痛み10* アルコール依存症から見えてくるもの

アルコール依存症ではないかと思える友人に二人いる。先日の仰天ニュースではそのメカニズムを再現ドラマ仕立てで解りやすく説明している。

http://dai.ly/x4sbwgb

飲んだアルコールは

肝臓で分解され、吐き気や頭痛など 不快な症状の原因 アセトアルデヒドが発生する。

それが肝臓内にある酵素で分解され 体に害のない物質になるが、酵素の活性が高い人程 酒の強い人になる。

 

酔いのメカニズム

 

1.ほろ酔い

 

2.酩酊初期(理性を司る前頭葉が麻痺し、 本能や感情むき出しに)

 

3.酩酊期 運動機能低下し、千鳥足になたり、何度も同じことを話す。吐き気 嘔吐。

 

4泥酔期 延髄以外ほとんど脳全体が麻痺し、まともに立てない。言葉がめちゃめちゃになり、記憶を司る海馬が麻痺 し、今起こっていることが記憶できなくなる(それは記憶がなくなるのではなく、記憶が作られなくなるという意味だ)

 

依存のメカニズム

 

酒を飲んで楽しくなるのは

快楽を生み出すドーパミンという物質が分泌されるからであり、飲み続けると 少しのアルコール量では分泌されず

徐々に量を必要とする。脳で、『アルコール=楽しくなる』と記憶され、それが依存へとなっていく。

 

1.酒を飲む機会がなくても  飲みたくなる 習慣飲酒

 

2.迎え酒 二日酔いが治ると言われるのは実は大きな間違いで、アルコールで感覚がマヒするだけ

覚えると 問題飲酒の始まり、二日酔いし、楽になろうとまた酒に頼る

 

3.都合のいい理由をつけて ついつい飲んでしまう。飲んでいけない場所でも我慢できなくなる

コントロール障害 時間や場所をわきまえず飲んでしまう

 

4.自己嫌悪 やめようと思うがやめられず罪悪感

 

5.淋しさやストレスで 再びアルコールに人生が壊れていく。アルコール度数が高くなるものへ変わる

 

6.飲むこと以外何もしたくなくなる。引きこもってしまう。気を失うまで飲み続け。ブラックアウト。

 

 

アルコール量による脳の変化

 

1.理性を司る前頭葉が麻痺し、大見得をきったり 感情表現が豊かになる

 

2.身体の動きを司る小脳が麻痺 うまく歩けなくなったり ろれつが回らなくなる

 

3.記憶を司る海馬が麻痺 記憶できなくなり 気を失う事も これがブラックアウト

 

4.呼吸中枢が麻痺 最悪の場合 死に至る事も

 

5.離脱症状 体に異変 目が覚めると手足が震えだし 大量の汗

離脱症状はアルコールでピタリと止まるので アルコールが切れることを恐れアルコールを持ち歩く

 

6.不眠 幻覚 幻聴 酒以外ほとんどとらなくなるので栄養障害に陥ることも

 

7.脳の前頭葉が萎縮 γ-GDP(幹細胞がアルコールで破壊されたときに発生する酵素)

正常値は30iu/L 以下(男性は80IU/L以下)

 

100iu/Lを超えると脂肪肝や肝炎の病気になる。

 

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この依存症のメカニズムは喫煙のニコチン、麻薬などにも適用できるのは、

依存症へと変るスイッチが『アルコール=楽しくなる』であったように、『ニコチン=快くなる』『麻薬=とても楽しくなる』という記憶が固められるといえる。

 

依存症は『それ』無しでは生きられないという妄想・迷信・盲信によって起こる

 

そのため、宗教や政治、軍隊やギャンブルなど、精神的なものにも起こり得るのである。

 

『依存する対象(それ)=楽しくなる・快い』という盲信スイッチによって依存症が起こり、また、権力によって、そのスイッチを催眠術や洗脳で作りだし、人心をロボットにように支配することもできてしまう。

 

それは筋肉を代表にして想定すれば、

 

苦楽とか、痛い快いというのは、脳の信号の強度とも言え、

強すぎると苦しいとか痛いとなり、適度だと楽しいとか快いとなる。

まったくない刺激だと無反応、無関心ともいえよう。

 

『適度な運動刺激=楽しくなる・快い』というスイッチは良い習慣を造り、健康を維持するが、

『過度の運動刺激=楽しくなる』また『無運動刺激=楽しくなる』という盲信スイッチは怪我や病気・依存症を引き起こすことになるともいえよう。

それはまた、

脳の『何に楽しくなる』かというスイッチを健全に調整することで、病気や依存症を健康へと導くことができるということでもある。

 

 

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