夢は真実に裏付けされたものならば100%実現する

 「夢は必ず実現する」

ということが言われる。でも、それが100%ではないことはいうまでもない。しかし、100%信じていいよという意味の応援するメッセージである。

 最近、ダイットをしていながら、気がついたことがある。

「初心を忘れず、初心を毎日貫けば、必ずその結果が出る」

 実は、ダイエットが停滞し、リバウンドしてくるときは、初心「食事は1膳でお代わりしない!」を忘れて、お代わりしていたときえある。でも、もう一度奮起して、初心にもどり、「食事を1膳」にしたら、やはり、体重が減り始めた。

 しかし、それは「一食一膳を実行したら、ダイエットができた」という経験がうらうちされているから可能であったからだ。もし、初心が誤信だったら、けして実現しないという結果になる。

 「夢は必ず実現する」という夢には条件が必要である。

「夢は真実に裏付けされたものならば100%実現する」

 その夢がよいことであれ、わるいことであれ、実現してしまうことになる。もちろん、それは真実に裏付けされた実践をし、初心を忘れず、初心を貫徹した場合である。

 では、今の貨幣システムの初心(夢)はどうだったのだろうか?

 お金の貸借に必ず金利をつけるという初心は、日本銀行が紙幣を印刷し、それを金融機関に貸し出すときから、金利をつけている。それが、市場に出回り、その金利はいわば安く仕入れて、高い金利で売るという商売のようにしている。しかも、国がその金融機関から借りる国債にも金利が必ずつけられる。それが国民にまねされ、最後はサラ金や高利貸しのように高い金利で商売されている。

 最終的に借金をした人は多重債務になって、借金のために借金を繰り返すことになる。そして、借金は借金でふくれあがり、破産することになる。これは単に個人的な多重債務者のことではない、国や地方もまた、この借金地獄に陥っている。先日夕張市が破産した。日本だって、国債と地方債合わせて1000兆円の借金がある。その利息だけでも、毎年数兆円もの税金が必要になっている。それが返済できる金額ではないことも、また、返済計画もないことはあきらかな事実である。

 その返済計画をだし、実践しようとしたのが大阪府知事の橋本さんである。でも、それが多くの議員からも府民からも反対がされて、実現は難しい。大阪府の借金が3兆円もあるというのだから、これはどうあがいても返済できる額ではない。

 そんな借金地獄に陥っているのは、世界の経済を引っ張っているアメリカである。ここ数ヶ月で、アメリカの国債は数倍にふくれあがった。そうなれば、世界的未曾有な経済危機になるのは当然のことだろう。

 国や地方が多重債務者のようになったのだから、どんなに働いても働いても、借金をかえせる見込みはない、それは働くのを放棄させるには十分な理由である。失業者が増え、多くの会社が倒産するのはそのためだといってもいい。彼らを救う国や地方がまた借金して彼らを救おうとするのが景気対策であるから、どだい無理な話である。

 多重債務者が生き残る道は法的に許された破産宣告しかない。それは国や地方でも同じことである。すべての借金をチャラにしてもらって、新たなゼロからの再出発しか生き残る道はない。

 こうした貨幣システムを構築する初心は何だったのだろう?

「このお金を貸すから、この元手にしてもっとお金を儲けて返してくれ。頑張ってな!」

というのが、初心であり、いわば金貸しの慈悲心であった。借金した方はその借金返済だけでなく、自分の生活費そして、その金利を返済しようと必死に働き、経済は活発に動き出す。

 つまり、金利をつけてお金を国民に貸し出すことは、「より働き、より生産し、より生活向上し、豊かな経済社会の実現」が夢であり初心であった。

 そして、その初心を100年貫いたので、その結果が出た。人々はより働き、より生活が向上し、より豊かな経済社会が実現した。でも、その結果は表向きはそうだが、その裏は多重債務者としての国と地方の顔であり、また、無理な拡大再生産をした結果、多くの環境問題、世界の人々の経済格差拡大をも生み出した。

 このことは、初心の夢が真実にうらづけされていない夢だったからである。より働き→より環境破壊、より生活向上→より経済格差拡大、より豊かな社会→平和より戦争 という真実社会を生み出したのである。

 つまり、他人よりもっと働き、もっと生産し、もっと豊かになろうという夢は真実から逸脱した夢であったために、実現できなかったのである。しかも、その無理な夢を後押しした、貨幣システムが金利をつけて貸し出すこと自体、お金がお金を生み出すという盲信と錯覚をふくれあがらせてしまったのである。

 もし、1万円札を机の上においてそのままにしたら、それが自然に金利が付いて、1万円札が2万円にはならないのは真実である。それがたとえ、商売に使われても、財布の中の金が増えることはありえないことである。増えることはないが、それが災害で燃えたり、なくしたりすることはあるので、減ることだけがある。

 科学的真実からいえば、印刷された貨幣はそれ自体ではけして増えることはない。しかし、時間がたつと、それは紙であるので、必ず劣化し、書かれた数字も見えなくなり、最後は必ず消滅する。

 金利をつけてそのお金を増やして返してもらうこと自体が無理なことである。しかも、お金を貸して返すこと自体無理なことである。金利ゼロにしたとしても、AさんからBさんにその1万円札がわたり、それがCさんに・・・Dさんに・・・というように、まわり、Aさんに奇跡的にその1万円札がもどってきたときには、Aさんから直接の返済ではなく、Zさんからの無利子で、借りたお金になるというのが貨幣の真実である。

 つまり、お金の貸借というのはお金を社会全体にめぐらせるという意味であり、貸したお金は貸した相手から返済されるという約束でなく、お金を誰かに貸したら、誰かにお金を貸してもらえるという暗黙の約束みたいなものである。

  これが貨幣の科学的真実である。その真実にのっとって、豊かな経済社会を築こうとするなら、100%実現する。

国や社会がこの100年間むやみやたらと戦争し、環境破壊し、経済混乱させたのは、こうした貨幣の科学的根拠なしに、築き上げた盲信と幻想と錯覚と誤解から生まれた結果である。

 そのため、

「夢は真実に裏付けされたものならば100%実現する」

 ことを実践するなら、

「必要なだけ働き、必要なだけ生産し、世界全体の平均的な豊かさを私は実現しよう」

とし、金利はゼロは当然であり、お金を貸せば必ずその分のお金は借りられるという保証を政府がつけたら、この夢は100%実現する。 

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