者に人為に回し、平等社会を目指す国政あってこそ、快適な社会が維持できる。

 また、海に溜まった水は天に蒸発して帰り、再びきれいな雨水になるように、国も溜まった金持ちから税金を徴収し、再び全国民にお金をばらまくことが、必要である。

 お金の流れが悪くなり、不況の時に、消費税を増税するのは本末転倒である。景気をよくするには、消費を増やすことであるから、消費税ではなく、貯蓄税が必要である。また、消費税は金持ちだけにかけるべきで、それは投資税である。投資税をかければ、石油の買い占めでガソリンが高騰することもないし、円買い占めで、円高が進むこともなくなるだろう。

 株や通貨や商品の投資にもし1%でも税金をかけたら、50%の消費税にも匹敵するのではなかろうか?

 国が完璧な社会保障しない限り、国民は将来の安心のための貯蓄は必要であるが、それも「過ぎたるは及ばざるがごとし」であって、必要だけの貯蓄、必要だけの消費が、お金の流れを快適なものにするのである。

 つまり、金はあればあるだけ善いのではなく、必要なだけあれば善いのである。健康生活にとって、金貯蓄も、脂肪堆積も、同じことである。 

 

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