ビットコインを地域通貨にしよう

 このビットコインを発明したのは、京大の天才数学者望月新一氏らしきペンネーム中本哲史氏である。

 その論文「ビットコイン:P2P 電子マネーシステム

 概要:純粋なP2P電子マネーによって、金融機関を通さない甲乙間の直接的オンライン取引が可能になる。電子署名は問題の一部を解決するが、依然信用できる第三者機関による二重使用予防が求めらため、その恩恵は失われる。当システムはP2P電子マネーにおける二重使用問題の解決を提案する。

 この先の文章は専門語が多くて難解なので省くことにする。ここで、P2Pの意味は、peer to peer の略記で、対等の者(Peer、ピア)同士が通信をすることを特徴とする通信方式のことをいう。

 つまり、中央銀行も、市中銀行をも通さないで、お金の発行流通を国地域別関係なしに個人間でやりとりできるシステムである。

 実際にビットコインを買って、それで商品を買っ日経の記者がいる。
「仮想通貨ビットコイン 便利さ、記者も使って実感 国際決済一瞬で」

 アメリカの腕時計をネット通販でドルで買うのをビットコインで買う体験をし、余ったビットコインを保有しているが、それがはたしてずっと使えるか不安になったという。

 実際に、ビットコインの今年の相場の変遷をみてみると、今年1月を0とすると、11月には1200倍、現在は750倍になっている。その理由について、

「ビットコインは最近、投資対象として注目されるようになり、価格は急激な上昇を続けています。しかし、ビットコインの生成量はあらかじめ決められているため、利用者が増えるほど希少価値が高くなり、今後更なる価格上昇が見込めるのです」

 これは商品や株式・為替も需要と供給に基づいてその価格は日時変動しているのと同じ原理である。

 相場の変動の差は大きく、

Bitcoin乱高下―900ドルの高値から450ドルに急落、今日は700ドルに戻して上昇中

 投資家やギャンブラーにとっては魅力的な仮想通貨であり、それはハイリスク ハイリターンのまさに新興国のマネーまた、ベンチャー企業の株式みたいなものであろう。

 ハイリスクについては、裏取引やハッカーによる犯罪、政府の規制があった場合には暴落するだろう。ハイリターンはまだ急成長で、加入者の増加が見込まれる。相場を安定的になるためには、それが投資目的よりも、商品取引の利便さ、手数料の安さが中心になっていくことだろう。

 このビットコインの革命を地域通貨の革命に生かすことは可能だ。

 しかも、ビットコインは投資目的に使われやすいが、地域通貨は商品取引の利便性目的に使われやすいようにできる。

 まず、どの地域通貨も、円やドルなどの世界のどの通貨とも交換可能にし、それはすべて仮想通貨である電子マネーにすることである。

 次に、ビットコインのように電子署名ではなく市中銀行の信用取引を利用することで、犯罪を防ぎ、法律に守られて流通できるようにする。

 第三番目がもっとも重要になる。それは毎日時で激しく変動する為替相場ではなく、一年ごとにゆっくりと調整変動する安定相場にする方式にする。
 その方法は、需要の数だけ供給する電子マネーにすることだ。

 例えば、地域通貨(Tコイン)の総発行額が100万ドル分であり、そのドル相場が、1T=1ドルであったとする。もし、ある米投資家がTコインを1億ドル買いたいとしたら、需要と供給の関係で、1T=100ドルに値上がりし、100倍になる。

 しかし、米投資家の需要に合わせたTコインを1億ドル分追加発行すれば、1T=1ドルで、交換できることになり、相場は変わらず安定する。

 逆に、米投資家の需要が少なくて、100ドル分だけの交換であっても、1T=1ドルで交換できる。なぜなら、Tコインは商品のように造りすぎても腐ることもなく、たくさん流通させようと安価にする必要がないからである。それは貨幣の需要分だけ常に発行保管破棄すれば、為替変動に左右されることはなくなる。

 ただ、通貨の投資額変動ではなく、国の物価変動には対応する必要があり、地域通貨の交換レートは国別の物価指数の変動によって、毎年(中には毎月)調整する必要があるだろう。

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