栖雲寺宝物風入れ展 2017年 10月8日~9日 9時~15時
天目山栖雲寺 伝灯庵( 山梨県甲州市大和村木賊122)
栖雲寺の「虚空蔵菩薩画像」は十字架捧持マニ像とも言われ、
通常は 山梨県立博物館に寄託され、保管管理されているが、年に一度の風入れ展には展示される。
この仏画は、
近年の調査で、鎌倉時代。元の時代(13~14世紀)に描かれたものと判明。
仏画でありながら十字架を持ち、マニ教の特徴である衣類(ショール)をまとった、
三つの宗教が融合された、世界でも類を見ない珍しい絵画。
平成22年にはニューヨークのメトロポリタン美術館にも出品・展示された。
マニ教は二元論(善と悪/光と闇)で、ペルシャ(現イスラム圏)で産まれ、世界に広がったが、今は中国福建省のマニ教寺院だけになった。
現在の三大宗教である、キリスト教、イスラム教、仏教のルーツはマニ教においては合流している。
それは三大宗教を比較研究し、その共通思想を探すには持ってこいの宗教であるともいえる。
しかも、日本人が伝統文化的に、かけ離れた宗教もみな融合して受け入れられる思想をもっており、
その証拠として、この栖雲寺の「虚空蔵菩薩画像」(十字架捧持マニ像)は語っている。
宗教戦争は思想戦争でもある。
考え方が違うことで、殺し合いまでするのが古今東西の悲惨さである。
だが、「みんな考え方が違って、みんな良い平和な世界」への道を開くことができる。
そのためには、
「初心に帰る」ことであり、
仏教、キリスト教、イスラム教 それらを信じた初心に帰ることで、
「共通の人類の心」を発見し、そこから、再構成していくと、
宗教戦争は宗教対話となり、自然の一つ一つの事実と照らし合わ(科学的手法)しながら
平和への思想とそれぞれ発展させていけば、
思想も人も、みな違ってみな良いから、語り合いながら、平和の道を切り開けるようになるだろう。
そんな切っ掛けを
この「虚空蔵菩薩画像」’十字架捧持マニ像)は与えてくれるかもしれない。