時間と競争

 中古住宅といっても、見かけはきれいで、築26年だった。でも、実際住めるようにするには最低限の水回り、ガス・電気・通信などが稼働できている必要がある。

 でも、ガスレンジ・換気扇は壊れていたので交換。しかも特殊な種類なので、価格も10万円と工事に1日を必要とした。

 お風呂は大丈夫だと思いこんでおり、その壁の貼り替えをどうするかばかり考えていた。そこで、お風呂に入った感じでその蛇口の温度調節をまわした瞬間、そのダイヤルから水があふれ出して、止まらない。何度も回して、一時とまったが、すぐにあふれ出した。

 それを止めるには、水道も元栓を止めるしかない。その元栓を止めるには旧式で、特殊な水道局のしか持っていない道具でないと止められない。10センチほどの穴で深さは50センチで、手が入らない。T型コックになっており、そのT型のつまみを長さ1mの鉄の棒ではさんで回さねばならない。

 そんな道具はないので、バスの水栓のつまみの下に止栓があるはずだと思い、手前のカバーをはずしにかかった。4つのボルトがかかっていたが、2つはドライバーあっさりはずれたが、他の2つはネジがさびてしまい、ネジは右にも左でもいくらでもまわるのだが、そのネジを引き出すことができなかった。

 この2つのネジをペンチでつまんでひっぱることもできない。完全にさびて接着している。しかしなんども挑戦したら、指と2カ所も怪我してしまった。ますますいらだってくる。水はあふれだし、血も出てくる。どちらも止まらない。

 そこで、冷静になって、さらに、水道のたぐっていくと、何と、外の水道に元栓がもう一つあることを発見した。水道局の人も気が付かなかったところだ。その蓋をあけると、うでが入り、手で回すことができて、止栓することができた。

 そして、再びさびついたネジを開けることに挑戦した。やむをえないときはカバーを破壊するしかないと思ったが、ふと、釘抜きを使い、ハンマーで思いっきりただいて、ネジの頭の下にくいこませて、引き抜こうとすること1時間かかってそのネジを引き抜いた。用はネジとナットがくっついたまま引き抜いたことになる。

 水栓の中をみたら、そこに止栓はなかった。そして、バス水栓を交換するために、太いネジを回すのだが、その位置が特殊でめがねレンチでしか回せない。しかもさび付いているので、一度ゆるめただけではネジは手で回らない。15センチくらいのネジを延々とめがねレンチで、少しずつ回していく。こうなると、いらつく自分をなだめるしかない。

 「いつかは必ずできる」

 と、詠いながら、まわすこと、30分、大きな2本のネジがとれた。さっそく、近くのホームセンターにいって、それと同じバス水栓を探してもらったが、ほとんどの水栓は壁からひきだされているが、これはキッチンの水栓と同じで、下からの水栓で、売っていない。それを分厚いカタログで探してもらい、注文した。さらに、その水栓の長さが30センチあるのがまた特殊だったので、別に注文するしかなかった。

 この水漏れの水栓を修理するさいに、気が付いたのは浴槽も20センチくらい割れており、そこにテープでとめてあったあとがあった。したから、30センチくらいの上なので、たぶん、風呂の水は30センチまでは溜められて使用していたようだ。

 この浴槽も交換しなくてはならないので、その浴槽もまたシステムバスの一つなので、特殊である。それもホームセンターに注文しようとしたら、係員もそんな注文はうけたことがないので、首をかしげてしまった。

 それにしても、こうした修理できる業者を捜すのは新しく引っ越したので大変だ。その業者の連絡先がとにかくわからない。

 やはり、ネットで探すしかないだろう。田舎にはネットは、年寄りのネットの必要性と同じで必須の生命線だろう。

 それにしても、このバス水栓代金も、1割まけてもらっても、45000円したから、とくかくお金がかかる家である。こうした清掃、改築には自分でやってもその材料費だけでも200万円はかかりそうだ。 

 家を買う際、そうした経費も見抜けないと、予算があわなくなるだろう。

 畑の方は何もしていないので、雑草が伸び始めてきたので、まさに時間との格闘だ。

 それにしても、前の住人はトイレとバスの水漏れだけでも、その水道代はかなり大きな負担になっていたと想像する。ほんの少しも漏れでも、24時間2ヶ月のなれば、2万円近くなってしまうのは、東京の生活でも経験ずみだからだ。修理した方が安上がりだったと思うのだが? 

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