食足りて礼節を知る

 今の幻想通貨における欲の暴走を押さえるために、現実にある商品だけを交換分配するような現実通貨をすぐにでも発行する必要がある。

 こうした現実通貨の模範になるのが、戦争時でも食糧難における食料の配給券である。これはいわば特定の商品券であり、それ自体だけでは循環ができない。最終的に食料生産者に集まった食料券で、生産に必要な肥料、機械、土地、オイルなどを購入せざるをえないからである。

 現実通貨を今の幻想通貨を次にように制約したものとすればよい。

 現実通貨とは・・・

1.現実に存在する商品・サービスを交換するための通貨であり、未来に生産されるだろう商品・サービスの交換はできない。

2,金で金を稼ぐような金融経済には使用できず、実質経済のみ通用する通貨である。

 そのため、債券・株券・外貨などの金融商品の売買には使用できないで、実際に生産された商品と、実際に行われているサービスのみ交換できる貨幣である。

3,取引ごと、日歩でその保有税が差し引かれる電子マネーである。貨幣自体で、税と社会福祉が循環できるものである。
 そのため、現実通貨による消費税、所得税、法人税などの諸税金は強制徴収されることはない。

4,発行は国民の生命を守るためにされる。現実にある商品・サービスを交換できる総額以内でしか発行できない。

5,実際に試行するにあたって、戦争時の食料配給券をモデルにして、国民に広く理解せしめるとよい。

 例えば、国民1人月1万円の食費が必要な場合、月1万円の現実通貨を配給することになり、国民総人口1億2千万人なので、食料貨幣の発行金額は月1兆2000億円(年14兆4000億円)になり、税率は年100%であるから、日歩のマイナス利息は1/365で、その手持ち金額の日歩は0.003になり、月1万円使わずに持っていると、毎日30円(月900円)保有税でもっていかれる。

 つまり、一度現実通貨を14兆4000億円発行して、国民すべてに毎月食費として、生命を守るものとして、月1万円の現実通貨を配給すれば、毎年現実通貨は循環することになる。

 持っていれば保有税が大きくかかるので、その効果は大きく、まず最初に現実通貨を使用しようとするため、景気は大きく好転することになるだろう。

 諺に「食足りて礼節を知る」というのがある。食べ物だけは等しく分配して、国民が互いに助け合えるようになるという意識ができれば、この現実通貨の目的がまずは達成できる。

 

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