依存症からの脱却7/勝っても負けても

パチンコの泥沼に入り込んだ時の心境は

勝てば嬉しくて またやり、負ければ悔しいので、またやる。

結局、パチンコ屋に儲けさせるだけで、その分損するのは

「わかっちゃいるけど、やめられない」

勝てばもっと儲けられると、負ければその分取り戻さねば気が済まないので

またやる。欲望は得られればもっと欲しくなり、得られなければまた挑戦しようとする

足るを知って、そんな欲望を捨ててしまえば楽になるのは

「わかちゃいるけど、捨てられぬ」

延々と続く、終わることのない欲望の連鎖は「終わる」ことを赦さない。

ヘビースモーカーになった時もそうだ

始めて煙草を吸った時は、その苦さと不味さで、吐き出した。

でも、周りでは美味しそうに吸っているのをみると、

本当に美味しいのか? 試したくなる。

二度目もマズイと思ったが、最初ほどの苦みは感じない。頭がくらくらするが、

なぜか、また吸って試したくなる。その繰り返しをすると、いつのまにか、

吸えば心地よく、吸わないといらいらする。だが、吸い過ぎると胃がムカムカし、気分がおかしくなる。でも、吸わないとイライラする。イライラを止めようとして吸い、吸っているときだけ安心して気持ちよくなる。

24時間吸っていないと、イライラは止まらなくなる。寝ていても、煙草を吸いたくなるので、吸っては眠り、起きてはまた吸う。

禁煙すればまた喫煙前の元の状態に戻れることは

「わかっちゃいるけど、やめられない」

どうしたら禁煙できるのか考えようとして

一服してから考えようとする。イライラしていたら、考えもまとめられないからだ。

何か物事に集中しようとすると、吸っていない状態のイライラは雑念である。吸うとイライラは消えるのでまた吸って考える。

イライラは吸えば吸うほど、吸わない時のイライラが強くなることは

解っちゃいるけど、吸わずにイライラは抑えられない。

3日禁煙したが失敗、1か月禁煙したが失敗、1年禁煙したがまたまた失敗

禁煙に挑戦し、失敗を重ねるほど、いつのまにか、一日3箱60本のヘビースモーカーの泥沼にはまり込んでしまう。

パチンコも喫煙も、そうして20年泥沼にはまり込んでいった。

 

そこから抜け出ることができた魔法の呪文は

「一本でも吸ってしまえば、一生涯吸わなければならなくなる」

「一度でもパチンコすれば、一生涯パチンコせざるをえなくなる」

たった一本、たった一度だけ のココロの緩みは一生涯の苦しみを選択することである。

一日一生だけでなく

煙草は 一本一生の苦しみ

ギャンブルは 一度一生の苦しみ

喫煙もギャンブルも、その泥沼に入りこみやすい性格と、入り込みにくい性格があり、

その個人差が相当大きい。私の性格はなんでもハマり込みやすい性格であり、特に煙草やパチンコは父親の影響があったと思うが、健康的な少々の煙草も、少々の遊び的なパチンコもできないタイプで、やるかやらないかの二者択一でしか、選べない性格である。

酒は両親とも飲めなかった影響もあり、酒はどんなに飲んでも美味しいとは感じないし、ハマり込めない種類である。

依存症になりやすいものの、その個人差は大きく、特に、生まれた時の家族環境も大きく影響しているように思える。

10数年前、子供が韓国ドラマ 「宮廷女官チャングムの誓い」を観ていたので、つい私も観てしまったら、その面白さにはまり込んでしまった。次の展開が気になってしようがないので、毎週それを観ないと気が済まなくなってしまった。

チャングムは終わりまでが長く、その鑑賞時間に自分の生活の多くが奪われてしまった。

それから韓国ドラマにはまり込んでしまったが、そのしつっこさ、日本の昔のメロドラマを思い起こすような、これでもか、これでもかと執拗に主人公を苛め抜き、そのイジメにまけずに立ち上がるというストリーが多いことに気が付いた。観終わった時は何かスッキリしない、重々しさが残る。

日本のドラマ1時間のストリーが、韓国では100時間のストリーになるようなものである。

韓国ドラマは中毒性が強く、時間も長く奪われてしまうので、もし第一回を観てしまったら、最後まで観なければ気が済まなくなり、多くの時間がそれに奪われてしまう覚悟をしなければならないとして、注意して、とにかく観ないようにしていた。

ところが、テレビで、韓国ドラマが多く放送されているので、つい第一回のドラマ ホジュン 伝説の心医をBSで観てしまったら、月から金まで毎朝1時間やっており、それを観なくては気が済まなくなった。42回になり、いったい終わるまで何日何時間捕らわれてしまうのだろうか、心配になってきた。しかも、このホジュンを観る1時間が生活の中心になってきて、まさに、韓国ドラマ依存症生活になるという警告が自分の経験から発せられた。

やはり、中毒も、依存症も

一回一生 のハマり込み生活である

早く自分に韓国ドラマを禁止しないと、自分の生活もココロも奪われてしまう。

ネットで、このホジュンのドラマの最終回まで一気に観られるか探してみたら、あった。

なんと、最終回は1話30分135話であり、BSでは1時間1話で、役者が違うだけの違いだった。

一気に、43回以降のストリーを観たら、なんと三日徹夜(仮寝数時間)してしまった。それ以外の予定はみなキャンセルしたのだった。

最終回はやはりなんかスッキリしなかった。いわば鍼灸と漢方で治す医療の英雄を描いた人生であるが、今の時代には自己犠牲する英雄は望まれていないし、現代の多くの問題解決への道も、そこにはなく、医療もゴッドハンドを期待する技重視では解けない問題も多い。

そして、やっと韓国ドラマ中毒から解放されて、もう二度と韓国の連続ドラマは観ないことを決意し、もし、どうしても見たくなったら、ネットで最終回まで一気に観られるものだけに絞ることにした。思うに、ドラマも映画のように、2時間で一完結するのが、丁度いいと思える。

 

前回に、「迷ったら初心に戻れ」というように、

依存症や中毒になったら、

初心にもどって、

一本一生、一度一生、一回一生 

油断一秒、怪我一生

という、現実を十分に把握することである。

それを前向きな生き方にするなら

今日一日の充実、一生涯の幸福

もまた、依存症から脱却できた時のご褒美であろう。

カテゴリー: 徒然草, 社会問題 パーマリンク