なぜ母親が孤独と不安にかられるのか?
人類に一番近いチンパンジーは母が子につきっきりで5年間子育てをするが、孤独感に苦しむことはない
人類とチンパンジーが進化で分かれたのは700万年前、
アフリカ カネルーンのバカ族(森を移動する人)9家族55人は狩りをしたり、木の実を採取して太古の生活そのまま今も暮らし、沢山の子を毎年産む。
チンパンジーの子育てに費やす5年に一度しか出産できないが、人類は毎年産める進化をし、多くの子を産んで繁栄できるようになった。
しかし、育児をしながら次々と出産できる仕組みが必要になった。その育児スタイルは今のバカ族に残っている。
自分の子も他人の子も同じ家族として、預かったり、乳をあげたりして、共同養育する子育てをするのは人類だけである。
しかし現在日本の核家族率8割社会になると、その共同保育ができなくなり、母親一人で育てなければならなくなってきた。
そんなことは人間にできない。できるようには作られていない。
そうした傾向はここ100年であり、共同保育が難しい社会は人類の危機ともいえる。
赤ん坊の夜泣きが一番母親を苦しめるが、
夜泣きは胎児のころ、起きて活動するときに、たくさんの酸素を使うために、
昼活動する母親に負担をかけないよう 夜間に目を覚まして酸素をとりいれる。
それが生まれてからも、残っているために夜泣きをする。
夜泣きするのは人間だけ、700万年前人類が二足歩行をしてから、骨盤が狭くなり、頭も体の小さいときに産むようになった。
そして、主産後も10年もかけて成長していくようになった。
それが、夜泣きなどの不可解な行動がおこされるようになってきた。
2歳から始まるイヤイヤ期は、自分の欲求を我慢できずに、暴れたり、大泣きしたりする。
我慢できる抑制機能は脳の前頭前野にあり、欲求は脳の中心分野で生まれる。
まだ前頭前野の脳が発達しないと、自分を抑制できないので、イヤイヤが起こる。
前頭前野の発達は思春期までかかると知れば、どう子と対処していいかが解る。
母性は経験の中でゆっくりと育ってくるもので、本来あるものではない。
妻が夫にイラつく理由がある。
出産時、子宮を収縮させたり、産後授乳のため乳腺を収縮させるため、
脳下垂体からでるホルモン オキシトシン は筋肉を収縮させる作用がある。
オキシトシンは我が子やパートナーねの愛情を深める作用と同時に、攻撃を強くする作用もある。
オキシトシンは愛情や絆を邪魔する相手に対しては攻撃性を強める働きをする。
たとえ、夫でも育児に非協力的だと攻撃の対象になり、夫婦関係の破たんを招くことがある。
それは自分の子供を守るための戦略でもある。
人類は進化して、本能的に共同保育で繁栄してきたが、
現代日本の母親環境はその進化を退化させているために大きな事件や事故が起きている。
一体子供は誰のものだろうか?
それが母親や夫婦もものではなく、まわりの社会全体のものという人類進化の意識があったなら
金持ちの子と貧乏の子の区別も、正妻の子も、愛人の子の区別もないし、
まして父母による児童虐待も、待機児童問題もないだろう。
母親が不安と孤独に陥るのは、人間らしい、共同保育への導きであるともいえよう。