安ければ売れる時代は終わった

 今月、フリマ笹塚の顧客が半減した。その原因が何かを探ってみた。すると、今日のニュース をみて納得できた。

 「GDP、年率3.5%減 3四半期ぶりマイナス成長」
 「個人消費0・5%減「安くしても売れない…低価格路線見直しも」

 今年4月に出店料を下げた。先先月まで好調だったのだが、先月から大幅にダウンした。そのため、大幅に赤字になっており、さらに値下げしたら、閉店まで追い込まれることになりそうだ。

 それは店の賃貸料と人件費は下げることができないからである。実際の赤字を埋めるのは他の経営からの利益で補うのだが、アパート経営も20数前の家賃よりも下げないと、借り手がいなくなってきている。

 しかし、実際のところ、値段を下げても質を上げなければ借り手は来ない。そのために今リフォームや新築ではなく、リノベーションが必要な時代になってきている

 「低価格に品質が伴わなければ、消費者は買わない。ニーズをいかにくみ取り、市場でシェアを取るか」である。

 いってみれば、質つまり顧客ニーズをキャッチして、それを実現する経営が必要な時代になってきている。値段はニーズの一部でしかないのだ。

 売れるような店にするのに、欠かせないのが所属する笹塚10号通りの発展である。だが、親の時代から一緒にやってきたカメラ屋さんは最近縮小したり、大手のチェーン店の出店は1年もたたずに撤退した。

 つまり、うちの店だけが赤字なのではなく、商店街も、大手スーパーも、日本全体が赤字で、景気が後退しているのだ。

 安ければ売れる時代というのは、モノがなく、庶民にお金がないときには通用するが、モノが豊富で、お金もある時代には「質と価格が丁度よい」ことが必要になってきている。

 数十年の木造アパートを壊して新築3階の鉄筋コンクリートにしても、借り手はない。元の木造アパートに戻すようなリフォームではなく、新築よりも、今の顧客のニーズに合わせたリノベーションのシェアハウスや、老人も子どもも触れあえる団地のようなものが必要な時代になっている。

 笹塚10号通り商店街は数十年前から大手のスーパーや新宿などの大手に顧客をうばわれていたが、どうやら、大手自体も経営が難しい今日になっている。そこで、必要なのは昔からの商店街のリノベーションであろう。

 それは地元の商店街しかできない「モノとサービス」の住民のニーズに合わせた経営であろう。しかし、地元の商店街をまとめることは不可能に近い現状がある。店の地主、店主、借り主もみな違っているのが現状であるからだ。

 私は店の借り主だが、どうしても壁になるのが地主と店主である。とはいえ、借り主としてできることを精一杯するしか方法はない。

 そこで、方向転回するには、「お金よりもニーズ」であろう。お金で考えたら、早く店を撤退した方が赤字が膨らまなくていい。しかし、ニーズで考えたら、積極的に顧客のニーズに答えるような経営を打ち出すことである。

 それはいわば、ボランティア経営である。それをお金で支えるには税付き電子マネーを発行し、それを各商店や会社への援助金に廻せば、自分の生活のことは心配なく、顧客へのサービスだけを考える経営にできることになる。

 そんな時代になれるような時代への後押しをこのフリマ笹塚のボランティア経営から始めてみたくなった。

 

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