自然消滅するお金でしか経済は永続できない

減価システムとベーシック・インカムの根本的理解

 人と減価システムに基づいて話しをすると、その減価システムに対する根本的理解の相違があり、それがどんなことであるのかが、理解されていないことに気が付くことがある。

 また、ベーシック・インカムについても、その理解が単なる社会主義のように誤解されてしまうので、かなりの反論がされてしまう。

 そうしたかみ合わない議論の根本にあるのが、今のお金が中央銀行制度によるシステムを肯定しているために生まれてくる。

 因果応報というように、原因があるから結果がある。
 どんな現象も、その原因がある。その原因をとりのぞいてしまうと、現象における議論上の食い違いは消え去ってしまうものである。
 
A,因果応報

 原因があるから結果がある。
 もし、その原因を取り除いてしまうと、その結果は消滅する。

もし黄色のメガネ(原因)をかけて青い世界(真実)を見ると緑の社会現象(結果)が見られる

 もし黄色のメガネをはずして、真実の青い世界をみると、真実と同じ青い社会現象が見られる

 もし、真実の同じ青色のメガネをかけて、真実の青い世界をみると、真実の青い世界と似た社会現象が見られる

 

Bメガネとは心(思いこみ)である

人は心と体を持つ。心のない人はいない。
心の核心は自我であり、
また、その人が信じる世界である。

人が心を失ったら、人でなく、死人であって生きている人ではない。
それ故に、
仏教のような
 滅心、無我、無心になることは不可能である。

我々がより真実の世界を見るためには、
 真実に合わせた心の眼で真実の世界を観ることである。

C お金が永遠不滅であるという思いこみ

神仏を信じる宗教は、まず永遠不滅の神仏を信じることから始まる。この不死である神仏の存在を信じないと、その宗教世界の教義も儀式も一切信じられない。

そして、この世に永遠不滅な存在はないので、この世の真実の世界とはかなりちがった宗教世界が生まれる。

この神仏の神の信仰と同じく、お金の永遠不滅の存在を信じた経済社会は、真実の世界とはかなりちがった経済世界が生まれる。

それが、世界中が信じて疑わない中央銀行制度である。

D 永遠不滅のお金のみ貸借ができるが・・

もし、永遠不滅のお金を銀行が国(国民)に無利子で貸したら・・

銀行には法的にお金を返済を強制する債権しか存在しなくなる。

もし、永遠不滅のお金を国が返済したら・・・・

国民は一切の商品の流通も生産も不可能になる

それ故に、
永遠不滅のお金は銀行と国民で貸借できるが、経済行為は不可能である。

そのため、
 経済行為が可能になるためにはお金の貸借ではなく、お金の贈与でしかない

しかし、
 永遠不滅のお金を銀行が創造し、国民に贈与し続けたら、永遠不滅のお金はけして消滅しないため、
 大量のお金がゴミになってしまい、ハイパーインフレを起こした経済があっという間にできあがり、経済生活は不可能になる。

 よって、永遠不滅のお金の贈与経済は継続不可能である。

 そのため、
 永遠不滅ではない貸借の利子を付けて債権だけやりとりするが・・・

上記の図で解るように、何故すべての銀行が信用創造でお金をいくらでも作り出せるのかは、この貸借が利子だけの増殖で成り立つ経済社会だからである。

 お金は貸借して元金も利息もけして返済できないため、利息の利息の利息といういう永遠の繰り返しの増殖している間だけ経済が活動するが、最終的にその利子も元金も返却できなくなり、不良債権も増大し、倒産する国や自治体や企業が増えてくるのは宿命である。

 この貸借経済で唯一生き残るのは国民のうちの「永遠不滅のお金の所有者=金持ち」であり、その金持ちは自動的にさらに債権を増やし、世界のほとんどのお金を持って、一番の権力者になる。

 しかし、これは、永遠不滅なお金によって生じる貸し借り経済であり、それは経済の硬直化を生み出し、その幻想が明らかになって、崩壊する。

E 自然消滅するお金でしか経済行為は永続できない

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