40年前の私に会う

40年前に始めて入社した会社の現社長と会う。

場所は大井町の駅前の『きゅりあん』の一階の小ホールのイベント会場だった。

電車に乗ったのは数年ぶりであり、車内の広告の『青年海外協力隊とシニア海外ボランティア』という対照に、青年の時参加したかった協力隊とシニアになった私でも参加できそうなボランティアに 40年の歳月を感じた。

現社長は昔私が三ヶ月の短期アルバイト大学生でやってきた後輩で、ちょうど入社して4年目、もう自分ができる役目は終わったと感じ、彼に正社員にならないかと持ちかけ、仕事をバトンタッチした相手であった。

このイベントの主催を昔の私も担当していたことを思い出した。

大井町駅前に大きく『きゅりあん 品川区綜合区民会館』とそびえ立っていたので そこの地下一階のイベント会場と聞いていたので すぐに行けるかと思いきや なんと迷いに迷い20分もかかってようやくたどりついた。

真正面が二階のヤマダ電機でその店内のエスカレータで一階につくと西友の大きな食品売り場、さらに地下の小ホールへ行こうとしてエスカレータや階段を探したがなく、店舗内をウロウロし、出入り口の案内看板で小ホールを探したら地下ではなく同じ一階にあり、通路もあるらしくウロウロしたが、見つからず、また西友玄関の案内図を見つめると、外に出て回るとその入り口があると書いてあり、しばらく外周すると、中階段を上がった小さな入り口があったが、「イベント会場がこんなに小さいはずもないし、それに誰も出入りしていない、まさか??」と思いつつも、その先、大きな出入り口はありそうにないので、とにかく 確かめてみようと階段を数十段上ってドアを開けた。

「あった!」

右側に小ホールと書いてあった。だが、そこで何をしているのか、まったく看板がない! 受付という文字があるが、そこの何の受付かも書いてない! 一体そこで何をしているかが確かめたくて、恐る恐る右の回り込み会場の重いドアを開くと、スライドによる講演会をしており、そこに聴衆がバラバラといた。その内容をみて、この会場で間違いなしという確信をもって、彼を捜した。

彼は受付の真ん前のソファーでいろいろな人と歓談していた。

この品川区綜合区民会館が現『きゅりあん』(集会所を意味するラテン語キュリアの造語)になるまでの40年の変貌してきた歳月を感じた。

特に、公共 会社 住民 一般人の関係の日本全体の変化がそこに集約して表れているように感じる。

家に帰って ネットで『きゅりあん』を調査してみた。

なんと 二階が受付で、一階が小ホールとなっていたのにはびっくり

実際は二階がヤマダ電機で、一階が西友としか どうみても見えないのだ。

 

彼からの電話から 私は、『きゅりあん』とは一階のヤマダ電機の地下一階にあるイベント会場の名前だと勘違いしていたのだ。

彼は40年前の自分の姿であり、『きゅりあん』は40年前の品川区綜合区民会館であった。シニア海外ボラティアは40年前の青年海外協力隊の姿でもあった。

こうして 私は40年前の自分と社会に出会ったのである。

 

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