古代小麦は英語で、スペルト小麦 spelt wheat というが、それはドイツ語の dinkel の英訳である。
この古代小麦は近年麦アレルギーがないということで、ドイツで注目され、栽培されるようになった。
ビール好きのドイツ人だから、この 古代麦で、ビールまで作って 飲んでいる。その古代麦の農場のドキュメントがあった
古代麦は日本のウイキペディアにはなく、ドイツのウイキペディアにスペルト小麦として掲載されている。
日本では、古代小麦を製粉して販売している愛知県西尾市にある水車で粉を引いていた明治からある西尾製粉社が
「スペルト小麦の教科書」として説明している。
そこからリンクしていたカリョーでスペルト小麦25キロを注文したら、スペルト小麦粉がきてしまったので、種と交換ができないというので返金していただいた。
やむなく、ネットで、
古代小麦を栽培している長野県の麻績(おみも)村の地域おこし協力隊の「おみも」に連絡して
古代麦の種を分けてもらおうとしたら、断られた。
日本で唯一古代麦を栽培している大地堂さんと知り合いで、その種を分けてもらう際、
生産しても販売や譲渡はしないという約束があったためだと解った。
その大地堂でも古代小麦の種は販売していないので、
ドイツのアマゾンの海外通販に10キロ55€で売っていたので、それを送料込みで328.05€で購入した。
二週間以内に届くようなことを書いてあったが、はたして今年11月に種巻きできるか、待ちの状態だ。
私は梅雨入りする6月に、小麦を収穫し、陸稲種を播くのを同時に行っており、
古代小麦の実る時期が遅れると、陸稲の種まきの時期を失ってしまう。
今は早く6月に確実に実る品種「にしのあかり」を4年間栽培しているが、他の品種は遅いのでそれを懸念していたら、
なんと古代小麦を黄色く実る前の緑の穂で収穫して、粉にせず、お粥にすれば美味だというグリーンスペルトもあるというから、実に好都合な古代小麦である。
今、「健康は自然の中にある」というテーマを追及する余生であるが
この古代小麦の種はなんとノアの箱舟があったとされるアララト山の谷で発見され、
それが6000年前のものであり、栽培されていたというから、ロマンが膨らむ。
人類は小麦や稲を収穫量を増やしたり、加工しやすく、また美味しくするために、
なんども品種の改良をしてきた。今では除草剤に耐える品種として、放射線により遺伝子組み換えをして品種改良している。
だが、そうした品種の改良で得たものは、小麦アレルギーで、それが食べられない人も増えてきている。
ところが、古代小麦にように、少しも品種改良されなかった古代小麦は小麦アレルギーを起こすことなく、食べられている。
それは、進化という「よりよく」という人類のあくなき欲望が、自然から遠ざかり、そして病と飢饉に侵されていく退化ではないだろうか? そんな大きな疑問を抱かせてくれるのが、この古代小麦ディンケルである。