地域通貨の乱

 「悪法も法なり」とは、「国家の神々を否定し、青年に腐敗と 堕落を吹き込んだ」かどで服毒死を命じられたソクラテスの言葉として知られています。
 現代の悪法は「お金の利子を徴収することを認めている」ことでしょう。その悪法に従って、死に追いやられるのは借金させられた人たちです。

 法の下ではお金を独占的に製造していいのは日本銀行と国だけです。それ以外がお金を製造すれば偽札となり重罪になります。

 しかし、今や銀行が利子による信用貨幣(貸借権)を無限に作り出しており、正しいお金である日銀券とコインよりも、その偽札(利子付き債券)が10数倍も流通し、悪貨は良貨を駆逐しているのです

 そこで、国民の有志が「利子の付かないお金」を自分たちで作ろうとしたのが地域通貨です。しかし、あちらこちらで地域通貨の乱は起きていますが、さっぱり同士が集まらず流通せず、この乱は不発に終わっているのが現状です。

 そこで、「利子の付かないお金」である地域通貨を「利子の付く銀行債権」よりも、もっと流通させることが悪法を善法に改変させる力になります。

 銀行が利子よりあたかも「無から有のお金」を無制限に作り出す方法に対抗するには、地域コミュより「無から有のお金」を無制限に作り出す必要があります。

 この方法は、新商品を作り出して売ることと似ています。

 2つの例を出します。

1,葉っぱをお金にした上勝町事業

 葉っぱはどこにでもあり、それは無料です。無料で葉っぱを仕入れて、有料で小料理屋さんに売ることでお金を創り出すことができます。この場合、小料理屋さんのニーズが無から有のお金を創り出したといえるでしょぅ。

2,韓国のブランド商法

 有名なブランド会社は、市場で安く衣料を仕入れて、そこに自社のブランドの名札をつけてデパートで10倍の価格で売り出す商法(この商法は韓国では違法ではありません)です。

 これも、ブランド会社にとって、そのブランドは無料です。それが、そのブランドの名前を付けるだけで、商品が10倍の値段で売れます。まさに、ブランドは利子と似ているでしょう。ブランドは信用貨幣のからくりとそっくりです。

 この2例の共通点は商品に付加価値を付けることで「無から有」のお金を創り出しています

 お金に付加価値を付けたのが利子です。そのため、その利子は金持ちである投資家にとってのニーズと合わさって、利子が利子を生み出す資本主義社会になっていきました。

 ところが、世界のお金のほとんどが金持ちに集まったために、利子が付くお金は衰退するしかなく、逆に、利子のないお金へのニーズが多くなってきたのです。このニーズこそ、地域通貨という新商品です

 お金も商品も全世界に流通するような力がないと「無から有」のお金は作れません。

 なぜ、地域通貨は100数十人くらいまでの会員しか通用発展しないのでしょうか?

 この原因は日銀券・コイン(法貨)との交換を否定しているからです。信用貨幣が法貨よりも流通できたのは、それが交換できたからです。しかも、その交換率が利子が付いた分高かったからです。さらに、利子は利子を生み出しますので、いわば増殖するかのように、信用貨幣は自動的に世界を制圧しました。まるで新インフルエンザのようでしょう。

 増殖を抑え、予防するのがワクチンです。そのワクチンに地域通貨がなる必要があります


地域通貨でもっとも発展したものは何か?

1.ポイントカード

 1兆円規模に、発展した地域通貨に相当するのが各店で発行される「ポイントカード」です。大型店舗が発行するこのポイントカードはいわば割引を約束するクーポン券です。それはまるで、マイナスの利子が付いたようなお金になっています。
 しかも、気のあった大型店舗同士が合同で使えるようになってきて、さらに発展しています。

 このポイントカードの発想の元は地域通貨だったのですが、それが使える商品が日常の多くのものだった点が大きいでしょう。しかも、買った商品の現金が割り引きされるので、現金→商品との交換があったということも大きいのです。

2.クレジットカード

 クレジットカードがそうだというのは逆の意味です。クレジットカードはクーポンと利子で、世界通貨になっています。
 その原理はその店で商品をクレジットカードで買うと、お店側にクーポンとして0.1%とか負担させ、分割すると利子分を消費者に負担させるという両取りです。

 この市場は世界では何十兆円にもなっているでしょう。
 地域通貨がクレジットカードに勝つには、割引のポントカードとしての機能と、分割されても利子がないカードにすればもっとニーズが高まります。

 利子に代わるメリットが地域コミュ参加・貧富格差是正になるでしょう。
 
地域通貨連合の結成

 小さなアリが集まれば巨大な象をも倒すことができます。

1,クレジット会社と提携

 できれば、共同で、大型のクレジット会社VISAなどを買収するか、提携するかした方が簡単なのですが、それはまったく逆の方針なので無理かもしれません。でも、はっきりとしたビジョンを提出すれば可能だと思えるのです。

 そのビジョンとは

 クレジットカードの割引率を0,1%~1%の10倍にすることで、その収益を10倍確保する。
 そして、その分の分割支払いリスクをカバーし、消費者に利子のない分割の支払いをOKとする。
 さらに、
 契約のお店に対して、無利子の融資ができるようにする。
 例えば、
  あるお店の売り上げが地域クレジットカードで買い物をした場合の売り上げが年間で1億円あったとする。
  すると、その1%である100万円が地域通貨の収益にあがる。そこから、経費を差し引いた利益が50万円あったら、それが利息なしの融資資金になる。
  もっと、融資資金が必要な場合、社債を発行し、日銀にッゼロ金利で買ってもらう(CP)。
  
2,全国地域通貨共通券の発行

 できれば、テレフォンカードみたいなものが便利なのですが、それはさておき、
 地域共同クーポン券を発行します。
 その例は先日ほとんどの自治体が発行したものと同じ形式にします。

 その違いは自治体が発行した地域クーポン券は割引分の10%を自治体の税金で負担するのですが、 この地域通貨共通券は提携したお店が数%負担するのです

 例えば、

 地域通貨共通券の1万円を発行し、消費者に売ります。買った消費者はその共通券で10000円で提携したお店で10000円の買い物をします。おつりは現金ででます。

 お店は10000円の共通券を地域通貨団体にもっていくか、係にきてもらうかで、9000円の現金を受け取ります。

 差額の1000円と、、釣り銭の1割分はお店の宣伝費・集客費になり、地域通貨の収益になります。

 そこから、経費を差し引いた利益が半分500円出たとしたら、それが、利子なしの一般融資金にも、また提携したお店への融資金にもなります。

 つまり、

 利子なしの貸借券が、利子ある貸借権にとってかわることで、金持ちに貯まる利子収益をおさえ、生活困窮者と労働者に利子のないお金が回るようにするシステムにするのです。

 この地域通貨共通券は、今まで発行した地域通貨に共通の印鑑と、管理ナンバーを押せば使えるようにすればいいでしょう。

 そして契約店舗は地元の大型店舗と契約した方が流通しやすいでしょう。

 また、利益があがらない場合は、負担をお店だけにするのではなく、消費者にもすることが可能です。それは商品券のように、11000円で10000円の共通地域通貨を買うようにすれば可能です。これは主にお中元やお歳暮や記念品として、プレゼントするお金に発展させればいいでしょう。

3.新しい地域通貨の考え方

 今まではその地域のみの振興だけでしたが、もともと、地域通貨が発展した由来は、ゲゼルの減価する貨幣の発想からです。それは地域振興が目的ではなく、資本家に搾取されないお金のシステムにするのが本来の目的です

 ゲゼル自身はゼロ金利システムを推奨しています。

 そして、減価する貨幣という意味は、現在の通貨に適応させると、減価は割引クーポンに当たります。
 お金自身を減価させることと、商品の物価を安くすることと同じです。

 また、お金は減価するはずなのに、増価する利子になってしまった幻想社会を真実社会に戻す社会運動です。

 ▼減価する貨幣についての考察

 これはmixiのコミュで書いたことを転機転記します。

>減価する貨幣の世の中では、借金しても、いつのまにか消えてるのかしらん?

 減価する貨幣とは日銀券に対して言われるもので、お金の貸借はできません。
お互いに贈与する関係になります。

 というのは、食料を貸すことはできないでしょう。
 食料は食べられれば消滅し、食べられなくても消滅するので、そのときだけの譲渡と授与の関係しか成り立ちません。

>しかもお金の回りが早いから、すぐに用意できる・・・?

 いえ、減価する貨幣では貸借関係がないので、お金は回りません。
 常に生み出し、消滅していくだけです。

 そのため、そのお金には期間がついています。その期間内だけ加速的に回りますが期間を過ぎると回転は泊まり廃棄されます。

 そのため、
 期間のない日銀券も、利子のある信用貨幣とは本質的にまったく違うものです。

 もし、減価する貨幣で日本を経営するならば、政府紙幣に1年の通用期間をつけ、毎年発行印刷しなくてはならなくなります。

 そして、利子ある信用貨幣も利子のない信用貨幣も必要なくなります。

 そのため、減価する貨幣と日銀券の交換はできないし、併用もできません。まっこうから対立するため、国民がどっちを選ぶか選択しなければならなくなると思います。

 それはまた世界の通貨との関係も同じで、人類がどっちを選ぶかの選択が必要になると思います。

 それでも、減価する貨幣のコミュンを創るとしたら、自給自足の村と同じような世界と断絶した生活をするしかなくなると想像します。

 もし、減価する貨幣と現貨幣との調和をはかるには、減価する分を税収とBI政策に変化させれば、それが可能になると思われます。

 それを実現するためには、今の金儲け資本主義の暴走をまず食い止めなければ、先に進めません。その手始めがセロ金利の法制化だと思うのです。

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地域通貨の乱 への2件のフィードバック

  1. Pika のコメント:

    う〜んそうですか。減価するようになったからといって、
    借金が消えるわけでもないと・・・(^^;)

    やはり日銀券とは大きくちがってきてしまうんですね。

    そういえば、今日スカイプ会議に参加するショーンさんという方が、
    日銀はそんなに悪ではない〜という考えをおっしゃってました。
    また国民配当でどの程度のインフレが起きるのか?とか、
    みなさん詳しい把握を求めてます。

    で、今日ふと思ったのが、全国をつなぐ地域通貨を流通させるのに、
    一番いい団体が、『生協』ではないか?と。

    生協の購入をしてる人も、生産者も、割合とこだわった選択をして、
    流通しています。ここは市場経済とは独立したお店が成り立ちやすいです。
    スーパーに行かないで生協だけで暮らしてる人は多いですよね。
    生協消費者が、自分の仕事を生協に出すことができるようになったら、
    そこで循環できるような気がしました。

    同じように、有機農野菜にこだわって配達してるラディッシュボーヤとか、
    ちょっと高いけど日本の生産者だけで食品を提供してる団体が、
    地域通貨とつながってくれるとありがたいなあ・・・

  2. admin のコメント:

    Pikaさん
    >また国民配当でどの程度のインフレが起きるのか?
    これは、単純に計算できるように思います。
    年に100兆円国民配当したら、GDP500兆円の5/1なので、25%物価があがる。
    でも、
    年に同じ100兆円課税して、国民銀行に吸い上げれば、まったく物価はあがらない。
    お金が停滞せずに回れば、インフレはおきない。

    インフレは国民が税金を納めないから、その分物価で徴収される。
    そんな単純計算しかできませんが・・

    >全国をつなぐ地域通貨を流通させるのに、一番いい団体が、『生協』ではないか

     生協はリサイクルにも積極的ですね。だから一番地域通貨連合には最適だと私も思います。

     基本は食べ物なので、食べ物を提供する全国のチェーンとくむことが、地域通貨連合は欠かせないでしょう。

     いっそこと、食料配給システムを地域通貨BIプロジェクトにしたら、社会変革が起きるかもしれない。

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