陸稲の芽が15センチ頃、10日間の旅で、雑草取りを放置したら、
なんと雑草が8割、稲2割になっていた。
雑草を根っ子ごと引き抜くのは、小型の鎌と一緒でないと難しい。
雑草は、稲よりも高く、広く繁茂して、小さな稲は消滅してしまっていた。
放置前の陸稲畑
10日放置後の陸稲畑
雑草と稲を分けるとき、一番難しいのは、
稲と稲もどき(ヒエ)の区分けである。
根元が赤くなり、茎が少々柔らかいのがヒエだと思っていたら、
なんと、根元が白く、茎が稲と同じくらい固く、平べったいのがでてきた。葉の色も葉脈も同じ色、穂が出てみないと分からないのでは、稲はヒエに殺されている。
左がヒエ 、右が稲
ヒエは、稲より成長が早いので、畑全体で、背丈が一番高く、しかも横に大きく広がって、稲を押しのけている。
だが、そんな勇猛なヒエが、ひょっとすると稲だったらという期待が抜き取るのを躊躇させる。
区分け方をネットの力で知るしかない。
葉耳と、葉舌があるのが稲で、無いのがヒエで区分けできる。
吾輩の迷いは
よく見ないと葉耳と葉舌が小さくて見えないというより、見たくないことだ。
こうした、真実を知るのを阻害するのが、
2割になった稲が、大きく強く成長してほしいという願いが目を曇らせる、ネットで、見分け方を探るのを止まらせる。
真実を知るのはけっこう勇気がいるものだ。
特に理想が強く、現実に打ちのめされている時がそうだ。
また、
陸稲畑にはえる雑草にはほうれん草のように食べられるものもあり、ヒエだって、今は鳥の餌になっているが、人にだって食べられていた。
ちなみに、
うちの陸稲畑の雑草をすべて、湯がいて、鰹節と醤油で食べて見た。
みな味は変わらないが、
柔らかい葉と茎は美味しく食べられ、硬い葉と茎は繊維がかみきれないので、喉でひっかかる。
葉と茎が柔らかく、食べられる種類はイヌビユとスベリヒユの2種類だけであった。
イヌビユ
スベリヒユ
うちの畑は朝顔がやたら繁茂する。写真の朝顔の下にある松葉ボタンのようなのがスベリヒユだ。
朝顔も茹でて食べたが、茹でた見かけは三ツ葉だが、茎は硬く噛みきれないので、観賞用、畑では、稲を覆う蔓で、日差しを遮る困った雑草である。
理想と現実
少々大きなヒエをその根っ子ごと引き抜くと
コロコロ草、ヒエ、そして稲の割合は
4 : 5 : 1 であり、それは10日間草刈りせずに放置した結果とリンクする。
稲は雑草に9割り占領され、わずか1割が、なんとか生き残ったが、
もし、このまま草刈りせず放置すれば全滅は数日で起こり得ることを予想できる。
理想と現実の差はかくも厳しい姿をさらしている。