★高齢者学級の資料
2016年2月16日 ドクターK
***目次***
1.腱引きとの出会い
2.すべての病気の原因は足だった
3.骨格筋萎縮の原因は靴だった
4.骨間筋ケアの実践
1.腱引きとの出会い
私は50年間腰痛に苦しんできました。
西洋医学では、痛みの原因を炎症と考えますので、いろいろな消炎鎮痛剤を試してきましたが、殆ど効果はありませんでした。
ところが、3年前腱引きに出会い、長年苦しんできた腰痛が一撃改善したことに強い衝撃を受けました。
しかも、腱引きというのは日本の伝統療法で西洋医学よりも歴史が古く、効果があるにも拘わらず、絶滅寸前だったということが分かり、更に衝撃を受けました。
この時、この素晴らしい伝統療法を復活させることが私の天命だと自覚しました。
同時に、痛みの原因は炎症ではなく、必ず別のメカニズムがあるはずだと直感し、腱引き療法の秘密を解明すべく研究を始めました。
1年後、腱引きで痛みが改善した理由は、腱紡錘の刺激によってブレーキが解除され、可動域が広がり、その結果痛みが消えることが分かりました。
すなわち、痛いから動かせないのではなく、それ以上動かすと筋肉が損傷するので、痛みというブレーキを掛けて筋肉を保護していたことが分かりました。
ただ、一度ブレーキが掛かるとなかなか自分では外せないので、施術を受けてブレーキを外してもらう必要があります。
更に、病気とは何か、どうしたら健康を維持できるかなどについて重要なヒントを得ることができました。
西洋医学では、痛みは不要なもの、悪いもの、直ちに取り除くべきものとして鎮痛剤を服用したり、駐車したり、手術したり、人工関節を入れ替えたりします。
一方、腱引きを始めとするホリスティック医学(全身的医学)では、痛みを含めた症状は人体の恒常性を維持するために必要なもの、有難いものと考え、痛みを利用して診断と治療をしていることが分かりました。
こういう全く逆の考え方に出会えたことが、私にとって絶好の転機となりました。
次の表のように、西洋医学とホリスティック医学を比較することで、目からどんどん鱗が落ちて、真実が次々と見えてきたのです。
ホリスティック医学と西洋医学の比較
ホリスティック医学 | 西洋医学 | |
発想の元 | ポジティブ | ネガティブ |
痛みなどの症状についての考え方 | 良いもの・生理的反応と考え、取り除かないで利用する | 悪いもの・不要なもの・直ちに取り除くべきもの |
例:腰痛の原因 | 筋肉を保護するための警告 | 椎間板ヘルニアの神経圧迫・椎体周辺の炎症 |
人体を見る方法 | マクロ的に全身を見る | ミクロ的に細かく分析する |
人体のとらえ方 | 張力統合体(テンセグリティ)として全体を見る | 骨の廻りに筋肉という部品を取り付けたロボットと考える |
診断方法 | 痛いところだけではなく、患者さんの全身に直接触れて診断 | 痛い場所の画像診断を重要視 |
治療の主体 | 患者さんが主体・医師は治療のお手伝い | 医師が主導・患者さんは医師の指示に従う |
治療の仕方 | 自然治癒力を引き出すための手伝いをする=真の治療だから副作用無し | 合成化学薬品の投与、局所的な処置、手術=対症療法、副作用有り |
治療の効果 | 真の原因を取り除くので完治 | 結果を変えようとするので却って長引いたり、悪化したりする |