金融大恐慌の原因

1929年の世界全体の金融大恐慌は「金本位制」から起こった 

と言われている。

この原理は簡単だ。

金1g=1$=1円 

金の量で、貨幣の金額を世界中で決めた。もちろん固定相場である。
地球上の金の量は限られているから、その金を各国が取り合う戦争が行われた。
そうして、一番多く金を持ったアメリカが世界の指導者になった。
でも、世界で生産される商品の量だけの金の量が必要になるが、そんなことは不可能である。

世界の生産量に対して極端にお金が少なければ、極端なデフレになって、金融大恐慌が起きた。

では2008年の世界の金融大恐慌は何であろうか?

この原理も簡単だ。

世界のお金の量は各国の中央銀行が自由に決める。そのため、各国は変動相場制にする。

例えば、
国内生産量に合わせて、

アメリカは100兆ドルの紙幣を刷る 日本は10兆円の紙幣を刷る。ドルと円の交換(為替)はその日の互いの物価の変動で決める。

しかし、世界が戦争をする場合、たくさんの武器を生産しなければならない。武器を生産の分だけ紙幣を刷るのである。
そうして戦争したら、武器はどんどん消滅し、生産する人間はどんどん死んでいくけれど、印刷したお金の金額だけはけして死なないで残る。

となると、
国内生産量の比べて貨幣の量は莫大に大きくなるから、超インフレになってしまうので、コーヒー一杯1000万円という価格になる。
そこで、その印刷した紙幣はすべて燃やし、新貨幣を作る。

そして、政府がいくらでも貨幣を印刷できないように、独自に中央銀行を作ってそこに全部管理させた。

そして、国内の貨幣量を現金の印刷ではなく、金利で高低で決めた。

例えば、

現金10兆円を倍の20兆円にするためには、金利を100%にすればよいようにした。

現金10兆円+債権10兆円=20兆円

これはちょっとわかりづらいが、原理は簡単だ。

AがBに10兆円を年単利100%で借りたら、1年後AはCに10兆円を借りて、Aからもらった現金!0兆円と併せてBに10兆円の現金と10兆円のCの債権を渡せばよい。これで、現金20兆円の商取引がされたことになる。

もっと簡単にいうと、

私たちが1日に使う現金は財布にある1万円以内ですむはずだ。それ以外に数億円必要な商いはクレジットカードや銀行のキャッシュカードや電子マネーで処置できるということである。現金以外にやりとりするのは電子マネーは債権の数字の流通ですむからである。

この債権の基本は現金の貸し借りで発生し、その金利で債権の量を決めることができる。

戦争するために必要な莫大な金は、紙幣を印刷せずに、国債を発行するだけでOKである。そして、大量の武器と人間が消滅した場合は、その国債分をさらに金利をつけて長期国債にして凍結し、超インフレにならないようにできる。

中央銀行は現金の量を増減をするのではなく、債権の金額の量の増減が主要な働きになった。
金利を高くすれば債権の金額が増し、電子マネーの量を増やす。
 金利を低くすれば債権の金額が減り、電子マネーの量は減る。

しかし債権=お金の増減ができるのは、お金の貸借とその売買をする投資銀行と投資家である。中央銀行はその債権発行に必要なお金を印刷するだけの下請け屋になった。銀行が現金を1兆円くださいといえば、金利の公定歩合1%という約束債権で1兆円を増刷するのである。

でも、中央銀行が銀行に貸した金額を全額現金返済をせまることはできない。もし、そうしたら、銀行も国も破産してしまう。ちょうど、預金者すべてが銀行からお金を引き出したら、その銀行は潰れてしまうようなものである。中央銀行はいわば市中投資銀行の預金者のような立場にすぎない。

そのため、
投資銀行が世の中の出回るお金の増減をするのである。貸すお金の金利を高くすればその分のお金が増え、貸すお金の金利を低くすればその分お金が減ることになる。

 中央銀行はいわば低金利で借りられる仕入れ先であり、それを高金利で貸し出してその差額でお金の量を多くする。それはすべて債権である。そのため、貨幣は商品の価格とは別個に貨幣の貸し借りで、貨幣が増産されていくことになる。

 そのため、物価があがるのは生産量の比べて、債権貨幣が増えたときであり、物価が下がるのは債権貨幣がへった場合である。

今回の金融恐慌はサブプライムローンの債権を中心にその債権が不良債権化した結果、投資銀行リーマンブラザーズが倒産し、その債権が数百兆円消失したことになる。その結果、生産量に比べて、債権貨幣の量が極端に減ったために、貨幣の量が足りなくなり、大きなデフレが生じたのである。

 2008年の世界の金融大恐慌の原因は金利本位制である。

 1929年の金融恐慌は金本位制から脱却した国の順番に回復した。
 今回の2008年の金融恐慌は金利本位制からの脱却(ゼロ金利政策)した国順に回復するだろう。

 もっとも、投資銀行が中央銀行の誘導にのればの話だが?
 それに国が金利つまり債権貨幣の発行権があれば可能だが?

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