金融商品に対する保有税の必要性

 大久保利通は富国強兵として、地租改正を行った。明治6年(1873年)、それまで年貢として米納であったものを、地価の3%の金納にし、国の財政を安定化させた

 国の財政の安定化には、貨幣そのものに貯蓄税をかけて、貨幣循環させる必要があるが、それが銀行のATMで管理する電子マネーであった場合は不正な脱税がしにくいが、紙幣では国民の申告を必要とするため、不正な脱税がしやすい。

 また、貨幣そのものに貯蓄税をかけた場合、それをのがれるためには、貨幣を現物や債券や不動産などにも保有税をかけないと、脱税が行われやすくなる。

 明治初期に行われた地租改正はまさに不動産価格の3%を保有税として納めるもので、貨幣の貯蓄税に合わせたモノの保有税であるといえる。

 地租改正は廃藩→領主的土地所有→私的土地所有権→地券交付→地租となり、税金は現物納から貨幣納になったものである。

 この物納から貨幣納に代わる方式には、その時の物価に対する保有税が必要になるように、貨幣を安定的に循環させるためには、モノや権利に保有税と、貨幣そのものに貯蓄税をかける必要がある。

 債券や株や為替通貨はその時の価格が変動する金融商品であり、現物の商品と同じように保有税がかけられてこそ、貨幣は水のように循環することができる。

 例えば、100万円を年1割の利息10万円貸した場合、その債券は110万円であり、現金は100万円になる。その場合、債券110万円に保有税3%、現金100万円に貯蓄税3%かけると、貨幣も商品も循環しやすくなり、景気も政府も安定してくる。

 日銀から発行された紙幣に、私的所有権が認められたために、誰でもが、貨幣を貸し借りすることができ、金融経済が現物経済よりもはるかに大きくなった。そして、国よりも大きな貨幣の私的所有者が出現したために、国はその大きな投資家に隷属せざるをえなくなり、借金が大きくなって倒産する国も増えてきた。

 その本末転倒しないで国の経済安定には貨幣の貯蓄税と、モノの私的所有権である金融商品などの保有税は欠かせないものだろう。

 

 

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