生まれ変わりを信じる者は救われん

10代の頃、近くの教会の信徒になろうとした時、パブテスマ(洗礼)を受けるにあたって、信仰告白をしなくてはならなかった。

洗礼をヨハネから受けるイエス2

その信仰告白の内容は

我らは信じかつ告白す。
旧新約聖書は、神の霊感によりて成り,キリストを証(あかし)し、福音(ふくいん)の真理を示し、
教会の拠(よ)るべき唯一(ゆゐいつ)の正典なり。されば聖書は聖霊によりて、神につき、
救ひにつきて、全き知識を我らに与ふる神の言(ことば)にして、信仰と生活との誤りなき規範なり。
 主イエス・キリストによりて啓示せられ、聖書において証せらるる唯一の神は、父・子・聖霊なる、
三位一体(さんみいったい)の神にていましたまふ。御子 (みこ)は我ら罪人(つみびと)の救ひのために
人と成り、十字架にかかり、ひとたび己(おのれ)を全き犠牲(いけにへ)として神にささげ、
我らの贖(あがな)ひとなりたまへり。
神は恵みをもて我らを選び、ただキリストを信ずる信仰により、我らの罪を赦(ゆる)して義としたまふ。
この変らざる恵みのうちに、聖霊は我らを潔めて義の果(み)を結ばしめ、
その御業(みわざ)を成就(じゃうじゅ)したまふ。
教会は主キリストの体(からだ)にして、恵みにより召されたる者の集(つど)ひなり。
教会は公(おほやけ)の礼拝(れいはい)を守り、福音を正しく宣 (の)べ伝へ、
バプテスマと主の晩餐(ばんさん)との聖礼典を執(と)り行ひ、愛のわざに励みつつ、主の再び来りたまふを待ち望む。
我らはかく信じ、代々(よよ)の聖徒と共に、使徒信条を告白す。
我は天地の造り主(ぬし)、全能の父なる神を信ず。我はその独(ひと)り子(ご)、我らの主、イエス・キリストを信ず。
主は聖霊によりてやどり、処女 (をとめ)マリヤより生れ、ポンテオ・ピラトのもとに苦しみを受け、十字架につけられ、
死にて葬られ、陰府(よみ)にくだり、三日目に死人のうちよりよみがへり、天に昇(のぼ)り、
全能の父なる神の右に坐(ざ)したまへり、かしこより来りて、生ける者と死ねる者とを審(さば)きたまはん。
我は聖霊を信ず、聖なる公同の教会、聖徒の交はり、罪の赦し、身体(からだ)のよみがへり、
永遠(とこしへ)の生命(いのち)を信ず。
アーメン。

「イエスが蘇った」ということだ。科学教育を受けた者にとって、人間が死んでまた生き返ることも、永遠に生き続けることができるということも信じることはできない。だが、どうしても信じることができなかったことが

そのため、キリスト教信徒になることはあきらめた。

それから50年後の今、また、この蘇りの問題が起きた。

イエスは私たちと同じ人間であり、イエスだけ蘇るということは信じられないが、どんな人間もみな蘇ることができるということは 毎年麦の芽が出て、花を咲かせ、実り、そして枯れて種を残し、翌年また芽を出すという姿を見るかぎり、人間も植物と同じ命の産物であるのだから、素直に信じられることである。

ただ、問題はイエスか私か、その他何十億の人間の自己が完全に蘇るかというと、時間を戻せないように、昨年の麦の種と今年の麦の種の微妙な差こそあれ、まったく同じ種は生まれ得ないことは確かだ。

だが、そんな自己の極微の差など、問題視するほどのことではなく、そっくりそのままで、生まれかわった自己として承認してもいいのではないか、また、生まれかわると信じてもいいのではないだろうか。その差が微妙だから、むしろ、生まれかわらないと信じるよりははるかに真実に近いといえる。

基本的人権はすべての人間に必要であるとする法律のように、自己の生まれ変わりを信じた方がより人間らしい判断ができる社会生活を営むことができるだろう。

「イエス・キリストを信ずれば救われん」ではなく、

「自分を信ずれば救われん」であり、

自信を持って生きることが救われることになるといえるだろう。

 

いろいろな宗教があり、それらの言葉や経典を信じても、逆に迷信と盲信により、殺し合いにまで発展するほどの苦悩と悲惨に巻きこまれることが古今東西で証明される事実でもある。

大事なことは「何を信ずれば救われるのか?」である。

賛美歌424番

「ただ信ぜよ、ただ進ぜよ 信じる者は誰も皆救われん」

信ずべきはイエスでも、神でも、仏でもなく、

「人は誰も皆自己を持って生まれかわっていく」

「愛する人を失ってしまっても、また生まれてこの世に帰ってくることを」

「自分が死んでも、また、すぐに生まれかわって、赤子からやり直しことができることを」

「どんなに失敗し、命を失ったとしても、また成功するために、蘇ってくることを」

信じて、けして疑わなければ、

必ずその人は救われて、幸せな生活を過ごすことができるだろう。

 

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