何故、足が大事なのでしょうか?
実は、足を施術した時に外反母趾の方が非常に多いのに気付きましたので、先ずその原因を探しました。一般に、外反母趾は靴により外側から物理的に締め付けられることが原因だと言われています。それも重要な理由のひとつでしょう。
しかし、足の骨間筋の萎縮により、足の横アーチが保つことができず、横に広がることが真の原因だということが分かりました。
この横に広がった状態を開帳足といいます。これに対して、縦アーチが消失した足を偏平足と言います。これも骨間筋の萎縮が関係していますが、ここでは省略します。
ここで、初めて骨間筋が最も重要だということが分かりました。
骨間筋は深いところにあるので普段触ることがなく、今までその重要性に全く気が付いていませんでした。
では、何故、骨間筋が萎縮すると腰痛になるのでしょうか?
私たちは日本の足で立ったり、歩いたり、走ったりしますが、そのためには十本の指が充分に働くことが必要です。その精妙なコントロールをしているのが骨間筋なのです。
下記の図のように、MRIで足の断面を見るとかなり広い部分が骨間筋で占められているのがわかります。このことから、いかに骨間筋が重要な働きを担っているかということが分かると思います。
実は、人は本来、骨間筋とアキレス腱(ヒラメ筋の腱)を使うだけで、疲れずに長時間、長距離を歩いたり走ったりできるのです。詳細は省きますが、人の足には驚異的な素晴らしい機構がたくさん備わっているのです。
しかし、骨間筋が萎縮すると、脳が足の状態を正確に把握できないため、最適な筋肉使うように指令を出すことができなくなります。その結果、ふらつくようになり、バランスをとるために、本来使わなくても良いはずの下腿の筋肉を疲労させてしまいます。そのため、疲れ易く、こむら返り、腰痛、股関節痛、膝関節痛などが出現し、最後には歩行不能となってしまいます。
外反母趾の方はもともと骨間筋が萎縮している上に、十本の趾をうまく使えないので歩行障害が早くきつく出ることになります。
今、寝たきりの高齢者の増加が深刻な問題になっています。
一般的には、老齢化により下腿の筋力の低下が歩行障害の原因と考えられているようですが、真の原因は骨間筋の萎縮です。
骨間筋が正常に働かなければ、いくら下肢の筋肉を鍛えても、筋肉をうまく使うことができません。従って、寝たきりを防ぐことはできないのです。そればかりか、筋トレの最中に事故を起こす危険性が大きくなります。筋トレに労力と時間を費やすよりも骨間筋を鍛えた方が遥かに効果があります。
人体は素晴らしい精密機械です。車やパソコンは使えば次第に消耗し、耐用年数を過ぎると新品に取り換えなければなりません。しかし、人体は使えば使うほど性能がアップします。使い過ぎても自分で修復してしまいます。
脳も手足を使わないから萎縮して歩けなくなったのが実態なのです。メンテナンスが良ければ限界はないのです。
非常に多くの方が誤解しているようですが、老化が原因で歩けなくなったのではありません。骨間筋を使わないから萎縮して歩けなくなったのが実態なのです。
とかく、足という素晴らしい道具を持ちながら、骨間筋を使って歩かないから身体も心も老化が進むのです。骨間筋を鍛えて歩き続ければ、一生健康で過ごせるのです。
高齢化社会が抱えているもう一つの大きな問題は、認知症の増加と言われています。実は、認知症も老化が原因ではありません。CTで脳が萎縮したとか、脳の細胞内にアミロイドが沈着したとかいうのはすべて結果を見ているだけです。
歩かないから脳の活動が低下しただけで、そもそも、認知症という病気は存在しないのです。骨間筋ケアで歩けるようになれば、身体も心も可動域が広がり、脳は再び活性化し、笑顔が戻った例はたくさんあります。
年と共に老化するというのは幻想です。もう老化は怖くありません!