浄土宗 清岸寺45代住職 原口正弘和尚が亡くなった
先月9月24日に66歳、肺ガンと長年闘った末のことだった
平成27年10月23日 午後1時から 本葬が行われる。
原口正弘和尚は大正大学の国際仏教研究所(IBI)の私の先輩であり、私が作った尺八を愛してくれ、生涯にわたって何かと縁があった和尚であった。
彼は僧侶以外に、尺八や地元の江戸和太鼓の達人として活動していたため、金八先生のソーラン節を思い出す
彼と一緒に尺八を吹いたこともある
原口和尚の清岸寺は隣町の幡ヶ谷にあり、ホームページ清岸寺もある。
その住職放談・・
ある寺の法嗣である小学生のお子さんのことです。
このお子さんは運動会でいつもビリばかりだったそうです。
ある年の運動会で2等賞をとって帰ってきて、「おじいちゃん、おじいちゃん、ぼく2等だったよ」と、それこそ得意満面でした。
おじいちゃんはよろこんで、「それはよかった。2等か。よかったな。」 と3べんほどいったあとで、「だがな坊、おまえは将来やがて坊さんになる。ビリになった子のこともわすれてはいかん」といったそうです。
ビリになった子のことまで考えられる人間になってほしい。
勉強が少しくらいできなくたっていい。
ただ社会の底辺のことまで考えられるお坊さんになってくれればいい。
これが一番じゃないかな。
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加藤日出男が「美しい花を見て根っこを思う人は少ない」として「若い根っこの会」を創設した信条
そして今も敬愛してやまぬマルセ太郎の「記憶は弱者に在り」とする芸道心にも通じるものであろう。
清岸寺には「しあわせ地蔵」が奉られている
安藤 寛のしあわせ地蔵を連想するが作者は女性の芸術家である
また 同じ浄土宗の小林良正尼僧の「ほほえみ地蔵」を思い出す
そんな心をたくさん持っていた
原口正弘さんは本当に優しく愛に溢れた和尚さんでした。