土地と金

 今、土地と家を買おうか、借りようか迷っている。

というのも、借りたい家が売り物件だからだ。そこで、借りる交渉をすることに決めた。

私自身の収入の多くは不動産からきて、労働からの収入はわずかだ。その比率は3:1である。

もし、不動産収入がなかったら、とても家族は食べていけない。もし、お金が労働の対価としてだけ与えられるとしたら、今の時代は生きていけない人が多いだろうと思う。

 お金のシステムを考える上で、不動産をどのように扱ったらいいのかが、今一歩よくわからないでいる。

というのは、お金を食料とすれば、お金を単に分配券にすればいいだけだが、お金を土地とすれば、分配券というわけにはいかないのである。もし、地球を地球人類65億分の1に分配しても、それはまったく意味をなさない、土地は都会にいくほど高価になり、過疎にいくほど廉価になるので、面積で分配するわけにはいかないのである。

 国と国の違いは地形にあるのではなく、人と人の縄張りの違いである。動物の縄張り争いとそう変わらない。この縄張りというのは所有権の争いでもある。お金が所有権であれば、北方領土だって、お金で解決できるはずだが、それができないのは、土地はお金では買えないという意味になる。

 そのため、土地の問題は人と人のコミュニケーションの問題だと思われる。都会の土地が高いのはコミュニケーションが大きいから高くなるのではなかろうか。

 私は今過疎地に住んでいるが、もっとも大きな問題は近隣とのコミュニケーションの問題になっている。そこが住みやすいか、働きやすいかは近隣とのコミュニケーションがいいかわるいかで決定されてしまうように思えるからだ。

 お金とは何か?といった場合、それは言葉・手紙・約束・契約といったものになると思ったことがあるが、それはむしろ、土地に対していえることのように思える。

 お金とは価値を表す数字であるから、土地の値段はコミュニケーションの力の大小になるといえるかもしれない。

 と同時に、土地とは生きるものたちのコミュニケーション環境であるといえるだろう。

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