色は匂えど散りぬるを

 いろは唄

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 前世の釈迦がヒマラヤで道を求めていた時、鬼に出逢った。鬼は・・
「色は匂えど散りぬるを 我が世誰ぞ常ならむ・・」と詠った。
 それはこういう意味ですねと釈迦は、
「諸行無常 是生滅法(ぜしょうめっぽう)・・すべては常に在ることはない、これが生まれ死ぬ命の理である」
 と。そして、その後の唄を教えてほしいと願った。
 鬼は
「ワシは腹が減っていおる。血と肉をくれれば教えてもよいぞ」
 命がけで真理を求めていた釈迦はそれではと答えた。
「私の肉体を差し上げますので教えてください」
 鬼は後唄を詠った。
「有為の奥山今日越えて 浅き夢見じ酔いもせず」
釈迦はその意味を悟り、
「生滅滅己(しょうめつめつい) 寂滅為楽(じゃくめついらく)・・己の生死のとらわれを滅して その寂滅をもって楽しみとする」
 鬼に感謝し、自分の血肉を捧げた。
 すると、鬼は帝釈天に変貌し、釈迦に手を合わせた。
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 これは雪山偈の話と「いろは唄」である。  

   エネルギー不滅の法則(保存の法則)というのがあるが、それは魂をエネルギーとして合わせれば、たとえ自分の肉体の姿が変貌しても、その実体である魂は不滅であるというものと同じであろう。

 この魂の不滅体はいわば名前のないエネルギー体・神仏のようなものであり、それを観じたときには楽しさを味わうことができるというものだろう。

 

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