ただいま改装中

 8年間山村留学した丹波山を3月末で転出した。「立つ鳥後を濁さず」とはいうが、私はもっと前向きにしたかったので、

飛ぶ鳥後をさらにきれいにす

 という気持ちで、引っ越し前よりも引っ越し後の方がさらにきれいになった状態で丹波山村に返却した。かなり、改装したので住みやすくなっていたはずだ。

 家というのは、住めば住むほどきれいになるが、誰も住まないとその家は埃がたまり、廃墟になる。

 そして、近所に余ったものをお礼に配って、お別れの挨拶まわりをした。そのときに、驚いたのは、私が大量に捨てた一部のゴミを拾って、使ってくれてくれた人がいたことだ。特に嬉しかったのは「あなたの思い出にとっておいた。もし帰ってきたら、返してあげるから」

 この言葉には涙が出てきた。私は今回の引っ越しの際、全部で4トン車くらいの家財やゴミを捨てた。その多くは便利屋時代に集まったリサイクル品であり、ヤフーオークションで売れ残った商品だった。その他はお店の新事業をする際に、失敗してたくさんの金を使い込んだものである。その一部は引っ越しする際にくばった100円の額縁もそうである。

 それから、丹波山名物であるのめいこい湯に入り、挨拶、そして、丹波山そばを食べ、丹波山コーヒーを飲んで、最後の挨拶をした。一生涯住むつもりだったが、8年で引っ越しするとは予想もしなかった。

 午後の夕方には、新居の近所の家の挨拶まわりをした。私の組は私を入れて9人おり、手ぬぐいが売り場でなかったので、センスのいいゴムつき軍手をその8世帯に配った。組長が私を紹介してくれて、本格的に住むのは、4月28日だというと、近所の祭りが4月29日にあるといい、そこではお神楽も舞うというのでかなりのものだ。

 そこで、、挨拶はジョークを入れて、「私たちの歓迎会を盛大に催していただきありがとうございます」と言ったが、すぐに理解されずに、すべってしまったが、組長がジョークの説明してくれて、笑みがもどったので助かった。

 翌日から、改装を開始したが、一番の問題は和室の壁が砂壁になっており、暗いイメージだったことだ。しかし、それが本当に砂壁かどうかを疑った。ひょっとしたら壁紙ではないのか? 破れたとtころがないので、やむなく、壁込みの電気のスイッチをはずして、壁の材質を調べたら、石膏ボードに砂を塗料でまぶした壁紙を貼ってあった。

 さっそく、その砂の壁紙を剥がそうとしたら、その紙がうすく、のりも強いので、ヘラでこすったら、石膏ボードまで削ってしまった。いじらない方がきれいだったが、もうとりかえしがきかない。そこで、蒸気で清掃できるリサイクル器具があったので、それで壁紙を湿らせて、剥がすことに成功したが、いっきに剥がせるわけではなく、6畳間を全部剥がすには、数日かかるように思えた。もし、通常の壁紙だったら、その上にさらに壁紙を貼ることができるが、砂の入った壁紙ではうまくくっつかないので、剥がすしかない。

 それにしても、こんな剥がしにくい砂壁紙を昔はよく作ったものだ、今ではそんな壁紙を売っているのをみたことがない。古民家改装ではないが、それと似たような中古住宅改装になるようだ。 

 ポストも自分で作ることにした。買ったら安いが、ポストは家を収縮した象徴のような気がしたので、縁を大事にする意味で、手作りすることにした。娘の案をとりいれ、赤い屋根に白い壁にすることにした。

 

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