お金の仕組みを考えると、今のお金がどうして何千年も続けられたのかが不思議でならない。というのは、このお金はより多く持った人が天下を支配できるという構造だからである。
ラグビーの試合で、そのチーム力を発揮する時に、「 1 for all.All for 1 (一人はみんなのために、みんなは一人のために」という一つの心が団結力を産み出し、奇跡的な力を発揮できることが知られている。
お金の仕組みもまた同じで、現在のお金は「 All for 1 みんなは一人のために」活動している。そして、税付き電子マネーは「 1 for all. 一人はみんなのために」という構造である。
この 「All for 1 」 と「 1 for all」の活動は矛盾するために、常にどちらかを選択した結果になる。これは個人を優先するか、社会全体を優先するかというものである。
個人と社会はうまく調和するときもあるし、調和しないときもある。ラグビーのチーム力を人の生理的現象とすれば、心臓の鼓動を早める神経と緩める神経でほどよい調整ができ、健康を保てるようにすることができる。
現在のお金は経済をどんどん発展させる力を持つ。税付き電子マネーは逆に福祉的であり、経済力を落とす働きがある。
車を運転する時に欠かせないのはアクセルとブレーキであるように、お金もアクセルとブレーキの二種を造ることで、経済をコントロールできるようになると思われる。
世界がアダムとイブだったら、今のお金をアクセルとして使うと、こうなる。
アダムとイブは共同で家を建てようとした。そこで、お互いに持っているモノと特性を生かした力を出し合うことにした。
アダムとイブが互いに持っている品と力の価値を数字で表し、それをお金にした。
アダムは200円 イブは100円の値が付いた。この合計300円がお金の発行高である。
そして、家の使用権は出資高に応じて使えるようにした。これは株式会社組織であるのでいうまでもない。
つまり、協力してモノを作り上げるお金と、モノを分け合って協力しあうお金の両方を造ることで、経済の健康度を調整できるようになるのではないだろうか。
増える今のお金と減る福祉のお金とは矛盾するので、直接には両替はできないが、どちらもどんなモノも買えるようにする。そうすると、モノを売る人間、モノを買う人間がどちらかのお金を使うかを選択するようになる。
また、必要あって、増える今のお金と減る福祉のお金はモノを交換することで、間接的に交換できるようになる。いわば、油と水は混ざらないが、乳化剤という触媒を使えば混じることができるようなものである。